【6】余談(1) 彼女
ラストライヴに行くことができず、そののち。もの凄く後悔と失望をするのだが、実は光明というか……。
少し違った見方ができるようになっていたのだ。
それは今もなお続けて思えていることなので、驚きとともによかったのかな、と思っていることである。
彼らに出会って……今でいう推しはVo.であった。
なので脱退したときは彼のほうに一応ついていった。しかしよくよく考えると、自分を弁護する者はなにかが怪しい、やましいところがある、ということをこの時はまだ理解できていなかった。
(だけれども、音楽性があまりにも一貫しすぎていて、あれ? これは違うな、と思い始めていたことも事実である。のちにあーぁ、この人なにしてるんだろう? っていう気持ちになっていくのであった。)
推しはVo.であったのだけれど、実は全盛期後半からGt.二人にも心惹かれ始めていたのだ。
弾き方、楽器のヴィジュアル、見た目のほうのヴィジュアル、そして楽曲を作っていた二人の才能に。そして文通相手が大好きであった歌うドラマーも急激に好き、っていう気持ちが上昇。
そんな矢先、心がポッキリ折れそうになる出来事に遭遇する。
ドラマーの急逝だ。
これはもう本当に辛かった。でも一番辛かったのは文通相手だった思う。なんて手紙に書いていいかわからなかった。どうしていいかわからなかった。慰めるには幼かったかもしれない。仲たがいしてたわけじゃないけれど、Vo.を追いかけてみる、と言っていたことも原因があったかもしれない。
彼女のほうが情報はたくさん持っていてほぼ真実に近いことを知っていたような気がする。彼女は優しかったから。幼い私には伝えづらかったのかもしれないな、と今なら思える。
それから少ししてから、私は新しいVo.を迎えた彼らのライブに足を運んだのだ。やっぱり好きで、彼らの作る音楽が好きだったから。
好きな音楽はそこにあったけれど、メンバー(ドラム)が一人いない現実が私には受け入れることができなかった。やっぱり彼じゃないと作れないドラムの音があったから。
曲の構成は全然よくて、好みだったのだけれども。
そのライブの帰り、文通を途絶えさせてしまった彼女の姿があったのだ。
ここを逃したらダメだなって思って、頑張って声をかけた。
彼女は夢にまっしぐらで、切なくも綺麗だった。
「また手紙書くね」
と言った私はその後書けていない。なんてことをしてしまったのだ、と思うけれど、これはこれでよかったのかな、と思う。
きっといまも彼女は夢を追い続けて頑張っていると信じている。




