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それは、それとて  作者: 明日


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空想と何も知らない独身






来月の結婚式を控えた二人が

ここ二週間、喧嘩するようになったか



ふむ……結婚は愛を視える形にするもの

そこには責任も伴う

大きな家となれば、期待と不安が

混ざり合い、重圧がのしかかるだろう

物の怪は関係ないな、今回は……


私は二人を諭した

「一時的なものですよ

 庶民の私からすると

 三上の名は大きいですから

 不安や重圧がありますでしょう?」


私は優しく続ける

「時間が解決策かと思います

 れいらさんは、恭一さんが

 嫌いですか?」


れいらさんは首を振りながら

「恭一さんを愛してます」

私は満足して

「その言葉が言えるなら

 心配はないかと?」


れいらさんはにこやかに安心して

笑っていた……解決だな


でかい家だからな、プレッシャーが

あるのだろう


れいらさんの足元に座る

大人しい小型犬に目をやる

金持ちは、犬も毛を染めるのか……

真っ青な犬、可愛く見えなくもないが

やはりセレブの趣味は凄いな


れいらさんは右手に包帯を巻いていた

その手で高そうなカップを持ち上げ

優雅に口をつけた


困惑気味の雪さんは

「そうよ……ね、時間と共に解決する

 近藤さんの奥様からの紹介だし

 私も緑さんを信じるわ」



おや……?

私を紹介したのは近藤さんだったか

太客から太客


マッキーも連れて来て良かったな

悔しがるだろうなぁ


雪さん

「実はね、恭一さんもいるのよ

 隣の部屋に……緑さんがいるから

 連れてきても良いわよね?」


ん……別に良いんじゃないか?

気にする必要も無いだろ

「どうぞ、どうぞ」

私は笑った



「失礼します……」

頭に包帯を巻き、左頬が腫れ上がった

恭一さんがそこにいた……

片足を引きずりながら

ゆっくりと歩いてくる

事故か何かに巻き込まれたのか?

私は若干、顔が引きつった


私の隣に座る恭一さんを

心配そうに雪さんが

「大丈夫……?恭一さん」


恭一さんは、強がっているのが分かる

「大丈夫ですよ、お義母さん」


隣の恭一さんに挨拶をした

「緑屋の緑と言います

 大丈夫ですか?」


「お話は聞いてます

 れいらの夫、恭一です」


ニコッと笑顔が眩しい好青年……

前歯が一本、飛んでいた……

れいらさんは腕を組み

頭を後ろに下げ

恭一さんを見下げてる……

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