彼も悪気があってやった訳じゃ無いんだよ。多分
俺が昼休み、いつものように脳内で姉を殺し続けながら辺りを見回していると其処彼処でグループが出来上がっていた。
どうやら携帯ゲーム機をしているらしい。
「晴山くん、暇そうだね? ゲームとかやんないの?」
声をかけてきたのは。クラスメイトの宮代くんだ。片手には件のゲームを持っている。
「やるぞ」
「どんなのやるの?」
「なんでもやるぞ」
「なら最近出たこれ持ってるかい?」
そう言って彼が見せてきたのはドラゴンやら豚やら牛やらを狩って生活をしていく最近流行りのゲームだった。
「あー、それね。知ってるがやった事はないな」
「へぇ、珍しいね。人気シリーズなのに」
「面白いのか?」
「うん」
「そうか、今日買ってくるわ」
「おお、明日から一緒にやろうね」
「ああ」
□ □ □
放課後。オーガ星の知り合いがやっているゲームショップに来た。色々と融通が利くので重宝している店だ。
「やぁ、ハル君。またスケベなゲーム買いに来たのかい? 新作はまだ出てないぞ? それとも新規開拓かい?」
「うるさい。今回はエロゲーじゃない」
「そりゃ珍しい」
「おい」
購入したものがバレているのでイジられる。実に不愉快だが事実なので顔を真っ赤にする訳にもいかない。
「営業でもするか。ハルくん、音ゲーの筐体がオススメだぞ? つまむ奴とか叩く奴。それに叩かれる奴とかもあるぞ」
「ウチの床が抜けるのでそれは買わない。っていうか叩かれる奴ってなんだよ。」
一昔前はよく見たケツドラムとかいう奴なのだろうか。とにかくそっちの気は無いので断る。
「じゃコレ、オンラインゲームの最新版。VRMMO?とかいう奴なんだけど」
「仮想現実に入れる奴か」
「そうそう、そのヘッドギア」
「面白そうだな」
「ただしメニュー画面を開くと爆発します。物理的に」
「は?」
「頭が挽き肉になります」
「おい」
なんだか不穏なものを買わせようとしてるぞこのクソ親父。
「お、これなんかもイイぞ」
「ん?」
「最新型のハードなんだけどね? とにかく画質とか音質とかめちゃくちゃイイらしい」
「ロールプレイングゲームとか捗りそうだな」
「でもコレ一般家庭でやるとつけただけで電気料金が跳ね上がります。具体的に言うと桁が二つほど増える」
「据え置きでそれは致命的だろうが」
「人の家でやればイイんだよ」
「お前は鬼か」
「そうだけど?」
「そうだったな……」
比喩が通じなかった。南無。
「じゃなくてだな、アレ買いに来たんだよ。モンスター狩るゲームのの新しい奴」
「おっ、タイミングイイねぇ。昨日再入荷したばかりだよ。やっぱ人気シリーズは売れるからねぇ」
「くれ」
「はいはい、待っててね」
程なくして目当てのものが運ばれてきた。俺は金を払ってそれを受け取る。良い暇つぶしになりそうだ。
「まいどー。あ、また配達のバイト頼むかも知んないからそんときよろしくねー」
「気が向いたらな」
□ □ □
「という訳で買ってきたぞ」
「おお、行動が早いね。早速一緒にやろうか」
「グリーン村のクエストはとりあえず終わらせておいたぞ」
「あっ」
「ん?」
「グリーン村って二つ前のバージョンの奴……」
「え」
俺はなんとも言えない気持ちになった。




