表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
それは、それとて  作者: 明日


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/129

月の世





――――――――――

今日は月が明るい。旧暦の十三日、

月がよく出る夜だ。


月に一度の稼ぎ時になる。

「少し、肌寒くなりましたね」


夜勤で、

マッキーにも同行してもらった。


街から少し離れた、お屋敷に辿り着く。

運転席から少し見上げ、

小高い丘にある屋敷を


指先で示す。

「あそこが、そうだよ」


助手席で、

マッキーも見上げた。

「立派なお屋敷ですね」


月明かりに照らされて、

白い塀と黒い屋根の輪郭が

やけにはっきり見える。


車のエンジンを切ると、

夜の音が戻ってきた。


虫の声と、遠くの木が揺れる音。

屋敷の門の脇から、お手伝いさんが現れた。

「遅くに、すいません。

 いつもの、よろしいですか?」


車を降りて、

「はい、いつものですね」

それ以上の確認は無い。それで通じる。


門が開くと、砂利を踏む音が

やけに大きく響いた。

マッキーは一歩遅れて、

私の後ろに付く。何も聞かない。


けれど、鞄の持ち方だけ

少し変えていた。

「足元、暗いから」

それだけ言うと、マッキーは小さく頷く。


屋敷の中は、月の光が

廊下の床に差し込み、影が長く伸びている。

「迷子になりそうですね」

「慣れるよ」

そう答えると、


マッキーはそれ以上、

何も言わなかった。

この屋敷で、今夜も仕事が始まる。

――――――――――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ