表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/18

第二章~中学校編~

今、俺はA組の前にいる…。

『他のクラスって妙に緊張する…。』

ここにいる目的はもちろん、ナギサに話すためだ。いっそ誰かに気付いてくれたら楽なのに、そのクラスの雰囲気は、別世界のものに感じられた。そして俺の出した結論は、出直すことだった。

『戻ろう…。』そう決意した瞬間!


「おはよう、司クン。何をしてらっしゃるの?」

余りの出来事に、体がビクっとし、「うわ!」とも「うひゃ!」とも取れる言葉を発していた。いつもお嬢様は俺の意思を砕く行動をしてくる。

「あ、お、おはよう…。」やっと出た言葉に、余程俺の反応が面白かったのか、笑ってらっしゃる。

「そ、そのナギサさんに話しておきたい事があって…。じ、実は俺…、彼女がいるんです。それで昨日、変な誤解されて…。すみません…、上手く言えないけど、そ、その…。」今、自分に最大限の言葉で、お嬢様を傷付けないように話した。


「知ってますわよ。彼女がいても私は気にしないから、心配なさらないで?」ニコッ!

で、出た!必殺の『ニコッ!』攻撃。自分の意志が揺らぐ瞬間…。

「え?知ってたの?」

「えぇ、いつでしたか彼女さん、お迎えにきてらっしゃったでしょ?その後、司クンに彼女がいらっしゃると噂を聞きましたから。」

正に知らぬは本人だけである。中学生の身分で噂話のネタになっていたとは…。涌き出る恥ずかしさを感じながら、「そういう訳だから。」と足早に教室に戻った。


「『…キンコーンカンコーーン…』」お昼休みを告げる鐘が鳴る…。

『さてと、購買に行くかな…。』と席を立つ俺。廊下に出るとそこにはお嬢様の姿が。

「調度良かったですわ、またお昼ご一緒しましょ?」ニコッ!

もう、ここまでくるとお嬢様の思考回路が分からない…。

「今日は、司クンの分もありますから。」ニコッ!

呆気に取られる俺。もうツッコム余裕すらない。

「あ、あの~。今朝いいましたよね?それに妙な噂が立っても…。」俺の言葉を遮るように、

「さぁ、時間がもったいないですわ。行きましょ?」ニコッ!と俺の手を取る。『あ、手を繋いだ…。』周りの目を気にしながら、結局お嬢様に付いていく俺…。


着いた先は例のベンチ。

「あのー、またここなの?」せめて人目の無い所にしたかったが、

「私、ここが好きなの。」ニコッ!だから、『ニコッ!』じゃなくて…と思ってしまう。

「はい、これ司クンの分。お口に合うかどうか…。」と弁当を取り戻した。

「あ、あのさ、気持ちは嬉しいけど、やっぱりこういうの、皆に誤解されるから止めた方がいいよ。」

「あら、遠慮してるの?私は気にならないから平気よ。だから遠慮なさらないで?」ニコッ!

「いや、俺は気にするから。それに彼女もいるし…。

「うふ、だから私は司クンに彼女がいても気にしないわ。それに司クンの彼女にも興味がありますもの。」ニコッ!

「へ?!」本当にお嬢様の思考には付いていけない俺。そして更にまた俺の上を行く行動を出してくる。

「はい、あーーん。」はい、よく恋人相手に出してくる必殺技を俺に見舞いだした!!

「はい、あーーん!」催促してくる…

「ちょっと!お口を開けなさい!はい、あーーん!!」ちょっとキレ気味になるお嬢様。そして、必殺技に屈するヘタレな俺…。

『パクっ!』なるべく周り気付かれないのを願いながら、急いで口にする。

「どう?美味しい?」

「う、うん…美味しいです…。」嘘だった。正直恥ずかしさで味なんて全く分からなかった。ただ分かるのは心臓が破裂するほど高鳴ってたことだけ。

「さぁ、早くたべちゃいましょ。」ニコッ!食べてる時はお喋りしないのでお互い沈黙が続く。それでもお嬢様に見られながらの食事は緊張のためか、やっぱり味は分からなかった。


こうして本来なら天国のような食事も、俺には地獄のような時間が過ぎた。


終業のホームルームを終え、足早に自宅へと向かう。ミレイと付き合い始めて、今は俺自宅で待ち合わせて、勉強デートするのが日課になっいるからだ。そう、少なくとも昨日までは…。


「待っていましたわ、一緒に帰りましょ?」ニコッ!

『ん!?!!?それは何の呪文ですかお嬢様?!』心の俺がさけぶ。玄関に立っているお嬢様、間違いなく俺に発した呪文。

「あ、お、俺、これから家かえって勉強するんだけど…。」

「えぇ、知ってますわ。彼女とご一緒になさるんでしょ?」ニコッ!

「う、うん。だから一緒には帰れ……」

「気にしなくてよくてよ。私もご一緒しますわ。興味がありますもの。」ニコッ!

『無理、無理、無理、無理ーー!』何を考えてるかお嬢様は!

「あ、あのー、何を言ってるかわかります?」

「分かりますわよ、失礼ですわ。こう見えても頭は良くてよ。」アハッ!いつもと違い声を出して笑ってるお嬢様…。理解し難い、もしかしたらアホなのかと疑ってしまう。


「さぁ、参りましょう?」ニコッ!と、俺の腕を取り、半ば強引に玄関を後にする。当然周囲の下々の目線を浴びながら…。


家路へ向かう途中、何度も、無理と気にしないの応戦をしながら、俺自宅が視界に入る。同時に見られてはいけない存在の姿も…。やがて訪れる恐怖が俺の中で沸々と沸き上がるのを感じていた。


そして、俺の存在に気付き手を振る彼女。そして次第に表情が変わるのが、遠目の俺にも確認できた。


俺の体が『サーー…』っと、音を立てて血の気が引くのが分かった……。

ミ「お待たせしました。あとがきのコーナーでーす」

里「ちょっと、私忙しいのよ」

ミ「なんで?出番ここだけじゃない。ナギサは無理よ」

里「そのナギサと司の○○○、覗きに行くのよ」

ミ「バカなこと言わないでよ!」

里「バカじゃないわよ、私知ってるもの」

ミ「何を知ってるのよ」

里「この先展開」

ミ「だめよ、ネタバレしたら!」

里「言ってほしくなければ交換条件よ」

ミ「どうすれば、いいの?」

里「私にヒロインを譲ってくれればいいのよ」

ミ「それって、また登場させるパターン?」

里「そうよ、その気になった」

ミ「大丈夫、出てくるみたいよ」

里「あなた、ネタバレしてるわよ」

ミ、里「おしまい。また見てネ。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ