表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/78

47.陰謀の尻尾

 俺達は聖地カルボノからオーレンセの街中を抜けて王都アルテアを目指し出発した。車とバギーが疾走する姿を見られてしまったが、そこは華麗にスルー。オーバーテクノロジー? 何それ? 美味しいの?


「今日はサラマンカという宿場街を目標にしましょう!」

「そこまではどのくらい?」


「たぶん、7、8時間で着くはずです」

「わかった、それで行こう!」


 フェロル村からオーレンセの街までもそうだったが、ずっとアップダウンの少ない道が続く。たまに街道から離れた場所に森林が見えるが、街道沿いはずっと草原か灌木しか生えていない。なだらかな道をひたすら進む。


「リリィ、そういえば、魔法ってどこかで習う事ができるのか?」


 ユイカとの会話を思い出し、リリィに聞いてみた。この国の魔法に関する認識は確認しておきたい。


「はい、貴族や王族、それに特別な推薦を受けた人向けに王立の学校があります。そこで、基礎的な事は習得可能です。ただ、魔法に関しては生まれつきの才能に左右されますにで、その後の実技については、魔法の才能がある人のみ、学習する事になっています」


 魔法については認知されているんだな。ならば、ユイカが魔女狩りのような目に合う事は無いだろう。よかった。


「ユイカは入れるかな?」

「ど、どうでしょう……ただ、貴族向けの学校のため、学費が相当なものになります」


救世主一家でもお金は取られるんだろうか?


「……ちなみに、いくらくらいになるのかな?」

「学費だけで、初等部で、年間150万から200万くらい。全寮制になりますので、それ以外にもう200万くらいだったはずです。中等部以上は私も知りません」


 最大年間400万か……ユイカと浩太の2人分と考えたら、年間800万。高いなぁ・・

 ユイカは中等部になるのだろうか?


「魔法以外の学校は無いのかな?」


「あ、そもそも魔法専門の学校というものはありません。貴族向けの学校に魔法という教科があるのです。他に平民向けの私塾であれば、いくらでもあります」


 今後を考えると、子供達にはちゃんとした教育を受けさせたい。


 そうなると年間800万円を捻出、月額にすると約70万。

 聖地一つを確保する事に20万の月収になるので、学費だけで、3.5箇所が必要か。


 日本でも教育費に頭を悩ましていたけど、ここでもか!


「そういえば、チコは学校には?」

「いえ、フェロル村には学校が無いので行った事はありません」

「そうか……じゃあ、読み書きは?」

「簡単なものであれば大丈夫です。複雑なものになるとちょっと……」


 ユイカと浩太だけ学校に行って、チコが家にいるというのも良くない。

 確保する聖地さえ増やせれば、チコも学校に行かせよう。


「リリィは……?」

「私は、一応、王族でしたので、義務である王立学校の初等部には通っておりした。あんまり出来は良くなかったので、中等部へは進学せず、従士から騎士に成る道を選んだのです」

「初等部は何歳まで?」

「入学してから8年になりますので、特に何歳という決まりはありません」


 ユイカと浩太はどこに入学する事になるのだろうな……途中から編入が可能かどうか、確認する事は多そうだが、まずは金だな。

 

「王族といえば、リリィ、一昨日、アニアが俺を盾にした時、ファビオが王になれば……みたいな事を言っていたけど、あれはどういう事だろう?」


「そうですね、実は私も少し気になっていたので、詳しく聞きたかったのですが、あの後奥様が……」


 あー、あれは怖かったね。完全にキレてたし。


「ファビオが王になれるなんて事があるのか?」

「いえ、今の女王様の子供や孫が王位継承権としては上位にありますので、ファビオ様に回ってくるのは、よほどの事が無いと……」


「理由はわからないが、俺を連れて行けば、ファビオが王になれる密約みたいなものがあって、リリィが邪魔だったって事かな。マシアス商会がどう絡んでくるんだろう……?」


「あ、マシアス伯爵が確か、ファビオ様の伯父にあたるはずです」


 おお、それだ。

 ファビオが王様になれば、マシアス商会はやりたい放題って事か。それだったら、リリィを殺しに来るのも、動機としては理解できる。


「じゃあ、リリィがお父さんを連れて行けば、リリィが王様って事?」

「ぶっ」


 浩太の何気ない言葉で、リリィが、うちから持ってきたペットボトルのお茶を吹き出す。車にかかった。あとで拭いておけよ。どちらにせよ、これ以上の情報がなければ、判断のしようが無い。


「良くてリリィが王様になる。悪くても、ファビオが王様にはならないって事で、俺がリリィと王都に行くのは問題無いな。あとは、マシアス商会が妨害をしてくるような事があったら困るけど……」


 リリィがプルプルと首を振っているが、それは無視し……


「出来るだけ早く王都へ行き、素早く聖地を一つ確保ってくらいで考えておけばいいか」


 マシアス商会とファビオがどう動こうと、聖地があれば王都からでも逃げ出せる。

----------


 最初の目的地、サラマンカに近づくと、魔物の種類が変わってきた。牛と同じ4つ足なのだが……


「多分、羊です」


 ラム肉は美味い。次の街の名産は羊肉って事か?


 サラマンカに着く前に、先にリリィだけ走ってもらい門番と交渉をしてもらい、門の内側に車を止める事を了承してもらった。車を降りた所で門番が駆け寄ってきた。


「ようこそ! 羊肉が名産の街 サマランカに!」 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ