表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
捨てられ勇者の奮闘記  作者: 肉付き骨
ビスティアの国
12/19

一文無し、タカヤ

 一応元の世界の硬貨、日本円を持って、門に入ってすぐの街に来た。金品も適応させてくれれば尚良かったのだが。


「国って言うよりは城と城下町って感じだな」


 元の世界のように広大な土地を持つ国はあるのだろうか。

 何はともあれ、まずは物々交換を試みようと、近くにあった果物屋のおばちゃんに声をかけた。


「この、リンゴ?ください」


「いらっしゃい!うちの果物はどれも新鮮だよ!…ってあんた勇者様じゃないか!?」


「あ、どうも」


 どうして分かったのだろうかと思ったが、リンゴのような果物を渡そうとした自分の手の甲を見て気づいた。紋章だ。身分証明にも使えるとはなんと便利な。


「勇者様なら安くしとくよ!50ロンでどうだい?」


 どうやらロンというのはこの世界かミミ国のお金の単位のようだ。


「あー…それなんだけど、召喚されたばっかりでお金になりそうなのはこれぐらいしか無いんだ」


 タカヤは財布から百円玉を取り出して見せた。


「見たことない硬貨だね…とりあえず質屋で見てもらったらどうだい?」


「そうだな…やっぱりそれがいいか」


「そいつはサービスだよ、持っていきな!」


 おばちゃんは、渡そうとした果物をそのままタカヤにタダでくれた。


「いや、悪いよ。タダで貰うわけには…」


「いいんだよ!代わりに、換金したらまずうちで買い物してくれればそれで」


「ん…じゃあいただくよ。ありがとう」


 タカヤは貰った果物をかじりながら、おばちゃんに教えてもらった質屋へと向かった。

 初めて口にしたウォンデルの未知の果物は、見た目通りリンゴのような食感だったが味は桃のようで、不思議で美味だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ