人類皆平等なんて永遠に無理なんですよね。
「なぁ、晴山よ……何でこんなに暑いんだろうな?」
「先輩がエアコンぶっ壊したからじゃないですかね」
「暑い……何で」
「先輩がエアコンに別れを告げたからじゃないですかね」
「アツゥイ……どうして」
「先輩がエアコンを殺したからですよ」
「ところでなんでキミは暑がる私の眼の前で優雅にアイスを食べているんだ」
「暑いからに決まってるじゃないですか」
「そう……」
「はい」
俺は眼の前で項垂れる先輩……小嶋桜先輩の眼の間でアイスを食いながら寛いでいた。そう、遂に俺は部活に入ることを決意し、そしてこの第三帰宅部に入る事にしたのだ。
「お前……私に申し訳ないとは思わないのか」
「思いますん」
「どっちだよ!」
「そんなに暑いなら脱げば良いじゃないですか」
「お前は男で私は女なんだが?」
「それが?」
「お前が私の裸体に欲情して襲って来ない保証が何処にある」
「下着まで脱ぐ気なのか……」
「私に下着などと言う俗なものは要らん……ほれ、つけてないぞ? 襲え?」
「お前のような体に起伏の無いガキは嫌いだよ」
そう、この先輩、見事なまでのツルペタなのだ。それはもう真理くんに体の起伏をすべて取られたと言わんばかりの板具合であった。
「うぁーん、新入部員がいぢめるー」
「板の癖に調子に乗ってますね……」
「妊娠すれば膨らむと聞いた」
「うわぁ、痛々しい発言ですねそれは。 たまげたなぁ……」
板が体をくねらせながら項垂れている。その姿は姉よりも物悲しかった。俺はアイスを食べ終え席を立ち帰ろうとした。
その時、不意にドアが開かれた。
「やぁやぁ、ハルくん。暇なら部活をやろうではないか」
百井が現れた。
「モモ後輩ではないか。聞いてくれよー、ハル後輩が虐めるんだよー」
「先輩、磨きますよ? つるつるのペタペタに」
「とまぁ、こんな具合なんだよー」
「ハルくん……」
事実をありのままに伝えただけなのになぜこうも迫害されるのか。人間とはかくも難しい生き物である。女体の話しで気になったので俺は百井にもそれを聞く事にした。
「百井、お前の胸のサイズどれくらいあんの?」
すると彼女はさらっとこう返してきた。
「普通にFだよ」
「……」
「……」
悲しいなぁ……。 俺は青春の汗を目から流す先輩を背に百井と部活をする事にした。




