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レアな魔物

 門番のような奴が倒されたことだし、階段を下って二層に降りる。今までと同じような感じで魔物が強くなっていくなら、多分ゴブリンかスケルトンが出現する階層だな。


 どちらもそこまで強い魔物でもなければ経験になるわけでもない。最速で3層まで降りるべきだな。


 Bクラス程度の魔物がいるところまでできるだけ早く辿り着きたい。


「この階層お初の魔物はスケルトンだね」


 彩佳がいう方向を見ると、骨の音を鳴らしながらこちらに向かってくるスケルトンが見えた。


 しかし実際スケルトンを見てみると、少し怖いな。今まで何度かアニメ等でスケルトンは見てきたが、あれでもデフォルメされていたというわけだ。


 人間の行きつく姿がああなのかと思うと少し、な。


 あまり長く見ているのも良くないな。ささっと葬らせてもらおう。


「火葬だな。『旋火炎』」


 うねる炎の波がスケルトンを飲み込む。【火】【火力特化】【遠距離】。ランダムブレスは全部で

96種類あるからな。まだ俺が使ってない型もたくさんある。


『ずいぶんとまぁ、オーバーキルじゃな。奏多はアンデッドが苦手なのかのう?』


 ロゼリアがこっちを見ながら首をかしげる。苦手という自覚はなかったが……。


「もしかしたら苦手なのかもな」


「じゃあ次からは秋田は無しだね」


 彩佳がそんなことを言う。何もそこまで俺に合わせてくれなくても。何も手につかなくなるほど苦手ってわけでもないしな。


「別に気にしなくていいんだぞ?」


「私が気にするから」


「お、おう? なら、次からはどこに行くんだ?」


 秋田が一番難易度もアクセスも良いと思っていたが、他にどこかあるのだろか。


「札幌でいいんじゃない?」


 確かに秋田を除くとそこが一番ちょうどいいな。いやまぁ札幌は自分に合った階層で戦えばいいわけだからちょうどいいもなにもないのだけれど。


「そうだな、次からはそうしようか」


◆◆◆


 20層ぐらいまで 降りてきて時間もそろそろ無くなってくるといったところでついにBクラスの魔物と遭遇した。


「アークガイストか?」


 出てきたのは周りに様々のものが浮かぶ人型の影のような魔物。鑑定の出番だな。


【アークガイスト】

・Bクラス上位の魔物。

・高速で操られる物体から繰り出される攻撃は強力。魔法系ステータスを基準に物理攻撃を行う。

・本体に物理攻撃は通用しない。

・核が存在し、回復を行い続ける。魔法で影を払い核を破壊する必要がある。

・弱点は火、光

・ステータスを開示しますか? YES/NO


 Bクラス上位。事前に調べた情報でもそうなっていた。20層は主にキャッスルゴーストが出現し、アークガイストは極稀にしか出現しないはずだったが。


 まさか一番最初にあたってしまうとは。


「私はロゼリアに変わるから、奏多は前線をお願い!」


 彩佳がすぐに指示を飛ばしてくれる。間違いなく最善手だろう。前に詰めて、飛んできたがれきのようなものをはじく。


 すると、後方が光輝いているのを感じる。


「変わったのじゃ。魔法行くのじゃ!」


 俺はロゼリアの声を聴いて射線上から外れる。その刹那の間に光の球体が通り抜ける。


「甘いかっ!」


 影の腕がその球体によって消し飛ばされるが、すぐさま再生する。


「ロゼリア! あいつには核がある!」


「ギミック系じゃな!?」


 さすがロゼリア、理解が早い。


「そうだ! どこら辺にあるかわからないから影を飛ばしまくるぞ!」


 ロゼリアに情報を渡している間にも大量のがれきのようなものが飛んでくる。


「くっそロゼリアもしっかり狙ってやがる」


 がれきはロゼリアにも向かっていくが、その射線に割り込み、俺がすべて剣で防ぐ。


 しかしどこから出してきてるんだこのがれき。


 魔剣で弾いていくが、かなりの衝撃だ。手がしびれる。それにあまり下手な弾き方をすれば間違いなく魔剣が欠ける。剣聖スキルを全力で活用しないとな。


「奏多!」


 ロゼリアから合図が飛んでくる。その瞬間もう一度射線からのく。


「『回旋・小圧星』」


 ロゼリアが出した魔法陣から放たれる光が影の胴体を消しとばす。しかし、核は見当たらない。


「胴体じゃない! 次は頭だ! 『爆炎』」


 がれきをはじきつつ、影に近付き、魔法を撃つ。頭を消し飛ばすが、ここにも核がない。飛んできたがれきをはじき後退するころには頭も胴も再生してしまっていた。


「核なんてあるのか!?」


 めぼしいところは全て見たはずだが?


「見つからんのなら全身消し飛ばしてしまえばよいのじゃ! 少し奏多は下がっておれ!」


「了解!」


 何か大技を決めるつもりなのか、後方にいるロゼリアがそう言ってくる。俺がロゼリアの方を一瞬見たとき、ロゼリアの翡翠色の右の瞳には五芒星の印が浮かびあがっていた。


 俺がロゼリアの後方に行くと、ロゼリアの目の前に巨大な魔法陣が浮かび上がる。その魔法陣には先ほどロゼリアの瞳に見た五芒星が組み込まれていた。


「『回旋・衝撃電波(パルサー・インパクト)』!」


 ロゼリアの声と同時に魔法陣から衝撃が放たれる。その衝撃は影の周りに浮かんでいたがれきを全て粉砕する。影は浄化されたように全て消し飛ばされた。後には赤く光る石のようなものが浮遊している。あれが核か。


 しかし、少し肌がピリピリするな。これは、電気?


「ふぅ……これはもう撃てないんじゃからな! 早く核を砕くのじゃ!」


 ロゼリアは魔力を使い切ってしまったのか膝をつく。


「ありがとうロゼリア!」


 ロゼリアが作ってくれたチャンスだ。核をぶち壊して終わりにしてやる。


「はぁ!」


 万一予想外の硬度で壊せないと困るからな。魔剣に無理やり魔力を流し込み、火力を上げ、全身全霊を持って核に叩きつける。


 核は赤い光を失い砕け散った。


 あ、ちょっと待って。


 魔剣欠けたんだけど。

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