クレアという少女とオーラ
「オーラ? 」
オーラとはなんのことだろうか。
「オーラってなんのことかな? 俺そんなの出ていないんだけどなあ」
すると、少女は頭を横に振って説明してくれた。
「オーラ――――出てる。赤、青、緑、黄、茶、紫、――――黒? 」
最後の黒だけ疑問形で、しかも少し自身が無いような言い方で言った。
まあ、オーラの話をずっとしてても仕方がないな。
とりあえず、自己紹介でもしておくか。
「えっと、お互い名前が分からないのは、不便だからね。俺は、カズ。人族だ」
次に、外でケルラを縛り付けている、ミラを指さして変わりに自己紹介をした。
「彼女は、ミラ。エルフ族だ。多分また本人から自己紹介があると思うから。それで」
俺は、一息置いて聞いた。
「君の名前を聞いてもいいかな? 」
「わ、私――――クレア。――――獣族の――――狼獣族」
戸惑いながらも、名前を教えてくれた。
「クレアだね。よろしく」
しかし、狼の耳の獣族は初めてだなぁ。
俺が、まじまじとクレアの耳を見ていると、クレアが再び怯えた顔で俺を見ていた。
「クレア? 」
「ご、ごめんなさい」
えっ? まだ名前しか言っていないし、心配して声かけたでけなのだが……。
「なんで謝るの? 」
「そ、その、私が狼獣族だから……」
そう言って、クレアはうつむいてしまった。
今もビクビクとしながら体が震えていた。
うーん、いまいち把握出来ていないが、恐らく以前種族絡みの出来事があったのあろう。
ここは、同じ境遇のミラが適任だな。
俺は、まずクレアの勘違いを解くことにした。
「クレア、何か勘違いをしているみたいだね。俺は、クレアを心配して声をかけたんだ」
「そう――――なの? 」
若干、怯え気味に聞き返した。
きっと、この子は、今までに騙された経験がたくさんあるのだろう。
「ああ。本当だよ」
「――――そう」
さて、本題に入るとするか。
俺は、こほんと咳払いをして、クレアとこのあとのことを話すことにした。
「クレア、これからについて話したいんだけどいいかな? 」
クレアは、無言で頷いた。
きっと、この子は不安なのだろう。
ここにおいてかれて、ひとりぼっちになるのも、まだ知り合って間もない俺たちについていくのにも抵抗があるはずだ。
だけど、それだからといって前に進まないわけにもいかない。
俺は、クレアに俺たちの冒険の同行を誘うことにした。
「クレアがよかったらだけど、俺たちと一緒に付いてこないかい? 」
「…………」
やはり、答えはまだでないみたいだ。
今、クレアなりに整理をしているのだろう。
そんなことを思っていると、意外のも早く返答が来た。
「うん――――分かった――――ついて行く」
「本当にいいの? 誘ってなんだけど俺が悪い奴かもしれないよ」
クレアは、ううんと頭を横に振って答えた。
「オーラが――――新しく見えた。オレンジ色――――暖かい色。カズは、――優しい人」
本当に、オーラとはなんだろうか。
オレンジで、暖かい色って言うくらいだから、クレアはある程度理解できてるみたいだが。
「ずっと気になっていたんだけど、オーラって何? 」
俺の質問に必死に答えようと、顎に手を当ててうーんと唸っているクレア。
先までの恐怖心はどこに行ったのか、目の前の彼女は俺のために考えていた。
これも、オレンジ色のオーラを見たからだろうか。
クレアは、ある程度まとめたようで話し始めた。
「オーラは――人や動物、植物の――周りから――出て見える光の――こと」
うーん、考えていた割には内容が薄いなあ。
今度は、俺が質問をして、情報を追加していく作業に入ることにした。
「赤や黄は、どんな意味があるんだ? 」
「赤は――――火属性。黄は――――光属性――――だよ」
ふむ、それぞれの色には属性があると――――
赤は、火。黄が光なら、青は、水。緑が風。茶が、土。紫は、闇と言ったところか。
ん? なら黒とオレンジは何なんだ?
「じゃあ、黒と、オレンジは何なんだ? 」
この質問は、今までの中で超難問だったらしく、考えるのに時間がかかった。
考えた末に、クレアは、まだ煮え切らないような表情をして言った。
「オレンジは、――――属性は――――無い。ただ――――暖かい心を表す。黒は――――」
下をむいて、申し訳なさそうに「わからない」といった。
クレアも、今まで見たことがなかった色なのだそうだ。
このあとも、少しだけ質疑応答を繰り返した。
オーラについて分かったことは、オーラは二種類あるということだ。
一つ目に、赤や、黄といった属性を持つオーラ。
二つ目に、オレンジなどの感情を表すオーラ。
なら、黒は俺のなかの黒い部分ではないのかと聞くと、この二種類は使い分けができるらしく感情ではないのだそうだ。
また、感情の中でも、赤や青などの色があり闘志や悲しいなどを表すそうだ。
本当に、黒は一体何なのだろうか。
カズの日記
今日は、新しい仲間のクレアとミラの自己紹介について記そうと思う。
クレアとオーラのことについて話しているとケルラを縛り終えたミラがこちらにやって来た。
オーラについてはちょうど話し終えたので、ミラに改めて自己紹介をさせた。
させたのはいいが、自己紹介が少し独特のような、棘のあるような自己紹介だった。
「初めまして、カズの恋人のミラです。よろしくお願いします」
一部を除いては、普通の自己紹介だが。ねぇ
そして、またまたこちらも独特な自己紹介をした。
「こちらこそ――――はじめまして。私――――クレア――――です。カズの――――奴隷です」
ん? なんで?
俺は、いつの間にかご主人様になっていた。
「っく、侮れませんね。もしかしたら、ライバルになるかもしれませんね」
なんだか、ミラが怖いが仲良くして欲しいものだ。
こうして、仲間が一人増えた。




