忍者になりたい? たかしくん、君先週は死神になりたがってたよね?
「拙者実は忍者でな」
いきなり奇天烈な事を言い出したコイツは男の娘好きの紙夜くんだ。前まで訳の分からない喋り方をしていたのだが、普通に喋れる事が発覚した。コイツも頭がおかしい奴の1人だ。
「ニンジャ? なんだそれ」
「まぁ、簡単に言ってしまえば暗殺者でござるよ。」
「ほう、暗殺」
暗殺と聞いて俺は1人殺して欲しい奴を思い浮かべた。そう、憎悪と恐怖の象徴である姉の事だ。
「まぁ、地球では殺人は罪なので殺しはしないのでござるが」
「法には負けるのか」
「郷に入っては郷に従えという事でござる」
「んで、ニンジャってのは何ができるんだ?」
「忍術という物が使えるでござる」
「ほう?」
「まぁ、有名な所では分身の術とか」
「見せてくれんのか?」
「えー、どうしようかなー??」
「俺の家、お隣さん」
「仕方がないでござるなー」
ニンジャってのはちょろいな。いや紙夜くんがちょろいのか。
「じゃあ行くでござるよ」
「おう」
紙夜くんは両手を合わせ人差し指と中指を立てる。まるでこれから浣腸をする人みたいなポーズだ。
「忍法…分身のじゅ」
紙夜くんが言い終わる前に白い煙が彼の隣から上がる。煙が少し晴れると人影が現れた。
そして煙が無くなり姿を表したのは。
汚いおっさんだった。
「どうでござるか?」
「分身ってなんだっけ」
「こ、コレが忍法分身の術でござる!」
「苦しいぞ」
「やっぱり?」
「ああ」
おっさんはまっすぐこちらを見つめている。
「おい、そのおっさんどうにかしろよ」
「えぇ〜」
「えぇ〜じゃねぇよ。お前がそのおっさんの人生を狂わせたんだぞ責任取れよ」
「あのおっさん加齢臭キツいし近付きたくないでござる」
「……ああ、もしもし警察ですか? 忍術と称して人を誘拐する現場に」
「ちょっと! 何してるでござるか!? わかった! あのおっさんは拙者がなんとかするから!」
紙夜くんはおっさんに近付き何やら説得をし始めた。おっさんは表情一つ変えずそれを黙って聞いている。すると程なくしておっさんが激昂、紙夜くんを殴り飛ばし唾を吐きかけ去っていった。暗殺者の癖に弱いな紙夜くん。
「おっさん、怒ってどっか行ったぞ」
「忍者……やめます……何が暗殺者だよマジ死にたい」
紙夜くんは心も弱かった。




