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seek right  作者: ノラネコ
序章
11/31

10.金策

今回遅れたのは私のせいじゃなくてですね!

他のメンバーのチェックが遅かったせいで!!私のせいじゃ、ありません!!!

俺は悪くねぇ!!!




そろそろ序章終わってお話入ります、あと5話位後にな!!



初めてコメントを頂きまして、我ら一同感動して号泣しました。

評価、コメントを頂けますと本当に励みになります、時間がありましたら是非お願いします!




序章のうちはしばらく説明臭くなってしまいます。

ファンタジーを書くに当たって世界観を固めるのは必要と考えますので退屈かもしれませんがお付き合い下さい

少し開いた窓の外から鳥の囀ずる声がする


その鳥が何なのか知らないが雀に似た声は朝の雰囲気にはピッタリだ


俺が大男から《探索者》について教わっている間にリゼリアはシャワーを浴びていたらしい


そして俺が戻ってきたときに丁度着替えていた……と


ラッキースケベなんて空想上でしか起こらないものだと思っていた


そして当事者からするとその後の微妙な空気はかなり辛いもので全然ラッキーでも何でもないと思った


いや本当に……


普段、外にいる時は最低限の事しか話さないからリゼリアは無口に思われがちだが、実際はそうではない


発言することで意識が自分に向くのを避けるためにあえてそうしているのだ


事実、村にお世話になってた時も家の中では普通に話していた


なのに昨日は一言も口を利いてくれなかった……


二人しかいない部屋で話し掛けても無反応というのは原因を作った罪悪感も相まってかなり精神にダメージを与えるものだと昨日は身をもって学んだ……


俺もそのあとシャワーを使った


辞書通り訳せばシャワーだが、実際は元の世界のシャワーとは若干違う


おそらく科学ではなく魔法による産物だからだろう、主に形状が微妙に違った


まぁ慣れればまったく問題ない程度の小さな違いでしか無いが


残念なことに浴槽は無かったが、村にいるときは川での水浴びしか無かったのでお湯を使えるのはすごく有り難かった


その後「余り物だ、遠慮なく食え」なんて言いながらとても余り物とは思えない立派な晩飯をウッドケイプさんが部屋に持ってきてくれた


ウッドケイプさんが部屋に入るときにドアを叩いてから入ってきたことを考えるとこの世界でもノックという概念はあるらしい


…………本当にごめんなさい、リゼリアさん




布団の中で改めて昨日の反省をしたところで体を起こす


ベッドを降りて立ち上がり大きく欠伸をしながら体を伸ばす


昨日のうちに洗って吊るしておいたスーツを降ろす


このスーツも大分よれたな……


転職を志してハロワに向った時に着ていたスーツは既に随分と動きやすい布質に変わってしまっている


それを見て少し感慨に浸りながら袖を通す


さてと、幸運なことに宿も無事に見つけられて食事まで頂けてるわけだけど、

今回が例外なだけで普段ならこれは全部お金を払わなければならないことだ


となると手持ちのお金が尽きるのは遠くない未来だろう


金策を考えなきゃいけないな…………


異世界に来てもお金を稼ぐ方法で頭を悩ませることになるなんて皮肉だなぁ……


とりあえずウッドケイプさんに聞いてみるか、

わかる人に聞くのが一番だよな、あの人なら信用できるし


「リゼリア、朝だよ」


まだ布団で丸くなっているリゼリアを揺する


「……ん」


少し反応を示して片手を上げるがその手は何かを探すように虚空を彷徨うと糸が切れたかのようにまた布団の上へと落ちた


ううむ、村にいるときは農作業が朝早くていつも起こさずに家を出てたからリゼリアがこんなにも朝弱いとは知らなかったな……


先に下に降りてても大丈夫かな?


まぁ勝手に人の部屋に入るような客をウッドケイプさんが泊めるとも思えないし平気かな……


「先に下に降りてるよ?」


「………んー……」


これ絶対に生返事だ、

起きたとき記憶に残ってないんだろうな……


そう確信しながら部屋を出て静かに扉を閉める


下の階に降りると酒場はまだ朝だというのに多くの探索者でにぎわっている


「おう、起きたか、ほれここに座れ、今なんか食い物持ってきてやるからよ」


ウッドケイプは恭弥を見つけるとカウンターに招く


「あ、はい。すいません朝ご飯まで………」


「いいんだよ、朝から飲んだくれてるそこら辺のやつらのおかげで儲かってるからよ」


「ちょっ、酷いっすよ」


近くで飲んでた男が突っ込む、そのやり取りに店にいる客がみんな笑う


その雰囲気からどれだけウッドケイプさんがみんなに慕われているのか、

そしてここの常連が仲がいいのかが窺える


「ほらよ、お待たせ」


ウッドケイプさんはチャーハンのようなものを出してくれた


見た目はチャーハンだし、味もそれに近いのだがよく見ると違う


それは当然でそもそもどの野菜も米でさえも見たことのない種類のものなのだから


だが、辞書にはチャーハンと訳されているのだからチャーハンなのだろう


それを食べながら本題を切り出す


「ウッドケイプさん実は昨日俺は田舎出身だと言いましたが実はそうでなくてですね……記憶がないんです」


田舎出身でも知ってるはずの常識すら俺は知らないのだから記憶喪失の方が都合がいい


昨晩、寝るときに俺はそう結論付けた


「ほう、訛りなのかと思っていたがその話し方もその弊害か?」


「え、あ、はい」


おおう、普通に会話できてたから言語は大丈夫だと思っていたがやはりこの世界の人からするとまだ少しおかしいのか………


「記憶喪失って言語まで忘れるものなのか?聞いたことねぇぞ」


えぇ、全くその通りですよね………


普通の記憶と経験による記憶は脳の別の場所に仕舞われると聞いたことがあるし、普通は経験による記憶は忘れないんだろう


しかし、この世界は科学が発達してない!押し切れるはずだ!!


「実際、忘れているわけですからそういうこともあるのでしょう」


「ふーん………」


ウッドケイプは目を細めて恭弥の目を覗き込むように凝視する


やべ、目が泳がないようにしなきゃ……


あれ?嘘ついてる人って逆に相手の目を見すぎるんだっけ??どっちだっけ………


「フフ、まぁいいさ、そう言うことにしておこう」


ウッドケイプは意味深に笑う


今のでどこまで読まれたのだろう……


まさか異世界人なんてことまで読まれたとは思えないが、その物言いと笑い方から全てを見透かされた気すらしてくる


「それで本題なんですが、旅人ってどうやって路銀を稼げばいいんでしょうか?」


「ハッハッハ、なるほど本当に何もわからないみたいだな」


真面目に聞いたのだが大層大笑いされてしまった


「だから何も覚えてないんですってば……」


「あぁ悪い悪いそうだったな、そうだな……旅人が路銀を稼ぐ方法は大きく分けて三つある」



次回!『恭弥死す!』(嘘)

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