出会いⅡ
その日も大通りでの野草販売が終わり宿に戻りそのまま就寝した。
なにもないいつも通りの日常のはずだった。
少し周りが騒がしくて目が覚めたらデリアヌは争いが起き入口の門付近は火の海とかしていた。
この世界には何もない日常などなかった
賊は僕が泊まっている宿のすぐ前まで来ていた。
眠気が一気に飛び冷静になった僕は思わず呟いていた
「母さん、父さん!!」
母は身元を隠すために物置小屋で寝ている。そして父も母を心配して物置小屋で寝ているのだ。
物置小屋はすぐそこにあるため僕は直ぐに向かおうと思った。
しかし物置小屋には資源が置いてあるため賊がたった今荒らしているようだった。
僕は物置小屋向けて飛び出して行った。
しかし体が前に進むことはなかった。
そこで僕は何者かに腕を掴まれていることに気がついた。
ーー1週間前野草を売った少女だったーー
寝起きだからか僕の腕を掴む彼女の手はとても力強く感じられた。
「落ち着いて!」
美しく透き通る声に僕の酷く早く脈打つ心が落ち着かされていく。
続けて少女は言う
「あそこにあなたの両親はいないかもしれないじゃない!
自ら飛び込むなんて自殺行為よ!」
僕は完全に心を落ち着かせていた。
そして少女と一緒にデリアヌの入口のから離れていった。
次の日母と父を探すためにあまり遠くへは行かず隠れてデリアヌの様子を見ていた。
隠れてる間に先程助けてくれた少女について浮かんだ疑問を問いかけることにした。
「なんで助けてくれたの?」
「昨日の野草のお礼...」
少女は先程の透き通る声からは想像ができない口ごもった声で答えた。
続けてぼくは問いかける。
「どうして物置小屋にぼくの両親がいると知っていたんだ」
少女はハッとした顔をした。