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天で間食したラッキーなアンパンで才賀保のこれからに期待したいところだが。
相変わらずラッキー日がむなしくすぎて最悪の今日という春がもう何度も連続しており。
クズ……おっと先生3人がかりで何をやっているのかというと。
「襟足ながいな、そろそろ散髪したらどうだ才賀」
「はは……はい」
「これは茶髪?」
「は?」
「あ、すみま……」
訝しみ見るとはこのことなのか?
一生徒に対してなんという目をしているんだ。
抜き打ちの身だしなみ確認、次々とさばいていくんだ犯罪者生徒たちを。俺という不純物を含まない安いパンも早々と出荷してもらえるだろう。
と思っていたけど────
やがて女教師の発した茶髪の魔法も解け、さすがにおかしいと思ったのか。あの元担任のゲートキーパーと昭和っぽい漢の体育教師が俺の様子をみてなぜか理解したようで。
しかし俺って茶髪? ずっとこの色を黒としかおもってなかったんだけど……そんなことあるわけ、後で鏡で確認してみよう……てか俺そんなふうに思われてたの? 俺みたいなやつが……絶対に髪を染めないのは秒で分かりそうなものなんだけど。何か普段大人しいやつからバケモノがでた前例でもあったのか……この陰陽師たちには。
意味のない確認作業をなんとか難なく通過して。自習……ほどほどにざわついているそんな2年B組の教室へと戻ってきた。
帰ってきたからといって適当な視線が刺さりおわるだけ。
いつものラッキーシートにすわり。すると、するや否やなぜか振り向いて来た前の席の陽気な女子。
「才賀くん長かったね」
「え? あぁ、そだね」
目の前の彼女は男子生徒の髪を上目遣いにじっと確認するように見つめる。
「染めたの?」
「イヤイヤ……黒でしかないけど」
彼女は笑ってまた向き直りにやにやと待っていた女友達としゃべり始めた。
ここがラッキーシートというのも、彼女、武田という人にわるい印象はないからだ。クラスの透明人間とすら談笑を……こういう人が学校という社会の中で上手く生きていけるひとなんだろう……。
まだあの陰陽師たちは一人一人の髪色をみて占っていくのだろう……どうせバレない。
空白のじかんと集中できない空間の自習ほど辛いものはないのだ。スパホを手にし起動。ざわざわとクラスのみんながやっていることだ、空気を読んだ。
暗転しばらく
ウランドとVメッセの二画面、黒い瞳につきささるあのエメラルドの輝き。
▽
たもつさん早いですね。
今日の
私は
駄菓子屋苦売迷同に泥棒が来ましたよ。
3人組でした、鋭い右の平手打ちからバトルははじまりお店の駄菓子の乱れ散るはげしい戦闘となりましたがたもつさんが開発した駄菓子【電子おでんボムソード】で3度起爆斬りをし最後はやっすいおでんの串でブッ刺し
見事1人を急襲ラッキー討伐、散り散りに残り2人はてきとうな駄菓子を持って逃げていきましたよ、主犯だったのでしょうかべとべと
表彰ものですね
それとヌルいぜりーみたいなモノとおでん汁が服に染みました
清掃屋を呼んでもいいですか?
近くのスーパー銭湯にもいきたいです
そのあとパフェ食べたいです
お小遣いほしいです、こちらほど
【30000G】
▽
こいつは何を昼間からやっているのか。ま、ウランドだからな。
このゲームはガバガバだが、駄菓子屋の経営は甘くない。日々のAIエネルギー、行動力を消費し戦闘シミュレーションジムでしっかりと訓練を何度も受けないとアンラッキーな厄介事に巻き込まれて俺みたいに店を失うことになる、ウランドだからな。
被害額は6020Gと今日の苦売迷同はおやすみにして、と。
駄菓子屋だから安く済んだな。
そしてクールメイドが討ち取った【AIスライムイーター(深緑)】の懸賞金は800000G……。
俺がわざわざやっすい駄菓子屋を今も経営する理由の一つはこれだ。ウランドのAIは個々に判断し店を選ぶ、そして単価が安いとなぜかあいつらモブAIは気軽に犯罪をしにくるという俺の長年の蓄積データがある。最初は悪ガキの雑魚AIみたいなやつらが万引きしに来る程度でその雑魚を鍛え直したクールメイドで狩っていたんだけど……普通は犯罪しに来るヤツらも減るはずだがなぜか色々とウランドで評判になっているようだ。
ふ、そろそろまたコイツのAIチカラを上げる必要があるか……。
苦売迷同はお休みにクールメイドに小遣いを。Vメッセの返事を出した俺はポッケへと仕舞い。
足音が近づいていたのは分かっている、クールメイドだけじゃなくて俺もこのろくでもない学校で日々訓練を重ねているわけだ。
「はい、しずかに!!」
教壇、教卓の後ろ、大きな緑ビジョンのまえ。視線を向けて。
────しずかにするのは得意だ。




