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seek right  作者: ノラネコ
序章
2/31

1.紅い瞳

遅くなって申し訳ありません。

文体について試行錯誤しながら書いているのですがなかなかうまくいきませんね……

今後も精進していこうと思います。


序章のうちはしばらく説明臭くなってしまいます。

ファンタジーを書くに当たって世界観を固めるのは必要と考えますので退屈かもしれませんがお付き合い下さい


頭を整理するために振り返ってみたが何もわからない。

人の優しさに飢えすぎて変な夢でも見たのではないだろうかと自分をつねる。

……痛い……どうやら夢ではないようだ。


ポカポカと暖かく降り注ぐ日光と程よく涼しい風が不思議と心を落ち着かせてくれる。


スーツが汚れるのも気に止めずにその場で寝転がる。

まさに晴天というべき青い空が視界一杯に広がり、

自然を大いに感じさせる土と草の香りが鼻孔をくすぐる。


こんなにのんびりとした時間を過ごすのはいつぶりだろうか。

うつらうつらと意識を半ば落としかけながらそんなことを考える。

ああ、この感じは学生時代、授業中に居眠りをした感覚に似ている。

ポカポカとした陽気の中でゆっくりと意識を混濁させていく。

様々なことがどうでもよくなり、流されるようにゆっくりと意識を落とした。




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



目覚めたときには既に日が傾き、空は綺麗なオレンジ色に染まっていた。


やってしまった、

ここがどこなのかそれどころか一晩過ごすめぼしい場所すら探すことなく時間を使ってしまった。

と言ってもあの幸せな時間を後悔はしていないのだが……

しかし、僕の精神面がどうであれ現実の問題として今日の寝床が無いことは変わらない。


体を起こし再び辺りを見渡すが、

相変わらず見渡す限りに草原が広がっている。

だが、薄暗くなってゆく草原をよく目を凝らすと幸運なことに四人の人が何かを運んでいるのが目に入る。


「おーい、待ってくれ!」


寝床は無く、聞きたいことは山ほどある。

これを逃しては次にいつ人に会えるかわからない、

この機会を逃すまいと僕は声を上げて駆け寄る。


四人組は僕に気が付くと顔を見合わせ小声で少し話すと向き直り、

あろうことか全員が剣を抜いた。


刃物!?

え、しかも包丁とかってレベルじゃないし!

僕、何か悪いことしました?!

ただ話しかけただけで……もしかして言語違うのか!?

勘弁してくれよ!今の自分の状況すらわからないのに!!



「え、ちょっ……いや怪しい者じゃないんです。せめて道だけでも教えてほしくて……」


営業でさんざん培った技術はどこへやら驚愕と混乱からうまく言葉が出てこない。


しかし、僕が見るからに狼狽していても相手はその敵意を納めることなくジリジリと距離を詰めてくる。

気付けば既に四方を囲まれており、逃亡すら出来ない。

多勢に無勢。

為す術も無くその場に引き倒される。


「ぐっ、僕がいったい何をしたって言うんだ!」


相手に向かって叫ぶが答えは返ってこない。

代わりに後頭部に衝撃が走り、

覚醒して間もない意識は再び闇に落とされた。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



頭に響く鈍痛で目を覚ますと暗くじめじめとしている場所にいた。


ここはどこだろう

手足を拘束されていないということは簡単には脱出できないような場所なのだろうか

辺りは……暗くてよく見えないな……


「っ!?」


次第に闇に目が慣れ中の状況が掴めるようになると部屋の隅で音もなく自分を見つめる赤い瞳と目が合う。

少なくとも僕はこれまでの人生で赤い瞳を持つ人物と会ったことはない。

それも自分を見つめるその瞳は燃えるようで、

赤いというよりは紅いと表現した方がいいかもしれない。


人……なのだろうか……?

人型はしているように思えるが、フードのついた大きめの服を目深に被っているために確信は持てない。

まだ完全に目が慣れてなくてよく見えないな……

近づけば見えるだろうが、正直怖い。

とりあえず目が慣れるまでは迂闊に動かないほうがいいかな……


おそらく相手も警戒していたのだろう。

腰を下ろすと心なしか突き刺さるようだった視線が和らいだ気がする。


現に紅い瞳の持ち主は目を離すこと無くこちらを見続けているが何か行動を起こすようなそぶりは見せない。

こちらも目が慣れるのを待ちながら相手の様子を観察し続ける。


お互い見つめあったまま、

一言も発すること無く静寂が流れる。


次第に目が慣れて相手の様子がわかってくる。

相手は想像していたよりもずっと小柄で華奢だ。

うずくまるようにして座っているので実際はわからないが目測では立ち上がっても150cm前後しか無いように思える。

フードを深く被り表情はうかがい知れないがその奥で燃えるように紅い瞳だけがひときわ怪しく光っていた。


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