ご近所付き合いが嫌いなので、回覧板はポストにブチ込む派です。
「今日集まってもらったのは他でもない。こいつの事だ」
俺は写真を集まってくれたヤツらに見せる。集まったのは、頻尿、桃華、そして、最近よく話すようになった紙夜君だ。
「誰なんだコイツは……」
「かわいいねぇ〜」
「我三次元興味無」
「コイツは俺の部屋のお隣さんだ」
「この学校の生徒なの?」
「いや違う」
「それで? この人がどうかしたのか?」
「疑問」
俺は真相を2人に話す。ん? 1人減ったって? 頻尿はトイレに行った。
「コイツ、名は城野と言うんだがな……妙に俺に絡んで来るんだ」
「何か問題でもあるの?」
「ある」
「例所望」
コイツらはアホなのか? 俺は考える。ただ隣に住んでいると言うだけの接点で俺に喋りかけてくるんだぞ? 意味がわからなすぎる。そう言う旨を2人に告げる。
「誰かと話すのに理由がいる?」
「理由無き会話に意味などないだろ」
「理由要らないと思うけどなぁ」
「生産性皆無会話我好意」
「お前らちょっとおかしいよ……」
俺は戦慄する。この世界に俺の味方はいないのか?
「それでどうしたいんだ?」
急に会話に入ってきた頻尿の事は気にせず続ける。
「引っ越したい……」
「1人ご近所トラブルで引っ越すとかオマエヤバいぞ……」
「確かに引っ越すのはやりすぎじゃない?」
「我睡眠所望」
「そうか」
「それでその女の子はハルくんにした事はそれだけ?」
「え?」
「え?」
「ん?」
「ん?」
俺は、桃華の言葉に疑問を覚える。
「コイツは……男だ」
そういった瞬間、寝かけていた紙夜君が目を見開いた。
「お、おおおお男の娘でござるな!?」
紙夜君が普通に喋った事に驚いた俺は反射的に彼をぶん殴ってしまった。気絶して倒れる紙夜君、その顔は満足気でなんだかキモかった。
「お前……普通に喋れたのかよ……」
□ □ □
「誰も俺の苦しみをわかっちゃいねぇ……」
「あっ、おかえり」
俺が家のドアノブに手を掛けると、例のヤツが話しかけてきた、辛い
「おぅ……」
紙夜君を病院に送ったのは失敗だったのかもしれない。俺はそう思った。