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それは、それとて  作者: 明日


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33/129

茶をしばく







新しい主の、誕生。

しかも――人間側に、興味を持っている。


……危ない。非常に。

「仁さん。

 こっち側に、無理矢理来る事は……ないですよね?」


座敷に出してもらったコタツで温まりながら、聞いた。


仁さんは湯呑みを口に運び、少し考えてから言う。

「多分、無理だ」

「この本殿に祀ってる鏡がな、

 魔の類を“跳ね返す”役割がある」


一拍。

「来たくても、来れん……多分だが」

「今すぐどうこう、って話じゃないんですね」


そう言って、隣を見る。

「良かったね、マッキー」


マッキーは、茶をしばき、

みかんを剥きながら。

「そうですね。……もぐもぐ」


……興味持とうよマッキー。


四百段で、相当体力を持っていかれたらしい。


その時、仁さんが低い声で言った。

「それがな、緑」


湯呑みを置く音が、やけに大きく聞こえた。

「どうしても、山に入らにゃならん理由がある」

私は姿勢を正す。

「毎年、その日だけはな」

「山の主に供物を捧げて、

 許しをもらってから、山に入ってる」


私は少し考えて

「供物って、何ですか?」


仁さんは、あっさり言った。

「酒だ」

「前の主――大猿は、酒好きでな。

 樽に入れて、渡しとった」

やはり、酒か。物の怪と酒。


私は、自分のやり方が間違いではないと

自信を持った、いや確信した

「……で」


私は、もう一度聞いた。

「その山に、

 どうして入らなきゃいけないんです?」

主が変わった、

しかも危険な匂いしかしない山に。


仁さんは、少し間を置いてから。

「二日後だ」静かに言った。

「お前も来い、緑」

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