異世界転移[前編]
俺たちは修学旅行中だった。
聖王学園2年C組それが俺たちのクラスだ。
今は山間の道をバスで移動している。
このクラスで特に目立つのは、後ろの座席に集まってるやつらだ。いわゆる上位層グループ。
「まじ最悪、せっかくの修学旅行なのに【疫病神】が一緒とか!空気読っての」
「そう言うな謙吾、彼だってクラスメイトなんだ。楽しむ権利は十分あるじゃないか」
と謙吾と呼ばれる彼を諌めるのは
高柳 政人
天が二物以上を与えしイケメン、文武両道。絵に描いたような優男でついでに絵に描いたような正義感を持った絵に描いたような主人公である。
そしてそんな政人の隣にいつも陣取っていて騒いでるのは
小杉 謙吾
ヤンキーで高柳の腰巾着ポジであり自称親友。強面で口が悪い。いいのは体格と喧嘩の腕それに卑劣さも優れているだろうか。あと自分より上の奴に取り入るのがうまい。
「さすが政人君、優しい~」
近くの席の女子数人が黄色いレスポンスを返している。
高柳政人は2−Cの主人公。
2−Cは高柳を中心に回っている。
高柳&小杉コンビはクラス内でイケてる系の女子と男子を従えているいわゆる陽キャと呼ばれるやつだ。
そして【疫病神】と呼ばれたのは俺…
雨月 桜花
小さい頃に親を亡くし親戚をたらい回しされてきた。
何でかって?俺を引き取ると良くない事が起こるからだ。
具体的には親の遺産目当てで引き取って大怪我して病院送りになったり、家が火事になったりなどなど…それは親戚の家だけじゃなく学校でも同様だ。親がいないからといじめてきた奴が階段から落ちるとか奇妙な事が起こるようになったとか。
そいつらの自業自得なんだけど、そんなこんなでいつの間にか付いたあだ名が【疫病神】と言うわけだ。