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いつもクールで完璧美人な孤高の狼姫が、実は寂しがり屋で甘えん坊な子犬姫だと俺だけが知っている  作者: ゆめいげつ
第二章 狼姫の風紀活動

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閑話2 『狼姫と、お出かけ準備』

※ヒロイン、咲蓮視点。

「されーん! 今度のお休み、パパとママと一緒にお出かけってうわぁっ!?」

「お母さん。どうしたの?」

「どうしたのはこっちのセリフだよ! 部屋の中! 服が散らばってるよ! 空き巣!? 断捨離!?」


 夜。

 私は自分の部屋でデートに着ていく服を考えていた。

 でもそう言えば、総一郎がどんな服が好きか知らなかったので凄く悩んでる。

 そんな時にお母さんが入ってきて、私の部屋を見て凄く驚いてた。


「ううん。探し物だよ」

「探し物って……うわぁ、こんなに沢山の服を引っ張り出して……散らかし癖は誰に似たんだろ……」

「お母さん。お父さんがよく呆れてる」

「うぐぅ……あ、あれは散らかしてるんじゃなくて効率を考えてるんだよ……」


 お母さんはとても綺麗。

 今は図星をつかれて渋い顔をしてるけど、そんな顔も可愛いってお父さんが言ってた。

 二人はとてもラブラブで、良いなって思う。


「それで、こんなに沢山の服を出してどうしたの?」

「今度。デートに行く」

「で、デート!? そ、それってこの前教えてくれた総一郎くんと!?」

「うん。えへへ」


 嬉しくなって。

 私は手に持ってたお洋服をぎゅっとする。

 私の服からは私の匂いしかしないけれど、総一郎は私の匂いを好きになってくれるかな?


「やったねー! じゃあママも一緒にデートの服選び手伝ってあげる!!」

「え?」

「……え? 何でそこで困惑するの……?」

「お母さん。着る服はいつも同じだから」

「そ、それは家の中でだけだよ!? お出かけの時はちゃんとお洒落するもん!!」


 お母さんは可愛いので、何でも似合う。

 でも家ではかなりダボダボでヨレヨレの服を着ていて、お父さんにその恰好でゴミ捨てとかするのは止めてくれってよく言われてる。


「お母さんも、お父さんとデートするの?」

「するよー? 例えばー……」

「例えば?」

「…………お家デート、とか」

「それ。いつもと同じ」

「い、インドアだからね! パパも仕事で疲れてるし!」


 お父さんとお母さんはとっても仲良し。

 お休みの日はいつも二人でくっついて、なでなでしてる。

 たまに二人だけの世界に入る事があって、私も総一郎とそういう風になりたいなって思う。


「あ! でも私達が咲蓮の年齢の時は出かけたりしたよ! し、ショッピングモールでお買い物とか、河川敷でゴミ拾いとか!!」

「ショッピング……! でも、ゴミ拾いってデート?」

「パパとならどこでも楽しいからね! それにー、嬉しかったしー……!」


 お母さんは昔を思い出して、えへへと笑う。

 良いな。

 私も総一郎とそういう思い出、沢山作りたい。


「あ、そうだ! 出かけるで思い出した! 咲蓮、今度のお休み! パパとママと一緒にお出かけしよー!」

「え。やだ」

「や、やだ!? さ、咲蓮が反抗期に……!?」

「ううん。今度のお休みは、総一郎とデートだから」


 お父さんとお母さんとのお出かけは楽しいし、嬉しい。

 でも今は、総一郎の方が大事。


 総一郎は楽しみにしてくれてるかな?

 もっと仲良くなれると、良いな。

第二章 狼姫の風紀活動 完


次回


第三章 狼姫のダブルデート

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