オレンジジュースとオレンジ
あの花は、
以前、依頼として受けた事がある
それから一度も、受けた事が無い
あれは自分の手で
自分の子供を還した人に憑く
私は子還しと呼んでいる
特に、害は無いと言うか
本人にしか分からない
罪悪感や、不安があるのだろう
精神を病んだり、自殺する人もいるが
私には祓えない……背負う業だろうな
もう一度、
えっちゃんとキャロリンを見た
同じ色、同じ花
どこかで繋がってる……
……二人が知っているかは、分からないが
本人達の問題だ
私が詮索する理由は無い
マッキーは、電話対応を心配している
「どうですかね、緑さん?」
「出張の時のバイトとか?」
無くは無いが……この二人は無理だな
「今は、足りてるかな
仕事受け過ぎると、大変だから
出張やめて、マッキーが残るかい?」
私はイタズラっぽく笑った
マッキーは、お前ふざけんなって顔で
「いや、無理です
私の大事な収入源ですから」
私達を見て、えっちゃんが
「仲いいですね
真希、前は無気力気味だったんですよ」
「そうそう
今は何だか出来る女って感じ
変わったわね」
熱燗を一発かましながら
キャロリンも言っていた
「ピリリー、ピリリー」
えっちゃんの電話が鳴り
「あ!敦さん、着きました?」
「キャロリン、敦さん来たって」
キャロリンが私達に伝える
「うちの店のオーナーが来るんですよ
真希も、久しぶりじゃない?」
一瞬、眉間にしわを寄せたマッキー
「そうなんだ、久しぶりだよ
敦さんと会うの……」
そんなマッキーを見て
なぜだか、帰りたいと、私は思った……
少し痩せ型のイケメン
美容室、フラワー
美容師兼オーナー 敦が現れた
キャロリン
「敦さん、こちら緑さん
真希の社長さんだよ」
敦は私達を見てから
「どうも初めまして
敦と言います
真希ちゃんも久しぶりだね」
爽やかな男だった……くっ……
マッキーは仮面を張り付けたようだ
「お久しぶりですね、敦さん」
うん……?
マッキーは度胸がある
肝が据わっているし
少々の事では動揺しない……
そんな彼女が仮面を被った
だから、私も仮面を被った
迷探偵緑の仮面をな……
軽い自己紹介を済ませ
女子会は再開した、他愛もない話で
笑いながら飲んでいた
しばらくして
迷探偵は推理を開始した
違和感はある
マッキーが、どんなに
酒を飲もうとブレない
仮面も外れない
皆、気持ち良さそうに酒を飲む
……何故だ
何故こんな日に私は車だ
オレンジジュースを煽る




