【一時的には勝てるけど】
昔配達の仕事をしていた時、
自動販売機を用い
飲料を販売していた個人商店のかたの愚痴に
『仕入れの値段よりも、
そこいらのスーパーで買って来たものを
自販機に突っ込んだほうが
儲けが多くなる』
と言うのがありました。
これは電化製品などがそうなのでありましたが
メーカーの看板を掲げました
個人の商店に対し、
ある一定のエリア内での
独占的な販売を認める代わりに
安売りはしないでください。
間に問屋など挟みながら
作り手から小売りに至るまで
きちんと儲けを出していきましょう。
流通系列の説明としましては
間違っているのでありますが
おおよそこんな形で
私の小さい頃までの
一般的なモノの流れであったのでありましたが
メーカーに直接仕入れに赴きまして
消費者に安く提供するため
を錦の御旗に掲げ
大量に購入するから
(仕入れ値を)負けてくれないか。
間に入る流通部分も自分たちがやるから
と量販店が乗り込むことによりまして
問屋から入ってくる入り値よりも
近くのスーパーの小売値のほうが安くなる。
と言う現象が発生しましたのが
今から20年ほど前の出来事でありまして
問屋ないし
メーカーと提携していました
小売業者にとりましては
淘汰の時期に
配達の仕事をしておりました。
で。現在はどうなっているのか?
と申しますと
販売価格ではどうすることも出来ない個人商店のかた。
廃業の憂き目に遭われたかたもいらっしゃったのでありましたが
個人の商店のかたの中には
調理の腕のあるかたは惣菜で。
電気屋さんにつきましては
工事の腕前で
(これらは商店側に値段を決める権限がありますので)
誰にも真似することの出来ない方法から
活路を見出しているところがある一方、
安売りで大きくなったところの
その後はどうなのか?
と言いますと
安くなった理由が
中間マージンを削減しただけでありますし、
消費者側からしますと
安値で販売することが当たり前
と見られるようになってしまいますので
最終的には
赤字を抱え込んででも安く売り続けるか
取引先や従業員を疲弊させるか
の状況に追い込まれ、
大量に仕入れることが出来る
=大量に販売するだけの場所がある
=小回りが利きにくくなるなど致しまして
(…そう言えば、あんな企業あったよね)
一時的には勝てるけど
自分たちで値段を決めることの出来る武器を有していないところでありますと……。