242話 頂上決戦 その3
ミリムの神速の剣を受け止めたヴェルダの腕に、凄まじい衝撃が走った。
ヴェルダの予想を超える力が加えられ、受け流す事に失敗したのだ。その証拠に、ヴェルダの使っていた双蛇短刀が破壊されている。
手に残った壊れた剣を見て、ヴェルダの表情に初めて動揺が浮かんだ。
そして、次に浮かぶのは怒り。
「やれやれ、本当にどこまでも邪魔をする……」
忌々しげに呟きつつ、ヴェルダは怒りの波動をミリムへとぶつける。しかし、ミリムは平然とその怒りを受け流した。それどころか、不愉快であると言いたげな表情のヴェルダへと、ミリムは追撃を仕掛けたのだ。
相手が何を考えているかなどミリムには関係なく、叩き潰すという強烈な意思のもと、ミリムはヴェルダへと連続攻撃を行う。
その速度は一太刀ごとに激しさを増し、ヴェルダの動きを捉え始めた。
ミリムの斬撃を回避するヴェルダだったが、徐々に余裕がなくなっている。
流石のヴェルダも、無手ではミリムの攻撃を凌ぎきれなくなったのだ。
「忌々しい!」
両手を合わせて「神剣創造」と叫ぶヴェルダ。
ヴェルダの両手の間に煌きが生じ、一振りの剣が産み出された。
神剣"深淵"――格としては神剣や魔剣の中では低位であるものの、歴とした神話級の武器である。
ヴェルダは自身の能力により、神話級の武具を生み出す事が出来るのだ。
そして始まる剣の舞。
ヴェルダとミリムの剣戟により、周囲に触れるモノを切り裂く断絶空間が形成された。
ミリムは遂に、ヴェルダの立つ領域へと足を踏み入れたのだ。
他者の介在する余地もない二人だけの死地にて、お互いの『結界』をも一撃で切り裂くであろう必殺の剣に全ての思いを込めて、ミリムはヴェルダを追い詰める。
それに対してヴェルダは――
ミリムの純粋なまでの意思を受け止めながら、自身の計画が崩壊する気配を感じていた。
戦力の優位性は失われ、現状は追い詰められている。
捕獲対象のミリムを殺すわけにはいかぬとは言え、手加減するのは難しい程にミリムの力は暴力的だった。
手がないわけではないが、それを実行するにはヴェルダのプライドが邪魔していたのだ。
だがしかし、今となってはそんな事を言っている場合ではないようだ。
今もまた、激しく打ち合った剣から伝わる圧力が一段と増している。
意識の隙を突くように、ミリムの蹴りがヴェルダの腹を穿った。
(――厄介な)
吐き捨てるように思考を切り替える。
ミリムはヴェルダの目的の為にどうしても必要であり、殺すわけにはいかない。
かといって、このまま相手をしていたのでは、やがて本当にヴェルダに匹敵する程にまで力を得てしまう恐れがあった。
それに……。
不測の事態に備えているのか、竜種の姉妹は戦場を睥睨している。先程から、ヴェルザードの援護がミリムを守っているのも忌々しい。
無力化しようとする攻撃では、ヴェルザードの防護とミリムの防御を完全に突破出来ないのだ。
チラリと戦場の様子を窺うと、ギィとルドラは互角の戦いを演じていた。
ダムラダと近藤も押されているようで、このままでは敗北は時間の問題だった。
(――頃合、か。全ての戦力を使い尽くして戦う、天魔大戦は終了だな)
創造主の最後の意志として、ヴェルダは天魔大戦を完全に遂行した。
ゲームは劣勢だが、結果はまだ出ていない。
だからこそ、ヴェルダは決断する。
持てる力を全て解放し、一気に目的を達成する事を。
◆◆◆
ディアブロは悠然と構え、ダムラダを見る。
記憶の再現だけで、生前と同じ技術を駆使するダムラダ。
エネルギーが大きく増大し、究極付与も再現しているようだ。
単純に計算しても、ディアブロの倍近いエネルギーが感じられる。
(クフフフフ、素晴らしい。敵としては、申し分のない相手です)
ディアブロは自身の幸運に感謝していた。
主であるリムルの役に立てるよう、日々研鑽している。
新型魔法の開発や戦闘技術の鍛錬、そういった事はリムル配下の者なら誰しもが行っている事だろう。
ディアブロは違った。
リムルの閃きによる新技開発に付き合っているだけだ。
だがそれは、誰にでも出来る事ではない。恐るべき威力の新技は、手加減されていても多大なる影響を及ぼすものもあるからだ。
ディアブロは、そうした実験に平然と付き合える数少ない人物であった。
そして、そうした無茶振りに付き合う内に、以前よりも魔法理論が洗練され自身の強さが変質している事に気付いていた。
そう――魔素量の大小だけで強さが決まる訳ではないのだ、と。
大事なのは、運用法なのだ。
無駄をなくし、小さなエネルギーでも最大の効果を発揮させる事、それが一番大事なのである。
ミリムのような無尽蔵に魔素を増幅させる『魔力炉』を持つならば話は別だろうが、そういう非常識な存在をベースに考えるのは間違っていた。
だからこそ、ダムラダはディアブロにとって丁度良い相手だったのだ。
ディアブロの見立てでは、ダムラダと近藤を二人同時に相手取った場合、ディアブロの勝率は五割を少々割り込む程度であった。
死を賭して全力を尽くして、どうにか勝利への道筋が見える程度である。
だがそれでは、リムルの命令を全うする事が出来なくなる。それでは意味がないのだ。
しかし、そんな心配が不要であるというのも、ディアブロの予想通りであった。
完璧なタイミングで、ヴェルドラ達が到着したのだ。
(流石はリムル様です)
ディアブロは満足し、ダムラダを観察する。
ダムラダと近藤を相手にしていたなら分が悪かったが、ダムラダ一人だけならば話は別だ。
エネルギーは自分の倍近くあり、戦闘技量はウルティマを凌駕する。
しかし、何も問題ない。
ディアブロは悪魔であり、格闘戦など児戯でしかないからだ。
精神生命体である悪魔の本質的戦闘方法は、魔法。
究極能力を得た今、魔法は更なる飛躍を見せている。
エネルギーの大小すらも問題にせず、最高の効率で再循環させ消耗をコントロールし――完全調和された効果を生み出す。
それは格闘術にも適用される。
ダムラダの技巧を凝らした攻撃を、部分強化による補助を自身の肉体に発動させつつ受け流すディアブロ。
力と技の拳と蹴りを、魔力強化の魔法陣を浮かべた拳と蹴りで相殺し、倍近い密度差を魔法で補っているのだ。
それは、魔法と技能が融合した完成された魔法格闘術。
テスタロッサ達は声もなく、新しい理論に基づくであろう戦闘術に見入っていた。
回復中のウルティマも目を見張り、ダムラダとディアブロの戦いを食い入るように見つめている。
だからこそ、本気を見せる事にした。
「中々楽しめました。貴方は練習台にもってこいでしたが、そろそろ終わりにしましょう。テスタロッサ達を痛めつけてくれた礼もかねて、私の本気をお見せします」
宣言し、超高速魔力励起により自身の魔力を最大まで練り上げるディアブロ。
ディアブロの魔素量が一気に最大値を振り切る。リムルの『虚無崩壊』より自身の最大魔素量と同等量を引き出しているのだ。それだけでなく、周囲の素粒子を取り込み、肉体の補強を瞬時に行っている。高度なエネルギー運用にも耐えられる強靭な肉体を、周囲の物質を取り込み再構築しているのである。
それは一瞬にして完了する。
時間差もなく、ディアブロは戦闘形態へと変身したのだった。
そして、それこそがディアブロの究極形態。
涼しげな笑みをたたえたまま、ダムラダの蹴りを捌くディアブロ。
先程とは異なり、ダムラダの渾身の蹴りはディアブロの片手にて軽がると受け止められている。
その理由は単純明快。
魔素量が倍になり、ダムラダと同等の力を出せるようになったからだ。
だが、半分のエネルギーで互角に戦っていた事を考慮すれば、最早勝敗は火を見るよりも明らかなものであると言えた。
「貴方は人間としては素晴らしい達人でした。もしも魂が残っていたならば、もう少し面白い戦いとなったかもしれません。ですが、それはあくまでも可能性の話です。結果は変わらない――」
完全に圧倒し、ダムラダの全ての攻撃を潰すディアブロ。
ダムラダは感情もなく、淡々と攻撃を繰り返す。
しかしその全てをディアブロは読み切っており、この勝負に興味を失っていた。
「終わりにしましょう――星天円環滅覇!!」
円環魔法陣がダムラダの体表を埋め尽くす。
言葉もなく。
恐怖もなく。
嘆きもなく。
ダムラダはただ静かに、光の粒子となり消滅した。
そして、その粒子は全て、円環魔法陣を通してディアブロへと還元されたのだ。
ダムラダが消えると同時に、ディアブロは戦闘形態を解除する。
余裕を持って運用しているとはいえ、長時間の魔力励起による負担は少なくない。
何よりディアブロは、自ら創り出した『誘惑世界』へとダムラダから流出するエネルギーを回収し流し込んでいる。質の異なるエネルギーをゆっくりと取り込んでいくつもりなのだが、その際リムルから借り受けた『虚無崩壊』のエネルギーまでも同時に扱うには、流石のディアブロを以ってしても許容量を上回りそうになったのだった。
広範囲の破壊を主目的とした世界の崩壊に対し、対象をエネルギーへと変換して取り込む事を主目的とした星天円環滅覇。
威力として考えるなら世界の崩壊が上だが、対個体攻撃手段としては星天円環滅覇が上であろう。
「ディアブロ、貴方――」
テスタロッサがディアブロに声を掛けた。
「クフ、クフフフフ。流石に、エネルギーを奪うのは欲張り過ぎでした……。まだまだ……リムル様には遠く及ばぬようですね……」
「今の技は何? 魔法、に見えたけれど――」
「その通りです。究極能力と魔法の融合、そしてその進化系ですよ。リムル様がお遊びで開発されていたので、協力するうちに覚えました。未だ完成していない技術ですので、安定運用が難しいのですけどね」
「ずるいわね、貴方だけ……」
「クフフフフ、役得です」
悔しがるテスタロッサに、自慢気なディアブロ。
何しろこの新型術式は、ディアブロが敬愛するリムルとの共同開発で生み出した魔法理論なのだから。
もっとも、正確にいうならばリムルではなくシエルなのだが、それはディアブロにとっては気にする所ではないのだ。
「まあ、この魔法理論が完成したら、貴方がたにも教えて差し上げますよ」
結局、ディアブロがそう約束するまでテスタロッサ達の追及は終らなかったのだった。
◆◆◆
ヴェルドラは近藤を相手に戦っていた。
覚醒魔王十体に相当とヴェルダは言っていたが、実際にはそこまでのエネルギーには達していない。
ヴェルドラからすれば、半分にも満たない程度の力でしかないのだ。
しかも、究極能力の質が落ちているようで、近藤は思うような攻撃を実行出来ないでいる。
ダムラダと同様に究極付与を与えられてはいたが、それはあくまでも量産型の擬似的な究極能力でしかない。近藤の魂が生み出した究極能力とは比べ物にならない、粗悪な性能だったのだ。
エネルギーが圧倒的に少ないはずのカレラが近藤の銃弾を無効化する事に成功したのは、これが理由だったのである。
「チッ、これも通用しない、か」
エネルギー弾を試し撃ちしつつ、近藤が舌打ちした。
冷静に戦闘を分析した結果、既に勝利出来ないと近藤は理解出来ていた。
だとするならば、ヴェルダの命令を遂行するには死力を尽くして対処するしかない。
対照的に、ヴェルドラには余裕がある。
「クアハハハッ! 貴様は中々に素晴らしい人格だったようだが、所詮は仮初に過ぎぬ。自ら生み出した究極能力ではなく紛い物の究極付与では、本来の強さを発揮できぬのも道理であろうよ!」
笑いながら近藤に告げるヴェルドラ。
近藤の強さは本物であったが、今の肉体は仮初のもの。まして、魂もないのでは話にならない。
だからこそ、ヴェルドラは色々と観察し情報収集などを行っていたのだ。
仮初の自我を与えられた、魂のない人形。それなのに高度な戦闘技術を継承し、劣化版とはいえ究極能力までも操っている。
リムルの作っていた宝珠とはコンセプトが違うものの、興味深い仕組みであった。
(フッフッフ、この仕組みを解析しリムルに教えてやれば、我に感謝する事間違いなし! ラミリスの師匠として、一緒に研究するのも面白かろう。一つくらいサンプルが欲しいものだが、さて――)
などと、戦闘そっちのけで考えていたのだ。
そんなわけで、ディアブロがダムラダをアッサリと葬った時も、ヴェルドラは近藤を仕留める事なく戦闘を続けていたのである。
(ムムッ!? ディアブロのヤツ、さっさと終わらせてしまったようだな。では我も終わらせないと、サボっているのがバレてしまうな)
暢気にそんな事を考えるヴェルドラだったが、その判断は少し遅すぎた。
「……そうか。ではやはり、俺の取るべき手段は一つだけ、か――」
迷いなく近藤は決断し、実行する。
ヴェルドラは強大であり、勝てぬ事は戦う前から悟っていた。
生前の自分が目の前のヴェルドラの本体に一撃を与える事が出来たのは、度重なる幸運の産物であったのだとも……。
だからこそ、近藤は忠実に命令を遂行する。
「――自己暴走爆覇」
つまり、自爆だった。
◆◆◆
ヴェルダは近藤が自爆モードに入った事を確認し、「それでいい」と呟いた。
周囲を睥睨し、小さく嗤う。
「何が可笑しい!?」
ミリムの剣がヴェルダに迫るが、それを神剣"深淵"で軽々と受け流す。
格の落ちる双蛇短刀でも数合打ち合えた程に、ヴェルダの技量は凄まじいレベルに達している。武器の優劣がなくなった今、力が増しているとはいえミリムではヴェルダに及ばない。
そして、クロエもまた実力を発揮出来ずにいた。
その理由は一つ。
ヴェルダの能力に、違和感を感じていたからだ。
クロエは常に慎重に行動している。状況に応じて如何様にも対応出来るように、力任せに戦うというような行動は取らない。
究極能力『時空之神』により、未来予知を行いつつ戦うのが基本スタイルなのである。
だがしかし、今のクロエは未来の記憶を思い出す事が出来ないでいた。それはつまり、何かあっても過去へと逃げる事が出来ない事を意味する。
(この天界そのものに、何らかの能力阻害の結界が張られている? それとも、ヴェルダの固有能力なのかしら?)
他の能力が問題なく発動する事を検証し、恐らくは時空間系移動の妨害能力であると見当を付けていた。
つまり、この空間からは転移による脱出は出来ない事を意味する。そして、恐らくは門を通り抜けるしか出入りは出来ないのだろう、と。
精神生命体である天使達は、拠点登録した上で直接帰還出来るようになっていたのかもしれない。だが、侵入者は脱出出来ないようになっていたのだ。
(私達を逃がさないような作りになっているという事は、何らかの罠――なのかしら?)
そうクロエが考えた時、答え合せをするが如くヴェルダが口を開いた。
「ははははは! 流石はこの世界の最上位者達だ。ボクを前にして、ここまで抵抗を見せるとは、ね。いいだろう、ボクもそろそろ本気を見せるとするよ。ただし――」
近藤が光の粒子と化し、小さく丸い球となる。
その中心に向けて光の粒子が収束し、突如、反転した。
極光を伴う超高密度のエネルギーの暴走により、天界に小さな太陽が出現する。
「ぬお!!」
その太陽は、ヴェルドラが魔力を全開にして抑え込んだ事で、辛うじて爆発寸前の状態を維持していた。
だが、抑え込むヴェルドラの顔色は悪く、どんどんと圧力が増しているのが見て取れる。
「ただし――この爆発に生き残れた者のみを、相手にしてやるとしよう」
そう言って、ミリムを強引に抱き寄せるヴェルダ。
「ぬお、何をする放すのだ!」
叫びながら暴れるミリムに、ヴェルダの左手から飛び出した漆黒の鎖が絡みつき、その動きを封じ込めた。
暗黒星雲縛――全てのエネルギーを吸収する、暗黒物質で出来た鎖である。
極光爆発も、ミリムの暴れる力すらも、この鎖を破壊するには足りない。嘗てダグリュールを封じ込める事に成功した聖魔封じの鎖よりも強力な、神の鎖なのだ。
この鎖により、ミリムとヴェルダは爆発から完全に守られる事になる。だが、他の者達は爆発の直撃に晒される事になるだろう。覚醒魔王十体にも相当する極大エネルギーの暴走爆発は、一瞬だけとは言え"竜種"をも超える超絶破壊を撒き散らす。
単純な力による破壊である以上、これを防ぐにはそれを上回るエネルギーが必要となるのだ。
「馬鹿が! さっさと始末していれば――」
激昂しつつヴェルザードが動いた。
ヴェルドラが抑え込んでいる力が解放される前に、協力して消し去るつもりなのだ。
他の者達も同時に動こうとするが――
「勘違いするなよ? ボクのいう爆発とは、こっちの仕掛けの方だからね。ルドラ、君が何故ボクに逆らえたのか不思議だけど、それはもういいよ。原因を探りたかったけど、君には君の仕事があるからね」
そう言って、ルドラを邪悪な笑みを浮かべつつ見やるヴェルダ。
「まさか――テメエ!!」
叫ぶギィ。
ルドラを放置しヴェルダに向かおうとするが、一歩遅かった。
「さよならルドラ。星光爆覇、起動!!」
その瞬間、時が止まったように皆が凍りつく。
近藤の自爆による爆発でさえも、"竜種"にすら深いダメージを負わせる程に強力なものとなるのが予想される。それが、"竜種"級のエネルギーが限界突破して爆発するとするならば……。
それは、想像を絶する程に凄まじい破壊を生み出す事が予想された。
さらに、この天界では転移系の能力や魔法は封じられており、逃げ場はないのだ。
ギィ、ヴェルグリンド、クロエの三人は、一斉にルドラを囲む。ヴェルドラへと向かいかけたヴェルザードも、悪魔達がヴェルドラの援護に向ったのを見てルドラへと向った。
そして四人がかりで必死にエネルギーの相殺を開始するが、爆発へと至る過程の方が遥かに早く――
「ルドラ……」
「くそ、こうなっちまったか……。しゃーねーな、ギィ。やっぱ、お前との決着は付けられそうもねーわ……」
寂しそうに笑うルドラ。
そして小さく「生き残ってくれよ――」と呟いた。
直後、ルドラが極光に包まれ――
「ヴェルドラ、そっちは任せるぞ! しくじるなよ?」
「クアーーーハッハッハ! 無論だとも。ここで失敗したら、姉上達に殺されてしまうわ!」
能天気なヴェルドラの笑い声が響く中、ルドラを囲む四人の中に一人の少女が出現する。
「え、先生――!?」
クロエが驚きに目を見開いた時、爆発するハズのエネルギーは小さく丸められ少女の手の平に収まっていた。
そして少女はニヤリと笑い、
「よう、待たせたな!」
と、ふてぶてしく言い放ったのだ。
次回の更新は、6/22の日曜日予定です。




