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52.暴走

3/30 プロローグを削除しました。その関係で、しおりを入れている方は、全体的に1話ずれているかと思います。申し訳ありません。


合わせて冒頭の3話の内容も、少し削っています。ストーリーには影響の無い範囲です。

「ほう、ここが救世主様のご自宅か……随分と……ボロボロだな……」


 ロラが言いにくそうにしていた。

 玄関に入ってもらっはいいけど、車を出す際に、リビングのドアと玄関の靴箱を破壊していたのが、そのままになっている。


「事情があって、このような状態になっていますけど、他の部屋は大丈夫です」


スリッパを出してリビングに通す。


「ひとえ、とりあえずコーヒーでも……」

「はーい」


 とりあえず、ソファにでも座ってもらって、俺は、テーブルやドアの破片を片付けておこう……と思って動き出したが、結局、リリィとロラにも手伝ってもらう事になった。


----------


 ゴミと化したテーブルやドアを外に出し、床に掃除機をかけ、拭いたりしていたら、すっかり時間が経ってしまった。


「えーと、ロラ様、本当にありがとうございます」


 身体が大きい事もあり、力仕事は俺よりも貢献していましたよ。


「いやいや、救世主様のお役に立てて、私も嬉しい」

「ロラ姉様、次はアイドルの特訓よ!」


 ユイカが茶々を入れるが無視しておいて


「もしよろしければ、お風呂を使ってください。着替えも用意できると思いますので……」

「ああ、お風呂があるのか。それは助かる。是非、入らせて欲しい。4か月近く聖地にいたので、身体も満足に洗えていない」


 4か月……それは臭そうだけど、さっき、光のカーテンをくぐるといき、甘い匂いしかしなかったな。ちゃんと身体は拭いていたんだろうね。


「ロラ姉様、私が使い方を……」


 リリィが浴室に案内しようとすると、


「私が一緒に入る!」


 と、ユイカが先に浴室に向かっていった。もちろん、手はモミモミと動かしていたけど……ひとえが、ロラが入った後の洗面所のドアをぴっちり締める。覗いたりしませんよー。


 さて、この間にオクシヘノにアクセスしてみようか……


<<マゴガミンの世界へようこそ!>>


 ポンッ


 元気よくオクシヘノが出てきた。なんだかご機嫌のようだ。


「よくやったな! 3つ目のゲートウェイをゲットだ。しかも、イエーロの奴のものじゃ。ザマアミロじゃな」

「イエーロ?」

「そうじゃ。鋼を司る孫神イエーロのゲートウェイじゃ。これで、奴が呼び寄せた救世主は、聖ダビド王国のゲートを使う事が出来ない。どこかの山奥や魔界のどっかに召喚するしか無いからな。かなり不利になるはずじゃ」


 聖地を抑えても、他の場所へ救世主は召喚されるって事なんだよな。

 まぁ、この国に出てくれなければ、当面は気にする事もあるまい。


「部屋が汚くなったな、イエーロをゲットしたお祝いにサービスしてやろう、ほれ!」


 その瞬間、壊れたテーブルやドア枠が直ってしまった。これは、玄関の靴箱も直っているな……


「あんまり、無茶なものを出すなよ」

「あ、ああ、すまない……」


 どうせなら片付ける前に出てこいよ……とは言えなかった。


「そういえば、他の救世主ってどうなっている? まだ、出てきていないのか?」

「うむ、そうじゃの。妾達も他の神の動向が分からないので、なんとも言えないが、本来なら、出てきていてもおかしくないはずだ。むしろ、妾達は5人で協力する事を話し合ったりして、出遅れていたからの」


 他の奴らも同じようなグループを作っているのか?


「確かに気になるな。少し、探りを入れてみよう」


 別段、孫神たちの遊びの付き合う気は無いのだが、他の召喚者たちが俺たちへ干渉してくるかもしれない。情報だけは早めに欲しい。あと……


「あなた、私を紹介して……」


 あ、そういえば、ひとえが、オクシヘノと会うのは始めてか。

 オクシヘノにひとえを紹介する。その後に続いて……

 

「妻のひとえです。主人がいつもお世話になっています」

「妾がこやつを召喚したオクシヘノじゃ、よろしく頼む」


 ゴン!


 その瞬間、ひとえがオクシヘノを叩き潰す。

 え、ひとえ、どうした? 何か気に障ったのか? 無表情だが……怖いぞ……


「な、何をするのじゃ!」


 潰れたままでオクシヘノが抗議をする。


「あなたのせいで、カズトは大怪我をしました。その恨みが私に無いとでも……」

「私の加護のおかげで、命は助かったであろう」


 少し身体を伸ばしたオクシヘノを、ひとえが、もう一度潰す。

 ゴン!


「そもそも、あなたたちが余計な事をしなければ、私達は平和に暮らしていました」

「それは、すまないと思っている……」


 そこまで言って、冷たくオクシヘノを睨みつけると、ひとえは台所へ戻っていった。オクシヘノが元の大きさに戻って、ため息を吐く。


「そ、そなたの奥方はおっかないのー」


 そう言って、オクシヘノはモニタの中へ引っ込んでいった。

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