表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/85

祝う間もない次の舞台

 結論から言えば、彩佳は試験の闘いで負けてしまった。とはいえ、Sクラスである雪花さんの必殺技を引き出すことができたので、Aクラスとしては十分すぎる力を見せつけた。


 これはまたネットで騒ぎが起こるだろうな。


 彩佳に改めて、お祝いの念話を送り、そのまま俺は明日の観戦の用意を始める。彩佳と話し合って、明日は二人で彩佳の家で観戦をすることにしている。正直人の家に赴くのは初なので、少し緊張はしている。


 そうだ、一応彩佳のガチ恋ファンとかにキレられないようにクラリカに変身していこう。クラリカは前に彩佳が友達だとネットで明言しているはずだから、家に行くのになんの問題もない。


 ガチ恋勢に見られても刺されはしないだろう。いやまぁ刺されたくらいじゃ死んだりはしないけどな。


 一応だ一応。


 ついでに化粧用品の事とかについても聞かないとな。大事な事だし。明日の午前中はそうやって過ごそう。午後からは観戦だ。


 よし、大分用意もできたし明日の服も決めた。そろそろ寝る事にしよう。


◆◆◆


 おはよう。朝になった。予定通りに家をでて変身し、クラリカとして彩佳との待ち合わせ場所に向かう。まぁいつも通りの青森駅だ。


 今日は俺が15分ほど早く着いたから、もう少しまてば彩佳が来るはずだ。


「待った?」


 彩佳は待ち合わせ時間ぴったりに到着した。


「いや、あまり待ってはおらんのじゃ。それじゃあデパートに向かうのじゃ」


『ほんと、お母さまに似ておるのう……』


 今日は化粧品とかを買うのにそこに行こうという話が出ていたから、まず午前の間はそこに向かうことにした。


「クラリカにはどんなのが似合いそうかな」


 到着したデパートでは、彩佳が化粧品を見ながらあーだこーだと言っていた。


「ロゼリア、何を言っているかわかるかのう?」


『全くわからんのじゃ』


 ロゼリアと雑談しながら彩佳を見守っていると、彩佳がいくつかの品をもってこっちに来た。


「多分こういう色が一番似合うと思う」


 彩佳が持ってきたものは口紅や、その他もろもろ。正直色の違いとか名前はよくわからない。


「これを買えばいいのじゃな?」


「そうそう。後でうちで私が付けてあげるから」


 そういうわけなので、彩佳が進めてきたものはとりあえず全部買った。大体5万円くらいした。そのとき、ロゼリアが隣で『あれだけあったらポテチ幾つ買えるんじゃ?』といっていたのが個人的には少し面白かった。


 その後お昼を付近にあった飲食店で済ませて、俺達は彩佳の自宅に向かった。俺が普段来ないような場所。始めて彩佳と出会った時に連れてこられた喫茶店の近く。そこに彩佳の自宅はあった。


 いたって普通の一軒家という印象だ。彩佳が鍵を開けて中に入り、俺はそれに続く。


「おじゃましますのじゃ」


「いらっしゃい。今は誰もいないけど、観戦してるうちにお母さんが帰ってくると思う」


 だそうだ。中も特に変わったところがなく、本当に普通の一般家庭であった。高校生にしてAクラスに上り詰めるくらいだから、何か変わったものがあるのかと思っていたが、そうでもなかったようだ。まぁうちも普通の一般家庭だけどな。


「とりあえず二階の私の部屋に来て。そこで観戦するから」


 階段を上がって二階に行き、彩佳に案内された部屋に入る。そこには、如何にも女の子らしいといえる部屋があった。ベッドの上にはぬいぐるみがいくつか置いてある。


「座る場所ないからベッド座って~」


「わかったのじゃ」


 部屋の机にはイスが一つしかなく、俺はベッドに座る事になった。テレビがないようだが、どうやって観戦するんだろう。


 俺がベッドに座ると、彩佳も俺の隣に座る。ロゼリアは床に座っている。


「それじゃあこのタブレットの右端もって」


 彩佳に言われて俺はタブレットの右端をもった。彩佳が左端を持っている。必然的に体が密着するから、少し動悸が早くなる。


「もう闘いが始まるのかのう?」


「そろそろじゃないかな。告知は出てたし」


 彩佳がタブレットを操作して、探索者協会公式サイトに飛んだ。すると、どうやらもう動画が公開されていたようだ。


「じゃあ見始めるよ」


「わかったのじゃ」


 ついに始まった河野さんの試験戦。ステージはどうやら荒野らしい。


「相手は但木さんだね」


 彩佳のいう通り、試験官のAクラスは但木さんだった。余り知っているわけではないが、ソロだと多分吉野さんよりも強いと思う。河野さんは上手く戦えるだろうか。


 そう思ったその時、すでに河野さんは攻撃のために魔力で何かを作りだしたようだ。あれは、弓と矢?


 河野さんの能力にそんなものはないから、あれが但木さんの能力か。すでに解析者の条件を達成させた状態で試合が始まったらしい。自分の能力が使えず、目の前の試験者が自分の能力を使っている状況に驚いたのか、但木さんはかなり大きく後方に逃げた。


 これは河野さんも有利に戦っていけるかもしれない。勝負は残り5分の間に決めなければいけないという制限があるが。


 ここは5分経つ前に、何とかいい活躍をして欲しい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ