表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/36

元気のないお姉様

「お姉様のことで、ご相談があります」

そう書いて殿下へお手紙を出しました。

わたしから、お姉様の婚約者である殿下へ手紙を出すなんてマナー違反だとお父様にたしなめられましたが、「お姉様に対する誤解を解きたいのです…」と上目遣いでお願いすると、お父様はあっさり了承してくださいました。わたしのお手紙は、お父様が殿下へ届けてくださいます。

わたしが計画を進めている間も、お姉様の元気は戻りません。落ち込んだ様子で、今では食も進まなくなってしまっています。いつもは「残したら料理人に失礼でしょう。せっかくいつも美味しいお料理を作ってくれているのに…」と、食欲がないときはあらかじめ少量の給仕を望まれるお姉様ですが、今は「ごめんなさい…」と悲しそうに食事を残してしまわれます。皆がわかるほどに、いろいろな変化が出ているお姉様のことが心配で、お母様に療養をお願いしました。セバスも援護射撃をしてくれ、お姉様はお祖父(じい)様のところに療養に行くことになりました。


「ライラ、持っていく本はどれにしますか?遊びたいものがあるなら、忘れずに荷物に入れてもらいなさいね」

お姉様が突然、わたしの部屋にいらっしゃいました。

「わたしも一緒に行ってよいのですか?」

「もちろんよ。…え?ライラは行かないの?ライラが行かないなら、やっぱり行くのをやめようかしら…」

思わずお姉様に抱きつきました。セバスの言う通りです。お姉様はわたしが嫌いになったのではありません。お姉様が行かれるところ、わたしもついて行きます。もちろんです。

お姉様と一緒にお祖父(じい)様のところへ行くことになりましたが、殿下に呼ばれた日が、療養へ出発する日とかぶりました…。

殿下(アイツ)も間が悪いです。

でも、殿下に「ぎゃふん」をしかけてから、お姉様とゆっくりすることにいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ