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バレちゃった……


莉華に恋の下着がバレてしまい涼も少し…… いや、少しどころか完全に怪しんでいる。 こうなったら……



「高坂君、それってお母さんの下着じゃないよね? 服もそんな感じしないし……」


「なんか隠してるだろ?」


「ごめん! 言うに言えなくてこうなってしまった、理由は話すからみんなには黙っててくれないか?」



もう面倒だからこいつらに話してなんとかわかってもらおう。 そういう事にした。 よくよく考えたら同じ女の莉華もいるしなんか都合ついたりするかもしれないし……



「まぁ理由次第なら俺達も力になるけど? 春季が女関係で学校休むとはなぁ」


「私高坂君の彼女見てみたいなぁ!」


「いや、彼女じゃないんだよ、いろいろあってさ。とりあえず連れてくる」


「やっぱりここに居たんだな」



はぁ、やっぱそうそう上手く誤魔化せないもんだなぁと思い寝室に行きベッドから布団を掴むと中からガシッと掴まれた。



「俺だよ恋。 ていうか話聞こえてたろ?」



そう言うと恋はゆっくりと顔を出し、申し訳なさそうに言った。



「……ごめんなさい、なんか気まずい思いさせちゃって」


「もういいよ、まぁあいつらに嘘ついた俺も悪いしな」



そう言うと恋は酷くションボリとした顔になった。 そこまで気にしなくてもいいけどなと思い恋を起こし涼と莉華の前に連れて行く。



「わぁ! 可愛い! 私は莉華だよ、こっちは涼。よろしくね! えと名前は?」

「恋って言います」


「恋ちゃんかぁ! うんうん、よろしくね、恋ちゃん」


「それでいつから2人は仲良くなったんだ? うちの学校の生徒でもなさそうだし……」



俺は理由を2人に話した。昨日偶然俺の家に来て恋が記憶喪失だと言う事とそして俺の家にしばらく居るつもりなんじゃないかという事も。



「と、こういうわけなんだ……」


「あ、あの! 誤解がないようになんですけど私が無理言って春季君にお世話になっているんで春季君は何も責められる事はありません、それに春季君は私にとても優しくしてくれています」



そうしてしばし沈黙が訪れる。まぁいきなりそんな事を言われればそうなるだろう。 俺だって信じられないもんな。



「まぁ話はわかったよ。面倒くさがりの春季がとりあえず居候させてるって事だろ? だけど警察とかに行った方が早いんじゃないか?」


「まぁ俺もそう思ったんだけどさ」


「そ、それは私がなんとなく嫌で……」



なんとなく嫌って何? と思ったがなんだか微妙な空気になっていたので莉華がフォローを入れた。



「まぁまぁいいじゃん、恋ちゃん嫌がってないし寧ろこのままの方が今は良さそうじゃん? それに高坂君にも良さそうだしね!」


「俺にも良さそうってなんだよ?」


「高坂君のお部屋前に来た時より清潔感あるしこんな事高坂君やりそうにないし恋ちゃんがやってくれたんでしょ? お互いいい影響になるかもしれないじゃん?私と涼は黙ってるから安心して? ね! 恋ちゃん」


「え? あ、はい! ありがとうございます」



莉華がそう言うと涼もまぁそうかもなと言ってこれ以上追求してこなくなった。まぁよしとするか。



「それにしても! 私的に気になる事あるんだけど…… 恋ちゃん」


「え?」


「服とかどうするの? 」



莉華の言葉で思い出した。 こいつ今下着着てないよな? 俺の部屋着しか身に付けてないなんて……



「あの…… それは……」


「だよね、そうだと思った。じゃあさ、恋ちゃんの服乾いたらみんなで私のお家に来ない? 恋ちゃんって身長私と同じくらいだから私の服で良かったら貸そうか?」


「え? そんな事してもらっちゃっていいんですか?」


「うん、私は全然構わないよ! だって私も高坂君と恋ちゃんが上手く行くように協力してあげたいもん」



上手く行くようにってなんですか? とチラッと涼を見るがまぁ別にいいんじゃね? というような感じだ。



「そこまで莉華がしてくれるなら俺からも頼むよ、恋が居る間服を貸してくれ」


「皆さん、本当にありがとうございます、こんな私に親切にしてくれて……」


「じゃあ恋ちゃんの服が乾いたら莉華の家に行くか」


「それに涼が私の家に来るとお父さんもお母さん喜ぶしね!」



涼と莉華は家族ぐるみで仲が良いので当然この2人も仲は良いからな。 そして服が乾き恋が着替えを済ませ俺が台所でコップを洗っていると……



「春季君、なんか私今凄く嬉しいです。 偶然来たのが春季君の所で本当によかったって思ってます、春季君にかなり迷惑掛けてるけど春季君に恩返し出来るように頑張ります!」



恋はなんだか少し罪悪感があるような顔をしていた。 だがそれを振り払うかのように俺に微笑みかけた。 思わずドキリとしてしまうような笑顔だった。




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