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それは、それとて  作者: 明日


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君達に花束を








三上一族との深いパイプができて、

二ヶ月が経った。相変わらず緑屋は、

近代物の怪とのバトルを、日々、繰り広げている。


この日は、少し遠出していたので、

帰りが遅くなってしまった。


助手席で、

宇宙に思考を飛ばしていたマッキーの電話が鳴った。

「♫ゲコ、ゲェーロ、ゲコ」

……独特な着信音だな……

「マッキー、マッキー。

 電話鳴ってるよ〜」


肩を揺すって起こす。

目覚めたマッキーは、

「あ…すぃませーん、ふぁー」

「もしもし、えっちゃん?

 久しぶり。うん、うん。今から?

 多分大丈夫だよ。行くねー」


どうやら、えっちゃんと、

どこかへ行くようだった。


電話を終えたマッキーが言う。

「前の会社の同僚から、

 居酒屋に呼ばれたんですけど、

 緑さんも行きませんか?」


「行く」

秒で答えた……

若干、引き気味のマッキーは、

「わ、分かりました。

 中央の“岬”って居酒屋ですよ」


時計を確認する。

「マッキー、あと10分で着くよ」

「え? あ…はい……久々だなー」


マッキーは、甘酸っぱい記憶を

思い出しているようだな。

小金持ちになり、上昇気流に乗った彼女は、

そう長くないうちに、家を建てるだろう……


私は知っている。

事務所の机の端に、

ハウスメーカーのパンフレットがあることを……

「戸建て……か」

「え、何か言いました?」

「いや、何でもないよ」


そんな噛み合わない会話をしているうちに、

居酒屋“岬”に着いた。


ここは、老若男女に人気な居酒屋。

食事あり、酒あり。

週末はいつも賑わっている。


初の女子会に、私は震えていた。

ニヒルな上司、ダンディ上司、

できる系上司、愛され系上司……

私は悩んでいる。最初が肝心だ。


駐車場から店へ向かい、

店の玄関を通り過ぎた時、

私は切り替わっていた。

自然体系上司に……


「あ! 真希ー、こっち、こっち」

「えっちゃーん、久しぶり」

「真希ー」


席を見ると、二人の女性がいた。

清楚系のえっちゃん、

グラマラス系のキャロリン


そんな二人にマッキーが駆け寄り、

楽しそうに話し出した。

私も、なぜか、楽しかった。

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