第二話 Vtuberって知ってます?
のんびり書いてますので更新頻度は遅いかと思いますがご容赦くださいませ
昼ごはんを食べ終え会社へ戻り退勤時間まで仕事をし続ける。勿論その間俺だけの仕事だけでなく後輩の面倒を見たりもしながら自分の仕事を終わらせていく。
やがてチャイムがフロア一帯に鳴り響き定時を告げる。みんな疲れていたのか背伸びをし椅子から立ち上がる。その後始まる話題としては「今日どこに飲みにいく?」「今日ご飯行きませんか?」などの非常に眩しい会話。だが俺は一目散に帰ろうとする。
「先輩は今日も帰宅ですか?」
「あぁ、俺は一人の方が落ち着くしな」
「まぁ先輩ならそうですよねぇ。でも先輩家帰って何してるんです?」
「動画見ながら飯食ってるけど」
「へぇ〜!ならVtuberとかみてますか?」
小森君はやけに興味深々に聞いてくる。だが俺はこの質問にどう回答するか思考を巡らせていた。何せ俺もVtuberをしているからだ。ここで『実は俺も配信をしてて』などと言ってみろ。『えっ?先輩がですか?似合わねえ。つか歳こいたおっさんが何してるんですか?』などと言われるに決まってる。いや小森君はそう言うことをあまり言わない人だとは思うが言われた時絶対に立ち直れないだろう。結局俺が取った選択は
「Vtuberっていうのあんまり知らなくてな。飯の動画とかはよく見るんだが」
ごまかしだ。頼むからこれ以上Vtuberの話題を振らないでくれ。
「そうなんすね。最近はご飯食べるだけのVtuberもいますし...。そうだ!先輩にURL送ってもいいですか?」
「あぁそれくらいなら」
小森君はすごいスピードでスマホを操作しURLをメッセージアプリへと貼り付けてきた。どんな動画なんだ...と気になりメッセージを確認した途端俺はむせ返った。
「ちょっ!先輩大丈夫ですか!」
「あぁうん変な所に入っちゃったみたいで、ごめんね」
嘘である。本当はこの動画のせいで咽せたのだ。何せこの動画は【Vtuberの俺】が飯を旨そうに食っている動画だからだ。つか小森君視聴者だったのか...迂闊なことは出来ないなぁ。
「それじゃ僕はこの子の動画を見ながら今日ご飯を食べることのするよ」
「是非そうして下さい!きっと美味い飯が食えると思うんで」
いやきっと味なんか分からなくなるだろうな。
そんなことを思い退勤する。
「これからどうしよう......」