モテなさ過ぎて、もうメスなら誰でもいいとほざいた奴を俺は知っている。
僕の名前は西野信二。魑魅魍魎が跋扈する異星人クラス唯一の地球人だ。そして僕は知っている。それは、本来なら僕が主人公だって事だ。だって、ここは地球。普通は僕が主役の筈だ。なにせこのクラス唯一の常識人にして地球人なのだから。
「おい昨日のアレ見たか?」
「アレ?」
「深夜にやってたアレだよアレ」
「ああ〜〜、番組名何だっけ?」
「宇宙女の子図鑑だ」
「アレかぁ〜〜毎回違うタイプの女の子で見てて飽きねぇよな。今回は何だったんだ?」
「乱れた若奥様〜百花繚乱編〜だよ」
「マジか」
あそこで男子高校生のお手本的な会話をしている程度の低い猿たちも異星人だ。何が乱れた若奥様だ。僕は前々回の健全ロリブルマ〜青い果実〜の方が好きだ。糞が!
「おいおい、お前、趣味悪いな」
「若妻かよオイ」
また猿が増えた。フン、僕は別に会話に混ざりたい訳ではない。
「なんだよ、人の性癖にケチつけんなよ」
「じゃあ、お前らは何が好きなんだよ」
「おっ、よく聞いてくれたな?」
「俺はその後番組のが好きだぜ」
「おい、お前まさか」
「前回の淫乱調教師〜おじさんやめて僕は男の子だよ〜が好きだな」
「お前ホモかよ(ドン引き)」
「かわいい子が好きなだけだ、特にショタはいい」
「やっぱりホモじゃないか」
ま、まぁ……地球人にもホモはいるし多少はね? ……じゃなくて異星人にもホモはいるのか。やっぱり逃れられない業なんだな。
「ちょっといいか?」
「どうした?」
「転校生にも聞いてみようぜ」
「アイツ不思議だしちょっとここらでお近づきになるのも悪かねぇな」
「アイツ、グレイトさんにストーカーされてるらしいがな。南無」
「マジかよ許せねぇ……」
「いや、アレはお断りだろ……おっぱいは評価できるが」
「おっぱいは正義だろうが!!!!」
「は? パンツに浮かぶスジこそ正義!! 後サテンのパンツは邪道だ……覚えておけ!」
「まぁまぁ、それは置いといてアイツに聞こうぜ」
モブ異星人ABCDがなんだか白熱している。畜生、楽しそうだなぁ! 糞が!
「おい、転校生」
「ハルって呼んでくれ。ってか転校生ってまだ呼ぶとかお前何なんだ。頭弱いのか?」
「ぐぬぬ……」
「まぁまぁ、初めて話したんだし大目に見てくれよ」
「確かに」
あの転校生……晴山には僕も一目置いている。我がクラスの恐怖担任にも怖気る事なく煽るスタイルはマジ尊敬に値する。僕は小さい子がたまたま好きだが。あの担任は正直お断りだ。
「聞きたい事があるんだよ」
「なんだよ」
「俺らで好きな女のタイプの話ししててさー」
「男は好きか?」
「ホモは帰って、どうぞ」
「オマエ……掘るぞ……?」
「やめろ! 俺は処女だぞ!」
「今夜お前の家行くからな」
「野獣の眼光やめろや!!」
「……ま、まぁ、アイツは無視して。ハルの好みの女のタイプはなんだ?」
「ハルに合うオススメのお宝貸してやるからよ!」
「お前太っ腹やな。して、どうなんだ?」
正直僕も気になっていた。あの飄々と掴み所のない転校生の趣味は一体なんなのだろうか。ロリなら僕に任せろ。
「キ○タマ潰さない女」
「……」
「……」
「……」
「……」
宇宙は広い。僕は海老フライを食べながら少し泣いた。




