ぼくのかんがえたさいきょうのおうち
「やめてくださいタカヤ!顔を上げてくださいっ」
「おわっ!?」
体が浮いた感じがしたので、魔法かと思い目を開くと、レイに襟を持ち上げられていた。
しかも片手で。
「力強っ!」
「あ、ごめんなさいっ、すぐ下ろします!」
ゆっくりと下ろされ、着陸。
ヤバイ、ちょっと足震えてる。
「びっくりした…ビスティアはみんなこんなに力が強いのか?」
「そうですね…これでも弱い方ではないかと思いますね。もしかしてタカヤは力の強い女の子は嫌い…ですか?」
あ、尻尾下がった。普通女の子に力強いとかタブーだろ!と心の中で自分に往復ビンタをかます。
なんとかフォローしようと言葉を探すが、なかなかいいのが見つからない。
「いやいやそんなことはないよ?同行してくれるんだからむしろありがたいよ?」
これじゃフォローになってないっすよ。
泣かせてしまうのではないかとオロオロしてしまう。
「本当ですか?よかった…」
レイの尻尾が持ち上がったのを見て一安心。ほっと胸を撫で下ろした。
「そういえば、魔法の使い方でしたね」
「あ、そうだったな」
おっと危ない。土下座損するところだった。
魔法というと、やはり呪文詠唱とか印を結んだりするのだろうか。
ゲームみたいに短い呪文唱えるだけなら楽勝なのにな。
「慣れれば簡単ですよ。使いたい魔法を強くイメージするんです」
「使いたい魔法って、何でもいいのか?」
「はい、何でも。まったく同じ魔法なんてそうそうありませんから」
予想以上に簡単だが、そう言われると使いたい魔法が多すぎて迷ってしまう。
とりあえず、『天空三部作』などで有名なあのゲームにも登場する、不意に浮かんだ勇者専用魔法(最近は魔物も使うことがある)を強くイメージした。
「でも、もしかしたら今はそんな大規模なものは発動できな…」
「雷撃とか?」
瞬間、眩い光と轟音。
そして、立方体を組み合わせたようなあの建造物に、直撃。
「ま、マイホーム!!!」
「きゃっ!」
我が家を失ったショックにくずおれる。
「さよならマイホーム……短い付き合いだったけど……世話になったな……」
うずくまったまま若き我が家に黙祷。
本当にごめんなさい。
アルマジロのように丸まっていると、レイが嘆息するのが聞こえた。
「すごいですね、あのゴーレム…」
「……すごいって何が…?」
壊れっぷりとかだろうか。なにそれヒドイ。
しかし予想に反する返答。
「ほぼ無傷ですよ?」
「は?いやいやそんなわけ…」
まさかと思い我が家跡地を振り返ると、ウォンデルに来た時から変わらない姿(所々煤けていたが)で立って、いや、建っていた。
「ホンマや」
思わず有名司会者のモノマネをしてしまうほどの驚きだ。
「今のは雷魔法ですね。しかも特大の!」
「あ、そうだ。雷じゃん。なら大丈夫なはずだよ」
雷で崩壊する家なんぞに住んでたまるか。
どうも、肉付き骨です。
一から書き換えました…
どうやら原因は記号の『丸』だったようです。自己解決。こんなんじゃパロディーしにくくて辛い!まぁ、やらなきゃいいんですかね。
原因が判明致しましたので、続行できそうです。お騒がせしましたm(__)m