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好奇心


翌日、ユイが再び来店した。


今日の午前中クラスで「僕がバイトしている」ことを言っているのが聴こえた。

教室内でユイが属するグループは、いわゆる上位カーストで、クラスの中で異彩を放っている。ユイ本人はもちろん、その周りの人も、色鮮やかな髪の毛。女子はクルクルに巻き、男子はワックスをつけ。服装も生徒指導部の先生に見つかれば即アウトな服装。


影では、不良グループとも言われている。


その中のリーダー格なのがユイなのだ。


どうやらユイは僕がバイトしているのを話のネタとしたらしい。僕なんかがなぜ話のネタになるのかわからなかったが、きっと揶揄うのが面白いから。学校で影が薄いやつの謎に包まれた生活が知りたいからとか、そんなもんだろう。



単なる好奇心。その心は時に人を傷つけ、その存在を消しさせるまで続いたりする。

この好奇心は、遊びとも言える。

「ただ遊んでいただけ」

だいたい言い訳はこんなもんだろう。

遊んでいただけだから、好奇心の赴くままやったから。

こんなことが文化にあるとも言えなくもない。

大人が、成功者が「好奇心のまま生きればきっと成功する」なんて事を口にする。

この考え自体に問題は特にない。

問題なのは、それを履き違えて理解する者だ。

都合のいい時だけ言葉を引用してくる。


人間は、自分に都合の良く認識する。記憶を美化する。


こんな人間の習性が産み出すのが、きっと傷つける。と言うことなのだろう。



「あいつそんなことしてんのwちょーウケるんですけどw」


「表はあれでも、影で、パリピしてんじゃないw」


「まさか、バイト代で女を。。。」


反対側にある僕の席まで聞こえる声。

楽しそうに話す声。それを聞いてヒソヒソとこちらをみながら話す声。


そんな声が入り混じる中、1人声を発せずに、噂は広まっていく。



ユイが店の敷居をまたぐ。

ユイといつも一緒にいる7人が後ろで騒いでいた。


「いらっしゃいませ」なにも知らない店の人たち。


「優くんのお友達?。お友達いないかと思っていたから」店長が言う。


アイはなんと言ってくるだろう。

今日のことを、耳にしているかも知れない。

なにか反応してほしい。しかし、アイは期待とは裏腹に、こちらをみているだけだった。


店内はいつものしっとりとした空気はなく、若者独特な雰囲気に包まれた。


「ここで稼いだお金で女を買っているのか」


うるさい


「ウケるー。そこまでして女ほしいとか」


耳障り


「ほんまなー」


憎悪の波が押し寄せてくる。

徐々に浸かっていく足。


どんなに抵抗を心みても虚しく。


水嵩が上がっていくだけ。


冷たく痛い水が俺の全身を襲う。


店内にはユイ達しかおらずその声は、部屋をよく響かせていた。


店内に目をやると、ため息をついていた。

咲さんは皿洗いをして、聴こえていないようだった。

アイは、じっとユイ達の方をみていた。



1時間ぐらいで、ようやくユイ達は席を立った。1時間が7時間に感じた。


会計をしにレジに入ると、ユイたちはニヤニヤと嫌な笑みを浮かべ、ある1人が


「女好きのやつが来たぜ」


大きな笑いが起きる。


ユイが笑いを堪えているのかよくわからない顔で、

「そんなこと言っちゃダメでしょ」


ユイは、なにか思い出した仕草をし、


「今日もお願いできない?」


「それはちょっと..」と拒むと


ある男が「男なんだったら奢ってやれよ。金持ってるんだろw」


その言葉が引き金となり、8対1となった。


「ノリ悪っ」


「いいじゃん」


僕はこのままじゃ店に迷惑がかかると思い。自分のお金から出した。


薄っぺらい「俺たち友達」なんて事をいい

ユイグループは上機嫌で出て行った。


店長は裏に行っているのか、

店内には、アイと自分しかいなかった。


アイは僕を睨んでいた。


「なんでお金出したの」その声は少し怒っていた。


「店に迷惑がかかると思って」


沈黙が流れる。


「ちゃんと言わなきゃ後で取り返しのつかないことになるよ」彼女はそう言い、店の裏に行ってしまった。


じゃあ...どうしろって言うんだよ....


僕は爪が手のひらに刺さりそうなぐらいまで力強く拳を握り、唇から血が出ていた。






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