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seek right  作者: ノラネコ
序章
9/31

8.城下町

誰かが評価をしてくれた!!

ありがとうございます><


毎回思うんだけど一話2000文字って少なすぎるよね……




序章のうちはしばらく説明臭くなってしまいます。

ファンタジーを書くに当たって世界観を固めるのは必要と考えますので退屈かもしれませんがお付き合い下さい

現代日本とは比べ物にならないけど、

村を目指して歩いたただの草原に比べれば幾分か整備された道を行く


振り返っても村が完全に見えない所まで歩いたが息一つ切れないのは一ヶ月の体力強化(農作業)のお陰か道が整っているお陰か


今ではリゼリアを気にかける余裕すらある


まぁリゼリアも平然と歩いていて、それを見ると一ヶ月前の自分が如何に貧弱だったのかを意識してしまい情けなく感じてしまうわけだが……


魔物を避けるためだろうか道は森を迂回するように続いている


魔物と言えば村人との会話で知ったのだが魔物は魔物同士で争い補食することもあるが、何故か人間を好んで襲って食べようとするらしい


それは何故かと俺は質問したのだが、魔物の考えることなんて知らないと返された


この時に魔法が発達して科学が発達していないこの世界では『何故か』を調べる研究者がいないのではないかと思った


魔法のような解明が出来ない不思議な力を日常的に利用して行使することに慣れたこの世界の住民は『何故か』ではなくそういうものだと享受するのだろう


世界のあり方が違えば人の考え方も違う


当然のことではあるがここではない世界で生まれ育ち、ここではない世界の常識を持ってしまっている俺からすれば『考え方』や『常識』が異なるというのは些細なことではない


元の世界では何でもなかった行動がこの世界ではとんでもない失礼に当たるかもしれない


それが原因でとんでもないトラブルに巻き込まれるかもしれない


今までは小さな村だったからよかったもののこれからはもっと人のいる所をたくさん通るだろうし、知らない人ともたくさん接する機会があるだろう


今まで以上に気をつけて行動しなければならない


これから遭遇するであろう多くの困難に対して決意を新たにする






かなり歩いただろう、

以前の俺なら間違いなく音を上げていたであろう距離


だがそれを踏破したことよりも俺の意識は目の前にそびえる巨大な城壁に向けられていた


城壁というのは些か語弊があるかもしれない


これは壁ではあるが城壁ではない


なぜならこの壁が囲んでいるのは城ではなく、城を含む城下町すべてだ


町一つを巨大な壁が囲んでいるその光景はまさに圧巻だった


それもそのはずここは王国と呼ばれる人間領最大の国家の城下町


元の世界にこんなものは無かった


あの小田原城でさえ城壁の中に擁したのは蔵や詰所だけだ


しかしこれは一般の住民の住む地区までを壁で囲んでいる


元の世界の城に攻め寄せるのはあくまで『人間』だ


住民たちが皆殺しにあうことはほとんどない


そんなことをすれば城を取った後、治めにくくなってしまうからだ


だが、この世界では攻め寄せるのは主に魔物だ(魔族は村人たちからは恐れられていたけどリゼリアを見てしまった俺にはどうにも話を鵜呑みにできない)


魔物は好んで人を襲う、つまり住民丸ごと壁の内側に入れてやらなければ文字通りの皆殺しにあってしまうのだろう


検問があったらリゼリアをどう誤魔化そうかと悩んでいたがその心配はどうやら無いらしい


見たところあけ放たれた城門の両端に一人ずつ兵士であろう甲冑を身にまとった男が立っているが、多くのものが自由に出入りしている


まぁこんなに大きな町だ一人ずつ検問を行っていたらとんでもない時間がかかるし、商売などは成り立たなくなってしまうだろう


不安そうにするリゼリアの手をしっかりと掴むと人ごみに紛れて中に入る


するとどうだろう、外からだと高い城壁があってよくわからなかったが中は随分と賑やかで栄えている


特に出入口である城門の近くは多くの露店が立ち並び市のような状態になっており、

あちらこちらで客を呼び込む声が聞こえる


リゼリアを連れている恭弥がわざわざ人間の多いここに来たのは村では得られない情報の収集そして地図の入手が目的だった


とりあえず宿を取ろうと歩き出す


しばらく歩いて市を抜けると多数の宿屋が立ち並ぶ宿場区のような場所に出た


宿屋のほかにも露店ではなくちゃんと店舗を構えた店などはここにあるようだ


逆に言えば露天商は宿屋を目指す旅人をこうした店舗より先に捕まえるためにここよりも城門側に露店を開くのだろう


それに対して店舗を持つ商人は品揃えを売りにしているのだろう、安いものから高いものまで揃えてあるようだ


お金に関しては村の人達が今まで手伝ってくれたお礼だと村を出るときにいくらか工面してくれた


お金の単位もちゃんと教えてもらったので大丈夫だ


お金は大きさはどれも同じだ


ただそれを構成する物質で価値が変わる


高いものから金貨、銀貨、銅貨、そして鉛でできている銭貨


価値は10枚で一つ上の貨幣1枚分らしい


ここまでしっかりと聞いて安心しきっていたが、ここに来て『あること』に気づいてしまった


貨幣の価値は学んだしかし、相場を全く知らなかった……


これを悟られてはぼったくられる可能性が高い


正直、市を抜けるとき嫌な汗が止まらなかった


もし声をかけられても断れば問題ない


確かにそうかもしれない、そうなのだが怖かったものは怖かったのだ


宿屋に関してもそうだどこに入ればいいのか全くわからない


とりあえず、人に聞いてみよう……


「あの、すみません」


恭弥はさりげなくリゼリアが目につきにくいように自分の後ろに下げて話しかける


「はい、なんでしょう?」


「すみません、田舎から出てきた者でして色々情報が知れて手軽な宿と言えばどこですかね?」


「あぁ、旅の方ですか、そうですね………ここをもう少し行った所にある黒羽亭こくうていという宿が良いかと思います、酒場を兼ねているので少し賑やかですがその分情報は入りやすいですし、店主のウッドケイプさんも親切で値段も手ごろだと思います」


「ありがとうございます、助かりました」


お礼を言って別れ、道を進む


少し歩くと黒羽亭はすぐにわかった、栄えてるというか……そう大分賑やかなのだ


俺は店の前で一度立ち止まり深呼吸をすると店の扉を開いた




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