不気味な奴って人生に一回は会うと思う。俺はすでに三回会った。
「なぁなぁ、転校生よ我はモテたいんだが」
突然話しかけてきたこいつは非モテの王と呼ばれる俺のクラスメイトだ。
名前は忘れた。
「ナンパしてこいよ」
「自分から行くのは違うだろ」
「と言うと?」
「何もしなくても女が寄ってくるようなそういう奴だよ」
「おーけー、俺がモテる秘訣を教えてやろう」
「おお! 転校生お前がナンバーワンだ」
慈悲深い俺はモテる秘訣を目の前のゴリラに教えてやろうと思う。
ああ、俺ってなんて優しいんだ。
「まずお前の顔が悪い。 整形してこい」
「えぇ……」
「それから財力も重要だ。とりあえずメロンパン買ってこい。駅前の高級店の奴、もちろんお前の金でな」
「ぇぇ……」
「後は……獣臭いのをどうにかしたほうがいい、顔と合わさってとてもむさ苦しい」
「我泣きそうなんだが」
「整形してこい。マサハルにして貰ってこい」
「なんで顔が悪いみたいなニュアンスの事二回もいうの!???」
「後お前誰だ?」
「うわぁぁぁん!!!」
俺が折角教えてやったのに毛達磨は泣きながら去ってしまった。よくわからん奴だ。
「ねね、ハルくん。いまゴリラが泣きながら走って行ったんだけどなんかしたの?」
「ん? ああ、モテたいというのでまず整形をしろと言ったら行ってしまった」
「可哀想……」
「いやいや、あいつが地球で女を捕まえるにはまずあの深すぎる彫りをなんとかしたほうがいい。あんなん猿の惑星でしか通用せんぞ」
「それにしたってもっと言い方って物があるんじゃ無いかな?」
「慈悲は無い」
「でもさっき地の文で慈悲深いって言ってたよね?」
「俺が慈悲深いのは俺に従う奴のみだ」
地の文ってなんだ? こいつも大概電波だな?
「電波じゃないんだよ!」
「うお!?」
「ハルくんがそんな事思ってたなんて私悲しい」
「お前心が読めるのか?」
「いや、地の文を読んでるだけだよ?」
「??? よくわからんが、あいつが何考えてるかわかるか?」
そう言って俺は右斜め前の赤也を指差し問う。それに対し百井は首をかしげ答えてきた
「わかんないよ、私は地の文を読めるだけだから」
「だからなんなんだ地の文って」
「わかんないならわかんないでいいよ」
「そうか」
「そうなんだよ」
「ところでお前名前は?」
「わかってるくせに。それがハルくんの芸風なんだね?」
「?!」
「まぁまぁ、私は百井だよ」
「お、おう。知ってた」
「ふふ」
まぁ、異次元の言語に頭を悩ませる必要もあるまい。俺は即座に頭を切り替え帰る準備をする。今日は何をして帰ろうか
「ハルくん? まだ昼休みだから帰っちゃダメなんだよ?」
「なんなんだよお前!」
俺はバッグを持つのも忘れて窓から下校した。久しぶりに飛んだので足が逝ってしまった。足が痛ぇ。




