図書館
さて、どこに行こうか。
俺は、一人で3階を歩いていた。
食堂を出て、みんなと解散し、一度部屋に戻ってマップを取り、そのままこの階をぐるぐるしてる現状だ。
とりあえず、この階は回りきった。
ならば、上の階にでも行ってみるか!
男子トイレ脇の階段を登り、4階へ。
この階は図書館となっているようだ。
壁は棚で覆われ、フロアは本棚が規則正しく並べられ、中には本がびっしり詰まっている。
ナンジャコリャ。本のパラダイスやぁ〜〜。本好きは好きそうだよな。
中央に向かって歩いて行くと、受付のような場所があり、そこには一人のメガネの女性が本を読んでいた。
服装は黒の肩出しニットにロングスカートで、黒髪短髪丸メガネ。左右の頰に一つずつホクロがあって、とてもエロティックなタイプの人だ。
顔はかなり整っており、美人と言っても過言ではないであろう。
お姉さんタイプの女性ですね、ストライクゾーンです。
とか考えていたらあっちは俺の存在に気がついたようだ。
「こんにちは。聖君。この時間は自由時間のはずですが、図書館に何か用ですか?」
顔の変化がなく、表情は無のまま淡々と話すお姉さん。
俺の名前を知っているってことは脈ありなんじゃないか?
「はい。お姉さんの言う通り、自由時間です。とりあえず城全体を見て回ろうかと思い、図書館に立ち寄りました。」
とっさに答えたからお姉さんと言ってしまった。変に思われてなければいいが。。。。
「それはいい心がけですね。特に図書館を最初に選ぶその心は素晴らしいと思います。しかしながら、私をお姉さんと呼ぶと言うことは私の名前を覚えていない、もしくは知らない、と言うことでしょう。そこは少し残念です。」
ぬ!名前がわからないというのがバレてしまった。ぐぬぬやりおるお姉さん。てか無表情崩れないな
「私の名前は寿白亜と申します。自主的にこの図書館で本を整理をしています。みなさんには図書館の主人と思われていますので、そのように認識してください。因みに2年生で、戦場では後方援護部隊にいます。」
寿先輩か。めでたい名前だなぁ
「先輩はやはり本がお好きなのでしょうか?良ければおすすめの本等紹介してください」
よし、先輩の好みを聞きつつ、アピールしていくぞ
「そうですね。私は本の虫と言っても過言ではないでしょう。食事とお風呂のとき以外はほとんどここにいますから。因みに寝るのもここです。私がここで寝落ちしていたら、起こしてくれると助かります。あ、本の紹介でしたね。まず聖君の好みの本を教えてください。」
早口で一気に喋りきった先輩。先輩の寝顔は見たいなぁ。今みたいな真顔なのだろうか。
「聖君?ボーっとしてますね。私の寝顔でも想像しているのですか?それは少し恥ずかしいですね。これも先ほどうっかり口を滑らせてしまった所為ですが。」
んな!ちょっと沈黙してたら何考えてるか当てられた!この人エスパーかよ、、、てか恥ずかしいとかいう割には表情は全くの無なんだが、、、、、、、
「すみません。しかし先輩の寝顔はぜひ見たいですね、頻繁に通うことにします。本の好みですが、物語が好きです。中学では新しいものをよく読んでいたので、逆に古いものを読んで見たい気はします。」
実はライトノベルくらいしか読んでいなかったがな
「そんな、ぜひ見たいなんて、、、。はっ、すいません。はい、是非頻繁に来てください。図書館に来る人はいても長居する人は少ないので私は基本的に一人です。いつも寂しいので是非。」
無表情でも発する言葉は感情に溢れるんだよなぁ。こういうタイプ、可愛いって思っちゃうわ。
「勧める本ですが、古い物語で、読みやすいものと言いますと、100年前の時代の本がいいでしょう。あの時代は本というものが高度な発展を遂げた時代です。紙の媒体以外に電子書籍が出始めたのもあの時代ですね。まぁ私は紙の本が好きですが。そして100年前の物語で代表的なものといえば、百田尚樹先生著の【カエルの楽園】でしょうか。あの本は言論人である作者が、あの時代の日本を題に書いた作品です。内容も人間の生々しいものをうまくカエルの世界に落とし込まれていて読みやすく、一気に読んでしまうような引力があります。」
なっっがい!先輩の目が輝いてるよ、、、まだ説明終わらないし、、、
「っ!かふっ、あふっ!」
あ、咳き込んだ。唾が変なところにでも入ったのかな。あんだけヒートアップすればまぁなりそうだわ。
「ん、こほん。すみません、つい熱くなってしまいました。しかし、おすすめなので是非読んでください。本はJの棚の9段目にあります。といってもまだ分かりませんよね。最初なので案内しましょう。」
そう言って、先輩は立ち上がって受付のような場所から出て来た。
先輩は意外と身長がある。俺と変わらないくらいだから、160くらいかな。ロングスカートが良くお似合いです。
「Jの棚はこっちですね。少し歩きます。」
この図書館は広いからなぁ。
本棚を3つほどスルーして行ったところでJの棚に着いた。
しかし9段目とか高すぎだろ。俺も先輩も届かんでしょあの位置。脚立持ってこなくてよかったんかな
「9段目ですからね。聖君では届かないでしょう。私がとって来ますね。」
え、先輩どうするの?
と思ったそのとき
「『浮上』」
先輩の背中が光り、先輩が浮いた!
そのまま9段目の高さまで。。。。。
っつ!黒のレース!!!!!!
ロングスカートの中身が思いっきり見え、先輩の真っ白な御御足と素晴らしき下着を拝ませていただきました。
そのまま一冊の本を持って、先輩は俺の隣にふわりと着地した。
「聖君、こちらが私おすすめの本【カエルの楽園】です。読んだら是非感想を教えてください。私、さっきの場所で待っていますので。それでは。」
俺の昂ぶる感情など知る由もない先輩は、無表情ながらも嬉しそうに言って、元の場所に戻っていった。
くそう!エロい!無自覚エロス!