そわそわ
感動的寸劇が終わった後は大変感謝され念願の指ぬきグローブをゲットしたら騒ぎを聞いた門番やら従業員が代わる代わるやって来ては感動、やって来ては号泣、お礼の品につられ気づいたら列になる程だった事をサークに説明する。
因みに服を貰って度々着替えなくてはならなかった、感動のあれこれで濡れた為だ、お風呂入りたい……。
「ぷふ、そうかだから猫語を話してたんだね、効果については後で聞こうか優にゃん君。」
「忘れてくれ……なんで猫までカバー出来るだよお蔭で恥かいたわ。」
「優様、ありがとうございます、最後のお別れがちゃんと出来ました。」
「どういたしまして~。」
支配人以外はみんな親に代わったから油断してた、効果中は俺姿は変わって見えるらしいが効果は一人だけ、回りには言葉使いが代わっただけの俺にしか見えない、さぞ滑稽だったろうさ。
支配人は帰りにお礼をくれると約束して館の中に案内されドアがたくさん見える大きなホールに着いた。
これからサークが言ってた奴隷を買うのかな?
「サーク様最後にもう一度聞きますが“あれ”で本当によろしいのですかな?」
「くどいな、大丈夫だよ“あれ”は扱いさえ間違えなければね、誰も好き好んで関わらないだろうし俺逹にはもってこいさ。」
なんだろ……とても嫌な流れだぞ。
「サーク何を買うつもりか教えてくれよ、俺、気になります!」
「女の子だよそれもかなり強いね、確か優にゃん君と同い年位じゃないかな?」
お、女の子だと?!しかも闇奴隷で人権ないとかサークお前って奴は!
「エロにゃん君が、何を考えてるのかは顔をみれば分かるよ、あったらそんな汚れた考えなくなるから覚悟しなよ。」
「名前がなくなった?!じゃなくて、違うしそんな初めの事なんて考えてないから。」
「優様本音出てますよ。」
そわそわしてると支配人から指摘されてしまった、仕方ないだろ?女の子に興味津々の年なんだから。
支配人はローブを着た男に指示をすると一つの扉に魔方陣が浮かび陣の模様が回転すると石の扉は内側にも何重にあったらしく開いた扉だけで通路になっていた、厳重過ぎてないか?。
そして通路を抜けた先にいた者の威圧感に見た瞬間に身体が動かなくなった。
「サーク………なんだよ、こいつは?ば、」
「シッ!!それは言っては駄目だよエロにゃん。さぁてここから本番だ、優君下手すると死ぬからふざけないように。」
死ぬって、確かに怒らせたら死ぬよな。ああちゃんと印の結び方覚えておくんだったなぁ………、だってそうだろ?
「グルルルル!!」
「やぁ、元気だったかな?約束の通り来ただろ、ならこっちの約束も守ってくれるよね。」
サークが近づく相手は巨大な狐だった。