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告白……からのストーカー?

 休み時間の度に集まってくる人を和人がよけてくれたおかげで特に何事もなくこの日の授業を全て終えた。いつもならこのまますぐに帰るところだが、手紙の件がある。


 正直少し気になっているし、行ってみるか。書写室、どこだったかな。実はこの学校に入学してから一度も行ったことがない。習字は選択科目で取らなかったからな。


 確か二階の突き当りにあったはずだとその場所に行くと、入り口に書写室と書かれた教室があった。


 うん、覚えていてよかった。普段は文化部が部活で使っているそうなのだが……。取り合えず入ってみるか。


「あ、ようやく来てくれた」


 中に入ると、そこには同じクラスの少し地味目の女の子がいた。確か名前は川野さん?


「川野さん、だっけ? 今日はなんで呼んだんだ?」


「えっと河野なんだけど」


 あれ。そうだったのか。


「ごめん、河野さん。それで話したいことってなんだ?」


「初めてそんな間違えられかたしたよ。あ、名前は美咲ね。話したいことっていうのは、その……」


 河野さんは一度姿勢を正して深呼吸をする。


「好きです! 付き合ってください!」


「あー……。ちょっと考えさせて」


 正直このタイミングだと、Bクラス探索者という肩書を目当てで告白をしているようにしか思えない。それに、今のところは恋人とかは考えられないしな。もっと強くならなきゃいけないから。


「ごめん、やっぱりこのタイミングだと肩書目当てだとしか思えない。それに、今は恋とか、考えられないから」


 そういって少し酷だけど、部屋から出ようとする。気まずいし、顔を合わせていてもいいことはないだろう。


「ちょっと待って」


「何?」


 まさか引きとどめられるとは。


「Bクラス探索者っていう肩書が目当てなわけじゃなくて! そういう肩書目当ての人に奏多くんを取られたくないから告白したっていうか……。好きなところならいくらでもいえるから、お願い! もう一度考えて!」


 なるほどな。でも正直今はタイミングが悪い。ハニトラには警戒しないといけないからな。それで心を傷つけた人の話はそこそこ聞いている。


「それでもタイミングが悪かったとしか言えないかな。それじゃ」


「待って!」


「今度は何?」


 まさか二度も引きとどめられるとは。正直、もう帰りたい。一応顔は出したし。


「この手は使いたくなかったんだけど、仕方ないよね。何も考えないでここから出て行くって言うなら、奏多くんのスキルの個数だとか、変身した姿の事だとか、全部ばらまいちゃうから」


 ……ちょっと待て。今なんて言った?


「すまん、もう一回言ってもらっていいか?」


「全部ばらまいちゃうから」


「違う、もっと前」


「仕方ないよね」


「違う、後ろ」


 なんだこの流れ。絶対わざとやってるだろ。


「ごめんごめん、やってみたくてさこの流れ。スキルの個数だとか、変身した姿の事のところでしょ?」


「そこだよそこ。なんでそれを知ってるんだ?」


 彩佳意外には話してないはずだ。なんで河野さんがそれを……?


「知りたかったら少しお話を聞いて欲しいな」


 河野さんを放置すれば間違いなく死活問題になる。とりあえず話を聞くべきか……。


「わかった。話を聞くからそれはばらさないでくれ」


「よし! じゃあお話を始めるね。まずは好きになったころの話をしようかな」


 長くなりそうな予感がする。


「実は中学校、3年間別のクラスだったけど、一緒だったんだよね」


「そうなのか?」


 中学校はあまり人が多くなかったから割と人は覚えているつもりであったが、河野さんの事は覚えていなかったな。


「そう。それで、好きになったのは委員会が一緒で少し話す機会があったから。そのとき私はクラスであまり好かれてなくて、普通の話し方で話してくれた唯一の人の奏多くんに惚れたんだ」


「そういえば中学の委員会にいたような」


 うろ覚えだが当時河野さんのような人がいたような気がする。


「そうして一緒の学校に通えばチャンスあるかなと思って、一緒の学校を受けたの。この一年でたくさんの事を知ったんだ。普段は無表情だけど、家族の前ではコロコロ表情が変わるだとか。あ、さっき言ってた好きなところに含まれてるよ」


 一種のストーカーなんじゃないだろうか、河野さんは。少し怖いんだけど。


「それで本題のなんでスキルとかについて知ってるかって話だね」


 待ってました。もしこれを聞いて他の人にも可能性がありそうなら、早急に手を打たねばならんからな。


「いつもみたいに奏多くんをつけ……たまたま奏多くんがダンジョンに入っていくのを見て、私も探索者になろうと思って、探索者になってスキルを手に入れたの。そのスキルの能力のおかげで奏多くんのことがわかったんだ」


 やっぱりストーカーだなこいつ。


 それにしてもスキルによる結果か。確かに俺と同じ相手の能力を確認できる系統であれば、知ることは可能かもしれない。


「そのスキル、どんなスキルなんだ? 聞いてもいいか?」


 万人に発現しそうなスキルなら何とかして妨害できる手段を身に付けたい。


「『解析者』っていうスキルでね。説明は難しいんだけど、今の奏多くんの鑑定に似てる感じかな」


 もしや鑑定の詳細まで知られている感じか?


「すまん、そのスキル鑑定させてもらっていいか?」


「ちょ、ちょっと待って。それスリーサイズもわかっちゃうやつでしょ?」


 詳細まで知られてるっぽいなぁこれは。どうしようか。


 自分の力の詳細まで知ってくるストーカー……。怖すぎやしないか?

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