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リベンジ
あれから、私達は一度解散となった。
マッキーは例のパン屋で
美味しいパンを爆買いして帰って行った。
そして――
断れないまま、約束の日は
もう、明日に迫っていた。
事務所の昼下がり。
「緑さん、明日ですね仁さんの依頼」
マッキーの声に
胃の奥が、じわっと重くなる。
「……行きたくないなぁ」
「危なそうだし」
素直な本音だ。
「マッキーは、神社で待機ね」
そう言うと、
マッキーは何か思い出したように言った。
「また、あのパン屋さん
寄ってくださいね」
「スポーツウェアとシューズ
買ったので、リベンジです」
……ああ。
マッキーにとって、
神社=パン屋+階段、らしい。
山の主も、物の怪も
正直どうでもいいのだろう。
来なくていい、と伝えた。
だが――
「稼ぎ時を邪魔しないでください」
と、あっさりあしらわれた。
そうだ。出張代が、加算される。
緑屋は、ホワイト企業だから
何にせよ、
明日の準備をしよう。バックを開き、
塩と酒を――
いつもより、少し多めに入れた。




