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ライラとプリラム草2(クリス視点)

花に触れたメイドを呼んで確認すると、プリラム草に触った使用人は彼女だけだという。しかし、彼女にかぶれの症状は出ていない。

「ライラ様が、殿下に元気な状態のお花をさしあげたいから、手袋をかけてとおっしゃったそうです。プリラム草は熱に弱いらしいから、手袋をかけて触ってほしいとお願いなさったそうで…。ライラ様の侍女からそう伝えられまして、手袋も準備されておいででした」

メイドに聞くと、そう返事が返ってきた。

思い返すと、ライラもロンググローブを着けていたし、彼女の侍女も手袋をしていた。


戻ってきた医者に確認すると、プリラム草が熱に弱いという性質はないらしい。

手袋はライラの気遣いなのだろうか…。城のメイドにまで手袋をつけさせたライラ。

彼女はなんと囁いた…?


……

「殿下。お姉様は、わたしを守ってくれたのです」

……

彼女はそう言っていたのではなかったか…。


まさかという思いが突然わき出した。

「お姉様は優しいのです」、「意地悪なんてされたことはありません」ライラは、そう繰り返していた。

ライラの微笑みを思い出し、背中に冷たい何かを感じた。天使のような微笑み…。隙のないあの笑みは、本当は悪魔の微笑みだったのだろうか…。


仲のよい姉妹のうち、表情の変わらない自分の婚約者。かたや表情豊かで笑顔を絶やさない婚約者の妹…。

わたしは、表面しか見ていなかったのかもしれない。

疑ってしまえば、納得できるところはたくさんある…そんな気がする…。

普段から、ライラはいつも姉を守るように側にいたし、さりげなくフォローもしていた気さえしてきた。

「お姉様は優しいのです」

…ライラが心からアリシアを慕っていたのなら、彼女の姉を悪し様に語った自分は、彼女の逆鱗にふれてしまったのかもしれない…。

ライラに握りこまれた自分の手を見つめた。


ライラに確かめようと彼女を呼び出そうとしたが、彼女は姉の療養について祖父母のところに行ってしまったという。

プリラム草のかぶれに散々苦しみ、ようやく回復して少しした頃、ようやく姉妹が療養先から戻ると連絡がきた。ようやくライラが呼び出しに応じ、一足先に療養先から戻ってきた。

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