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無事…

結局、わたくしは殿下にお世話になることになりました。わたくしを横抱きにして、軽々と運んでくださいます。馬車を降りるための段差だけお手伝いをお願いしたのですが、どうせ一緒だからと屋敷の中まで運んでくださいました。お姫様抱っこで運ばれるわたくし。…殿下のお姫様はお姉様ですのに…と思ってお姉様を見ると、特に気にした様子もなく、侍女にお茶の準備を指示しておりました。

わたくしたちの帰宅と殿下の来訪を聞いたセバスがやってきましたわ。観察していると、お姉様のおっしゃっていた通り、足を引きずるような歩き方をしております。

「セバス、腰を痛めたの?」

そう問うと、驚いた顔をした後、申し訳なさそうに返事がきました。

「そうなのです。申し訳ございません。先日、ギクッとやってしまいまして…年には勝てませんな。お嬢様、よく気づかれましたね?」

「お姉様がおっしゃっていたのよ。知らなくてごめんなさいね。無理はしないで、辛かったら言ってちょうだいね。早く治るといいわね」

そう微笑みかけました。

「ありがとうございます。できるだけご迷惑がかからないように致します。それにしても、いつもアリシアお姉様は、よく見ていらっしゃいますね」

セバスが感心しております。

そうなのです。お姉様は天然でドジですが、人の変化に敏感なのです。落ち込んでいたり、体調が悪かったり、必ずといっていいほど気づいてくださいます。気遣ってくださいます。

さすがセバスは生れた時からわたくしたちを世話してきてくれただけあって、ちゃんとわかっておりますわ。お姉様のよき理解者の一人です。お姉様の理解者が多いのはよいことですわ。


早退した経緯として、学園で階段落ちしたことと、学園のお医者様に診察を受けたことをセバスに伝えると「またですか…」とため息をつかれました。

「ご無事で何よりです。念のため、後ほど先生をお呼びしますので、もう一度診察を受けてください」

当家の主治医の診察が決まりましたわ…。

セバス、ため息が聞こえておりましてよ?それに、手当てしていただきましたが、打撲しておりますので、無事かと言われれば違うのですけれど…。まあ、骨折など大きい怪我ではありませんから、無事…という認識でよいのかしら…。

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