2話 悔しくても
魔力の使い方と手伝う内容を教えてもらう事一週間が過ぎた。
その間にも他の連中が1人また1人と連れ出されていくのを見るのは怖かった。
「うんいい具合になったなさーて日時と時間には間に合った。こりゃらくちんな仕事だな。」
「らくちんってもう拐われて残ったの俺達だけだ、他の人を助ける事だって……。」
俺は助けられたかもしれない人達の事を思い出し罪悪感でいっぱいになり愚痴をこぼすとやれやれとサークが首をふる。
「流石、平和の魔法使い殿だ。考えが甘過ぎて胸焼けしそうだ。知らない相手を助ける時は損得で動け、感情で動くのは自殺願望か勇者くらいだ君はどっちに成るつもりだい?」
「ごめん……考え成さすぎた。」
助ける力もない俺は悔しくて手に力を込めどうしようもない自分を責めてしまう。
「オーク共は次に君を選ぶけど大丈夫君ならやれる。」
「本当に出来るか心配だよ俺。」
「大丈夫さ、練習通りにね。」
緊張して待っていると夜になり小屋の周りが騒がしくなりいよいよその時が来た。
「ブヒヒィィ」
「………やってやるよほら連れて行け。」
オーク共の集落の中心部に連れていかれた俺は集まったオークを見て多いと冷や汗が出るでもやるしかなかった。