14.魔導率2
長い間、年末年始休みをいただいておりました
これにて序章(世界観の説明回)を終わろうと思います
つきましては次から話を書いていくわけですが方針は決まっているのですが文として固めるために少々時間を頂くかもしれません
極力急ぎますがご理解のほどをお願いします
登録しますって……
え?そんなことしたらバレる危険性があるのわかってます?リゼリアさん??
いや、俺と違って一応リゼリアはこっちの世界の住人だ
俺なんかよりその辺の仕組みについてはわかってるのか……?
と言うことは魔導率の測定ではバレないものなのか
……大丈夫だよな……?
不安に頭を悩ませているうちにリゼリアは書類をすべて書き上げて魔導率の測定に入ろうとしている
決してリゼリアの書類を書くスピードが早かったのではない、恭弥が遅かっただけだ
「200!?リゼリアさん魔導率高いですね!」
受付嬢が感嘆の声を上げる
ですよねー、魔族ですものねー
………いや本当にバレないのこれ?!大丈夫!?
「ええと、具体的にどれくらいすごいものなんですかね?」
リゼリアが特に喋ろうとしないため、代わりに俺が口を開く
「そうですねぇ……これだけあれば後は努力次第で魔法使いとして勇者一行に参加できますよ」
なるほど人間としては相当高いみたいだな……魔族だけど
リゼリアはいつも通り無表情で素っ気無い態度を取り続けている
が、もう長いこと一緒にいる俺は受付嬢がリゼリアのことを褒める度に少し頬が緩むのを見逃さなかった
照れているのだろう子供らしくて可愛らしい喜び方だ
それはいい、問題はそこではない
魔族は魔導率が高いなんてリゼリア本人からはもちろん誰からも聞いていない
というかそもそも魔導率の話はさっきはじめて知った
だからリゼリアの魔導率が高いことと魔族であることに関係があるとは言い切れない
だがしかし、『魔族』という名称から察するに魔導率が高いことは魔族の特徴のひとつに思われる
するとこの現状はよろしくないのでは??
しかしそんな恭弥の不安をよそに登録はつつがなく終わる
リゼリアは受け取ったタグと恭弥の首から下げているタグを見比べると思わずといった様子で嬉しそうに口元を緩めた
タグに特に違いは無いように思われるのだが、その後のリゼリアは機嫌が良かった
魔導率が測れないことで少し大事になり、リゼリアの魔導率が高いことで受付嬢に驚かれ……
これ以上目立ちたくないと思った俺はそそくさとギルドを出て黒羽亭への帰路を急ぐ
ばったり出くわしたときすぐに逃げられるように賞金首のリストだけでも見ておこうと思ってたのに忘れてたなぁなどと思い返す頃には二人は黒羽亭の前まで戻ってきていた