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それは、それとて  作者: 明日


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我が真髄







AM8:30。

事務所の鍵を開ける。

もう十一月だ、マッキーが来てから、半年。

もうすっかり慣れて、


今では立派な、できる系女子だ。

新しいオートロックのマンションに引っ越し、

車も買い替えたらしい、

緑屋は、給料がいい。特に、ボーナスが。


そんなことを考えていると――

ガチャ。

「おはようございま〜す」


元気な声と一緒に、

少し高そうなコートを着たマッキーが

出勤してきた。


「おはよう。寒くなったね」


席についたマッキーは、

「最近、冷えますよね。緑さん、コーヒー飲みます?」


コーヒーを淹れてもらい、

九時までは、だらけモードだ。

今日の依頼を確認する。


……特に無し。暇だ。


「緑さん、

 青い封筒、五枚たまりましたよ」


「あぁ……そうだ。忘れてた」


たまに送られてくる、

知り合いの神社や寺からの封筒だ。

曰く付きの物が入っている。


「そんなに来てた?ちょっと見るよ」


マッキーから受け取った、

一つ目の封筒を開ける。


「写真ですね!」


興味津々だ。触れるとか、見えるとか、

前に言っていたから、

気になっていたのだろう。


「でも……何か、変じゃないですか?」

写真には、二人の女性が写っている。

その間に――


ムンクの叫びみたいな顔。

マッキーが、少し引いた。


「……心霊写真、ですか?」

「まぁね」

「こういうのを、処理するんだよ」


机の引き出しから、塩と酒を取り出す。

まずは酒。それから塩を、

写真に少量振りかける。


マッキーを、ちらっと見る。

……食い付いている。

ここからの動きが、大事だ。


立ち上がり、深呼吸。

腕をクロスさせ、呟く。


「退散――はっ」


写真を灰皿に入れ、火を点ける。

マッキーは、不安そうだ。


「だ、大丈夫なんですか?

 呪われたり、しません?」


私は、少し得意げに言う。

「大丈夫。もう、祓った」

……そう。祓った。


正直に言おう。私は、

寺で修行した僧侶じゃない。

元から、特別な力がある訳でもない。


それでも、これでいい

燃やせば、同じだから

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