17.王都3
編集部もやる気が出てきたらしくいい感じに会議も出来ましたので頑張って速度あげていけたらいいなと思ってます
朝起きると身体の痛みはすっかり無くなっていた
社畜時代の生活のお陰でいつもと同じ時間に目覚めることができたが今日は仕事をしないと決めていたので時間的にも身体的にもやれるとしてもやる気が起きない
隣で幸せそうに眠ってるリゼリアを起こす気にもならないしね
紙に『下に居ます』と書き置きをして部屋を出る
ここに来た次の日の朝の事件があってからこの書き置きはリゼリアが朝に弱いので割りと高い頻度で書いている
お陰でほんの少し文字が書けるようになったのは怪我の功名というやつだろうか
下に降りると既に数人の探索者が席で朝御飯を食べている
ここにいる探索者はここに泊まっている者も少しはいるが大半は別の宿に泊まっている
依頼をこなしているかここで飲んでいるかのどちらかで宿なんて荷物を置くのと寝るくらいにしか使わないのでベッドさえあれば良いから安い宿を借りるという探索者が大半だった
遠回しにある程度のお金を払って悪くない宿の部屋にいるよりここに居たいと言っているようなものなのでやはりケイプウッドさんは慕われれているんだなと強く実感する
中には二日酔いで潰れてる集団もいるが……そんな状態になるまで昨晩飲んでいて朝にはもういるってどういうことなのだろう……
その中にガイウスさんを見つけたので運んでくれたお礼を言ったのだが真っ青な顔で手を上げるだけだったのでそっとしておいた
解毒の魔法とか効かないのだろうか……
いつも通りカウンター席で朝御飯を食べているとリゼリアが降りてきて隣に座り、同じく朝御飯を食べる
すると俺が先に食べ終わるのでリゼリアが食べている間、ケイプウッドさんやその場にいる探索者たちと談笑する、普段通りの朝
話してみればここにいる探索者は強面だったり、傷だらけだったりする人も少なくないがみんな良い人たちだった
ケイプウッドさんは客をちゃんと選んでいるんだとこの一ヶ月でしみじみと感じた
いつもならリゼリアが食べ終わり次第ギルドに行って依頼を受けて……とするところだが今日は休みだ
最初の方は生活必需品を揃えるのにお金が消えていって貯めるどころか減る一方だったが、そろそろ地図を買えるくらいの余裕がでてきたので買い物かなぁ……
生活必需品といえばこの世界ではオシャレをするのは貴族くらいなものらしい、まぁ余裕がないとそういうのって発展しないもんな……
オシャレには元々興味が無かったから俺は構わないけど麻の服の着心地に慣れるのは苦労した
リゼリアもフード付きローブを一つしか持ってなかったので買い足したり、それとは別に普通の服も二人分何着か買って……思い返せば服だけで大層な出費になったものだ……
ケイプウッドさんに部屋代と飯代を助けてもらってなかったら破産してたな……
そのうち余裕が出てきたら錆びた剣も変えたいし、防具も買いたいけど……防具重そうだな
そう考えると金属の鎧とか着けてあちらこちらの町や村を行き来する探索者たちはすごいな
てか、お金全然足らないなこれ……
「今日は地図を買って、その後図書館に寄ろうと思ってるんだけどリゼリアどうする?」
俺もこの前知ったのだが、王都には図書館があった
前から気になっていたし、せっかくの休みなのでついでに行ってみることにした
リゼリアがうーん……と可愛らしく悩んでいると横から話を聞いていたケイプウッドさんが言葉を挟む
「図書館は軽いものだが、入るときと出るときに身元のチェックがあるぜ、なんたって王都の図書館だからな盗まれたら困る蔵書もあるんだろう」
「じゃあリゼリアは留守番だな……」
リゼリアは少し残念そうな顔をして頷く
あれ?ケイプウッドさんに身元を探られては困るという話をしただろうか……?
背中に冷たい汗が流れるのを感じた
そんな俺の視線を感じたのかケイプウッドさんはこちらを見ることもなく
「大丈夫、誰にも言わないし、俺は何も知らない」
マジで何者なんだろうこの人……