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真実の中の虚構世界《フィクショニア》  作者: AKIRA SONJO
第2章【首都奪還プロジェクト、女の子が最優先です】
35/54

31話【これ、短編で良くないか?内容的に本編である必要性でもあるのかよfromジン】

【警告】この話は作者がかなり壊れた状態で描いているため、本編と大分かけ離れた、頭の悪い話となっております。全くもって毛色の違うの話のため、お気をつけ下さい。又、この話を飛ばしても本編にはあまり影響を及ぼさないと思われるので、飛ばして頂いても構いません。(!?)


―――――――


今回は、オレ、ジンがお送りする。

どうも、語り手になるのは久し振りだな。

何故オレが語り手になるのか、それはオレがメインの話、と言うわけではなく、現在リョーガが語り手として使い物にならないからだ。


現在のリョーガは、


「おいハンナ、注げ。俺の隣でな」


目が細く、ギラッギラしている。


「シンシア、お前も近くに来いよ。お前は可愛いから近くで見てぇんだよ。おら、恥ずかしがってないで来いよ」


全身から、やたら雰囲気変わっていて、本来のリョーガとは似ても似つかない。


「はん、逃げようとしても無駄だってのに」


しかし、動きはリョーガそのもの。いやそれ以上。


「逃げようとした罰だ。まずは手ェ縛ろうか。心配すんな、痛いようにはしねぇからよ」


何故リョーガがキャラチェンしてるのか。

時系列順に行こうか。


――――――――


オレは覚醒後、リョーガを凍り状態から復活させ、倒れた。

その後、リョーガより早く起きた。

それでも2日経ちかけてたけどな。

リョーガの様子を見に行った。

彼奴、ラターニャを追い返すことが出来るなんてな。

流石、オレの親友は頭が回る。

厨二データベースと今は呼んでいるらしいが、随分と高性能だな。

うぐっ、身体がまだメキョメキョだな。

おっと、ここがリョーガのいる場所か。

ん?中で、何かが。誰か居るのか?


――


「ふふふぅ。やっぱりいい身体ですねぇ。研究するかいがありますぅ」


――


見てはいけないものを見ているらしい。

何故かここに居るエティさんという研究者が、リョーガに股がり触りまくってる。

他の女の子だけじゃなく、あの人も攻略してたのか?

リョーガのハーレム好きは知ってるが、大丈夫か?お前。

ん!?更に増えただと!


――


「エティ様、その当たりで十分では?」

「ハンナさんじゃないですかぁ。まだまだ研究したいのですがぁ」

「研究ではなく診察をお願いしたはずですが」

「診察を兼ねた研究ですぅ。ビジターの覚醒事案は興味が尽きませんからぁ」

「それにしては大胆な診察の仕方ですね」

「このまま襲われても構いませんよぉ?」

「私は困りますので。強制的に降ろさせて貰います」

「あらあらあらぁ?」


――


なんだあの動き!?リョーガより速くてしなやかだ。

ハンナさんは何者だ!?


――


「それで、リョーガ様の具合は?」

「覚醒の反動でしょうねぇ。それに身体を燃やすなんて荒業もぉ、影響あったのでしょお。でも何とかなってますねぇ。セリアさんとぉ、マーヴェルちゃんの頑張りのお陰ですぅ」

「そうですか。安心しました」

「ですがぁ、まだ危ないですねぇ。覚醒ではなく、身体を燃やした影響が消えきって無いですねぇ」

「何か手立ては御座いますでしょうか。彼に死なれたら困ります」

「リョーガさんへの心配が強いですねぇ。リネットさんの為ですかぁ?」

「勿論リネット様のこともあります。ですが、他に個人的な理由も御座います。それで、何か手立ては」

「はいはいぃ。有りますよぉ。前に研究で造ったぁ、薬剤ですぅ」

「薬剤、これはカプセル?何か副作用は?」

「少し有りますがぁ、リョーガさんなら大丈夫ですぅ。女性にしか副作用は有りませんからぁ」

「ちなみにどんな」

「3日ほど情緒不安定になりますねぇ」

「………そうですか」


――


どんな副作用だよッ!

てゆーか、ハンナさんも攻略してたのか?

リョーガへの好意が、有るような気がするぞ。

女の子女の子言ってる割りに、女遊びはしないバカだが、やけに女の子に空かれるからな。天然ジゴロ属性持ってるし。

本人は絶対否定するな。そんな主人公じゃねぇ!俺は女の子を意識して攻略するタイプの主人公だ!

って具合に。つーか、お前女好きじゃねえだろ。


――


「それで、この薬剤はどうすれば?」

「リョーガさんがこれですから、口移しですねぇ。その為のカプセル状ですしぃ」

「口移し、ですか」

「はいぃ。それでは、私がやりますのでぇ、カプセルを返して下さいぃ」

「いえ、私がやりますのでその必要は有りません」

「えぇ。私がしたいのですがぁ」

「私がやります」


――


おい、リョーガ。口移しの権利を取り合ってるぞ。

だけどハンナさんは異様に動きが良いけど、エティさん異様に動きがゆるふわだから相手になってねぇけど。

てか気付け!あっ、起きないのか。

つーか、お前の望んでたキャッキャッウフフだぞ!

ギャルゲー展開なんだぞ!

あっ、エティさんが縛られた。

何処からロープを?


――


「少しの間、そこで見ていて下さい」

「酷いですよぉ。見てるだけなんて生殺しですよぉ」

「リョーガ様、失礼します」


――


取り合わず、ハンナさんはカプセルを口に含み、リョーガへとマウス・トゥ・マウス。

成る程、女性に副作用が出てしまうから、カプセルで時間差を作るのか。そりゃ、男に口移しするのは女性だわな。

男が男とか、うェェ。間接キスはともかく、それはない。

あれ?水は?まさか、そのままか。

いや、あれを水代わりに?

あっ、思いっきり流し込んだ。唾液ごと。そりゃそーなるけどさ。

おっ、ちゃんと嚥下出来たな。

これで安心だな。って!!!


――


「ングッ、ンッ、ンンン」

「ちょっと~、ハンナさぁん。もう飲み込みましたよぉ?完全に愉しんでますよねぇ!」


――


うわーお。マジか。ハンナさん、マジパネェッス。

リョーガはマジで起きねーのな。

つーか、貪られてるぞ。あれ?でもキスしたことあるから、良いのか?リョーガのファーストは、あの人だったか。


――


「ふぅ、これで良いでしょう。ディー……口移し完了です」

「カンッペキに愉しんでましたねぇ。ズルいですぅ」

「さて、ジン様、入らないのですか?」


――


気付かれてたのか。


――――


「あのー、ハンナさん」

「侍女の秘密です」

「いやあの」

「侍女の秘密です」

「だから」

「侍女の秘密です」

「わかりましたよ。それで、皆は?」

「城の復興作業中で御座います」


かくかくしかじかで、個人個人の居場所を教えてもらった。


「それじゃ、オレはゴゥアフト達の居るところに行く。皆に伝えといてくれー」

「了解しました」

「……………それでハンナさん」

「侍女の秘密ですが、何か?」

「いえ、何でもないです」


―――――


「ジン!治ったのか、良かった」

「心配かけて済まなかったなー」


ゴゥアフトメンバーと合流し、作業に入る。

しかし、何故かな。ティーもなんだが、オレやリョーガの周りには、小さい女の子多くないか?

よくリョーガはシンシアのことをちっちゃいちっちゃい言ってるけど、そこまで小さい訳じゃない。でも小さいことに変わりはない。

作者、ロリ好きか?(注:違います)

まぁ気にしても仕方ない。気にして背が伸びる訳でもねぇし。

それに確かリョーガは背ェ低いの好きだったはず。(注:ここは擁護しません)いやしてやれよ!


作業終えて、戻ってきた。まだ起きてなかったのか。

薬が効いたのか。顔色は良くなってるな。

でも他の女の子達は、かなり心配してるな。

早く起きてやれ。


「早く起きてリョーガ君。じゃないとあの事聞けない」

「リョーガ、起きて」

「早く起きろ。聞けないではないか」


いや起きんな、殺されるぞお前。

マーヴェルちゃんも、1人だけ心配してるかと思いきや、そんな風にはとても見えない。

おいおい、ヤンデレ化はさせるなよ?

只でさえ、既に1人やべぇのが居るんだからさ。


―――――


次の日も作業だ。

まだ身体が治ってない人達も多いし、動けるオレ達がやんねぇとな。また何時襲ってくるか分かんねぇし。

マーヴェルの結界を張れれば良いんだが、張るのにはリョーガの無限に近い源子量が必要だし。そもそも、補助効果のあるエメラルドはあるのか?

てーか、この世界の宝石類はどうなってるんだ?

そういや、金はどうなってんだ?今まで出てきてねぇけど。

まさか、考えてないとかじゃないよな。


オレの作業は重いものを運ぶ。ゴゥアフトは女性しか居ないし。

ここは順当かな。結構大変だけど、女の子が居たらやるしかない。

それが男だ!とかリョーガは言わないよな?


夕方、西城に戻ったオレは、脅されている。

どうもリョーガは復活したようだが、そそくさと逃げたらしい。

手伝いに行くという名目で逃げたので、オレに捕獲を手伝えと。


「フフフフフ」

「アハハハハハ」


うん、断るのとか無理。目がヤバイって。マジで。

光が入ってない。瞳に光が描かれてない。

ここまで恐くなれるとは、女の子とは凄まじいな。


―――


そして、夕食に。

リョーガに何があったかは、本人が語っていないなら、オレも語るのはよそう。あれは、凄惨だった。

だが、ここからが本題だ。

やたらと前置きが長くなってしまったが、夕飯?晩飯?まぁその時間帯が訪れたんだよ。


―――


「へぇ、こりゃ旨そうだな。あっ、鶏肉があるじゃねぇか!」

「リョーガ、鶏好きだねー」

「うむ、唐揚げは正義だ。チキン南蛮も正義だ」

「でも牛も豚も好きだろ?」

「猪も鹿もイケるがな!」


肉好きか。つーかお前は殆ど好き嫌いねぇだろ。

しかも、胃袋相当鍛えてるから、王水肉じゃがでもなんとかなるはず。いや、それは無理か?てゆか、あんなの食ってよく生きてられるな。


しかし、肉も魚もあるし、確かに上手そうだ。

オレも大して好き嫌いねぇし。


「ハンナ、ハンナが作ったのか?」

「全部では有りませんが、前に好きだと仰っていたチキン南蛮をお作りしました。タルタルソースというソースも、近い味を再現致しました」


お前、何処まで無茶言ってんだよ。

ああ、でも自分からやったのかな。


「ありがとなハンナ、これ食いたかったんだ」

「大したこと御座いません。この程度なら幾らでも」


もしかして、命令されることに喜びを覚えるタイプか?

侍女として、やりがいが有るみたいだし、そういうタイプでもなけりゃやってられないか。

いや、あの光景見ちゃってるしなー。リョーガは知っているのだろうか。


今オレ達が居るのは、西城のVIPスペース、つまり王族専用。

綺麗なテーブルと、要所に椅子が置かれた、立食形式。

ホントはこんな所に居られる身分じゃねぇ、しかし今は戦時中。更にリョーガは王族にめっちゃ気に入られとる。

これ、展開上大臣とか、別の国の奴等に恨まれるよな。

リョーガのことだから先読みして布石うってると思うが。

ここに居るのは、リネット、セリア、オリヴィア。当然な3人。

リョーガ、オレは貴賓客扱い。マーヴェルも同様。

シンシアは何だかんだで何時も居る。近衛隊長ってこんな役回りか?

ティーも居る。ゴゥアフトは貴重な戦力だし、そのリーダーは居た方が良い。オレにくっついてる感はあるが。

それとエティさんも居る。この人は研究者だが、国に認められてて貴族より上の待遇とか。

侍従として、侍女頭のハンナ、及び7名。

他の大臣やら貴族は居ない。正しく特別扱いだなオレ達。

どうも、プライベートを楽しんでくれ、という大臣(ジェイク)の計らいらしいけどな。


――


料理に舌鼓を打ちつつ、談笑。

オレはもっぱらティーと話してる。

リョーガは、大変そうだな。隣ではリネットとマーヴェルが争ってる。周りも女性で囲まれてる。

リョーガのやつ、モテるからなぁ。本人は完全否定してるが。

しかも否定の仕方が、俺がモテるとか有り得ねぇ、と卑屈な感じで。元の世界でもモテてたのに、気付いてねぇ。

幾つか要因もあるし、しゃあないといっちゃそこまでなんだが、リョーガのその思考だけは少し怪しいんだよなぁ。


料理も少なくなり、デザートに入る。

この人数で、6~7割はオレとリョーガで平らげた。

こんなに大食いだったかなぁ?


デザートも美味しく頂き、そろそろ終わりかと思った頃、やつ(・ ・)が現れた。


「ん?これは果汁ジュースか?」

「いえ、果実酒ワインで御座います」


ワイン?酒?


「なぁ、飲酒に年齢制限とかないのか?俺達の世界では20歳まで飲酒禁止なんだが」

「フェイクライナの法では、飲酒は12才から認められている。我々なら平気だ」


リョーガのもっともな疑問に、一番真面目そうなシンシアが答える。12才って、小卒くらいか?良いのかそれで。


「リョーガ君はお酒飲めるの?それとも飲酒制限で飲んだことない?」

「いや、飲んだことあるし、酒にはかなり強かったはずだ。ジンも相当だったよな?」

「ああ。大丈夫だ。でも、これ度数幾つだー?」

「約6%程です」


そこそこだな。つっても酒については詳しくないからわかんねぇ。

何故酒を飲んだことが有るのかって?

気にしないでくれ。ほら、あれれ~、おっかしいぞ~の人だって、もとに戻る為とか言ってちょくちょく中国酒飲んでるじゃないか。

実際には、中学の打ち上げの時に、偶然(あくまで!)にもアルコール混じってたんだよなぁ。

他にも飲んだ記憶は多いけど。

そして、この時オレは忘れていた。何故忘れていたんだろう。


――


「それじゃ」


「「「「「「「「「乾杯!」」」」」」」」」


リョーガが音頭をとり、乾杯。

おっ、旨いなこれ。葡萄酒?オレが飲んだことあるワインとは味が少し違うな。


「へぇ、旨いじゃねぇか。ハンナ、これがキャラバンから仕入れたものか?」

「はい。年代物もありますし、良物が揃ってるかと」

「ソムリエじゃないし、評論出来ないけど、これはイケるな、飲みやすいし。御代わり貰えるか?」

「はい」


リョーガが旨いと言ったか。ソムリエじゃないとか言ってるけど、リョーガは結構舌が良いし、酒には結構ウルサイから、相当良いものなんだろう。

高いものじゃないけど、造りが良かったんだな。

酒造主は、【エルライト】、か。


結構な量を仕入れていたようで、他の人達にも配っただろうに、グビグビ飲んでも在庫がまだまだあるらしい。

オレやリョーガはかなり飲んでる。

だが、酔うことはない。酔ってるけど、酔いは殆どない。

他の女の子達はあまり飲んでない。シンシアは特に飲んでない。

飲めないのだろうか?マーヴェルは、少しずつ飲んでるけど、ちょっと眠そう。弱いのか。

ハンナさんも飲んでる。侍女業に支障がない範囲で、物凄い勢いで飲み干していっている。オレ達も大概ザルだが、レベルがちげぇな。何本空けたあの人?


「ふぅ、旨いなぁジン」

「ああ。向こうでも、ここまでの酒は中々出会えないだろうなー」

「酒造主はもう覚えた。探しだして、造り手本人に会ってみたいぜ」

「おう、同感だなー」


酔ってないよ。語尾伸ばしはキャラ付けなだけだよ。

つぅか、リョーガのやつ、オレより入れ込んでるな。

ん?何だ?


「―――――(ガクッ)」


リョーガが、頭をフラフラさせたと思ったら、ガックリ落ちた。

あれ?これ前に見たことが、……………………!!!

オレはここで思い出した。

リョーガには、酒を一定以上飲ませちゃいけないことに!

限界リミットを越えて飲むと、リョーガの裏人格ほんしょうが解放される!!!


「全員、リョーガから離れろォ!ヤバイことになるぞ!」


ダメだ。???を頭に浮かべるだけだ。ってかなんで目に見えてんだよ!

まずい。まずいまずいまずい。

リョーガの裏人格、酒が入った時だけ出るモード。

それは、


(ドSの帝王モードだ!!!)


――――――


ようやく冒頭に戻る。


リョーガは、酒を飲み、一定以上のアルコール濃度になると、1度気絶に近い状態を経て、起きた時、人格が変わっている。

酒飲んで性格変わるとか、立派な主人公だよお前は。

リョーガの描写すると、まず目が違う。

戦闘時の、戦意を漲らせた目とも違う。

キレた時の、殺意を尖らせた目とも違う。

ギラギラと、切れ目で自信溢れ、妖しき光を灯す瞳。

その威圧感は、常時のそれとも、戦闘時のそれとも比較にならない。身体の大きさが、一回りも二回りも大きくなった錯覚を与えてくる。

だが、外見の変化は、まだ些末なもの。

性格が、人格が、とてつもなくなる。

まず、S化する。加えて、たらし(・ ・ ・)になる。

更に質が悪いのが、酒飲んで、性格変わってるのに、頭脳はより賢く、身体能力もやたらと向上し、感覚野も強化される。

最も質が悪いのは、アルコールが抜け、起きた時の記憶。

覚えてないタイプが多いだろうが、リョーガは覚えている。

何故か違和感を感じないが!

しっかりと記憶を保持しながらも、その記憶に違和感を持たない。

なんなんだよもー。

前に中学の打ち上げの時に、女子達にトラウマ(恋愛感情)を植え付けた原因でもある。

最後に、リョーガのドSモードが解ける条件だが、アルコール摂取限界、時間経過、倒す、位しか判明していない。

説明はこれくらいで良いかな。

ティーは既に避難させたし、観賞しよう。

え?止めませんよ?止めても被害が拡大するし。

それに、ここに居る女子達なら大丈夫だろ。


―――


「リョーガ!?止めろ!離せ!」


何処からかロープを、あれは源子で編んだものか。

幾重咲きの刀の他にも、物質を造り出せたのか。一時的なものだろうが。

シンシアの手を、頭の上で交差させ、手首を痛まないように抜け出せないようにきっちり締めている。

リョーガは人間の身体について精通している。

流れ、とか読んでたな。それを誘導操作することで、傷付けず自由を奪うことも可能。


「心配するなシンシア。暴れなければ、痛いことにはならねぇよ」

「どうしたんだ一体!また徒か!?度が過ぎるぞ!」

「あぁー?徒ぁ?ちげぇよ。少し確かめたいことがあるだけだ」


他の女の子達は、リョーガの豹変ぶりに動けないようだ。

リョーガはシンシアの縛った腕を、左手で掴み、顔を顔に寄せていく。


「んー?立ったままってのもな。ハンナァ!今すぐソファー持ってこい。でかいのだ!座り心地の良いやつだぞ!」

「畏まりました。………お持ちしました」


速ッ!

つーか、恍惚の笑みを浮かべてやがる。

そんなに命令されるのが好きなのか?ウズウズと待ってるな。

リョーガはシンシアを横抱きにして、ソファーへと座らせる。

こちらも、なんて早業だ。


「いいシチュだ。さて確かめさせて貰おうか?」

「なっ、なにをだ!」


涙目になってる。シンシアをソファーに押し付け、迫るリョーガ。

あっ、あの体勢、涙目で上目遣いになる位置関係だ。

狙ったな。上目遣い大好き野郎め。


「くっ、何時までも好きに出来ると思うなよ!」


シンシアが魔法の行使を図る。


「させねぇよ。抵抗するのは良いが、反撃までは許さねぇ」

「なっ、魔法が使えない!?源子を、飛ばされた!」


有り余る源子を、シンシアに向けて大量に放つ。

ダメージは無いが、シンシアの魔法発動時に使おうとした源子を、丸々弾き飛ばした。

魔法使用阻害(マジック・ジャマー)か。


「さぁて、そろそろ確かめさせて貰おうか?」

「なっ、なにをだよう」


口調が。


「前から気になってたんだ。お前のその胸がな!」


うわぁ、ゲスだこいつ。


「大きいんだか小さいんだかはっきりしねぇ。だから、確かめる」

「!?、何を、するの?」

「直に揉んで確かめるに決まってるだろ?心配すんな、痛くしねぇから。寧ろ気持ちよくしてやる」


単にスケベ化するだけじゃねぇか?

S化とかじゃなくて。


「やぁ、やめて。止めてよぅ」

「なら、変わりにカップ数でも聞こうか?俺は大きさ知りたいだけだ。自分の口から言えば良い」

「恥ずかしいよ、カップ数言うのなんてぇ」


口調が完全に変化してやがる。


「なら、俺が確かめるから。それで良いな?」

「うぅ………」

「それじゃ、確かめるか」


右手をワキワキとさせながら、胸へと近付ける。


「…………だよぅ」

「んー?聞こえないなぁ」

「…………ィだよぅ」

「まぁだ聞こえないなぁ。ほら、俺の耳元で良いから、きちんと話してみな」

「Gカップ、だってばぁ」

「へぇ、やっぱりデカかったんだな。普段はどうしてるんだ?そんな大きくは見えないが」

「さっ、サラシで押し付けて、小さくしてるの。邪魔になるから」

「なら、なんで下着、ブラを着けないんだ?」

「きっ、騎士は、胸当ても着けるから、邪魔になる。普段から着けないのぉ」


なんということだ!オレには全て聞こえていた。

つぅか、胸当て着けるから邪魔って、そうなのか?


「ちゃんと言えたご褒美だ(…カプッ)」

「ゥンッ!」


耳を甘咬みしやがった。


「それとも、口に直接の方が良かったか?」


バッシューーーッと赤くなっていく。


「そういやあまり飲んでなかったな。弱いのか?」

「あまり酔っちゃいけないからぁ」

「ふぅん。騎士だからかぁ?ここでは飲んで良いだろ。酒に強い人間が居るんだ。酔っぱらっても平気だ」

「いっ、いい。もう飲まなくていいのぉ」

「ふん、余計に飲ませたくなってきたな。ハンナ、注げェ!」


現在リョーガはシンシアの隣で座っている。

肩を回した状態で。

左腕は回し、右手でグラスを取り、注がせる。

てか、まだシンシアの手首縛ったままか。


「のっ、飲まないよ?」

「わーってる。グラス押し付けたりときしねぇよ」


グラスに並々注がれたワインの色を楽しみつつ。


「こうすんだよ!」

「んっ、んん!んんん!?」


軽く口に含み、シンシアの口に流し込む。

必然ディープ状態。周りでは、一部を除き、ずっとフリーズだ。


「(……コクンッ)。ふぁああ。なっ、何よぉ。いきなりしないでよぉ」

「いきなりじゃなけりゃあ良いのか?なら、これからワインを口移しで流し込むからな」

「そっ、そういう問題じゃ!」

「なら、避ければ良いだろ?」

「ンッー、ンンン!ンン!(…………コクリッ)。ハァ、避けられないよぉ。こんなに、抑え込まれてるし」


顔が、色んな作用で赤くなっていく。おお、赤くなるのが止まらねぇ!


「(ングッングッングッ)。それでも、逃げようと思えば逃げれるだろ?今は力弱めてるし、抑えてねーしな」

「ふぇ?ホントだ」

「さてと、次は思いっきり流し込むからな。覚悟しとけ」

「ふぇ、え?ンンンン!?」


あー、やっぱり避けねぇし逃げねぇ。口では抵抗しつつも、まるで抵抗しちゃいねぇ。

左手で頭を押さえ込んで、ながーい口移し。

最初こそリョーガを押し退けようとしてたが、今は背中に腕を回してる。落ちるの早いなー。


「(…………コクンッ……………………コクンッ…………………コクンッ!)」


なっげ、もう別のもの流し込んでるじゃん。

ハンナが物凄く羨ましそうな目で見てる。

貴女逆パターンやったでしょ。

しかし、リョーガはキスがこんなに好きだったのか。

キスを大切なものと、厨二な観点で語っていたが、キスすることはかなり好きみたいだな。


「ぷはぁ。はぁ、はぁ。私の、ふぁーすときす。奪われちゃった」

「ファーストだったのか。そりゃ嬉しいな」

「うぅ。責任……」

「責任?良いぜ、幾らでも取ってやる。だから、もう一回させろ」

「ンーーーー!!!!!」


さっきよりも、かなり荒っぽく、強引に貪る。

ホントに好きだな。リョーガの奴。普段は絶対あんなことしない分、やたら反動が大きいな。


「ふぁう、あぅ、あぅぅ」

「おっと、気ィ失ったか。ハンナ、寝かせておけ」

「畏まりました」


物スゲェキビキビと働いてるな。従属性があること確定だな。

シンシア、幸せそうな顔で気絶してやがる。


「おっと、ヴェルも寝かけてるじゃねぇか」

「ん。大丈夫」

「身体に悪いからさっさと寝ておけ。寝れないっつうなら、俺が寝かせてやるよ」

「んぁ……♥」


エルフ特有の耳をさっと一咬み。絶妙な甘咬みで一気に落ちた。

まぁ、マーヴェルちゃんには刺激強いから寝て貰ってた方が良いか。すぐさまハンナが用意を整えてマーヴェルを運ぶ。


「おいリネット、セリアも。オリヴィアもだぁ。何つったんてんだ?こっちに来いよ。俺の話し相手になれ」


その後も、リョーガ無双は止まらない。

リネット、セリアの姉妹同時攻略。

何処で仲良くなってたのか、オリヴィアも落とす。

ずっと飲み続けてるのに、飲酒限界が来ねぇ。

限界値が上がってやがる。

最後に、エティさんと飲み続けてる。

ゆるゆるふわふわだが、酒には強いみたいだな。

とゆーか、研究してるよあれ。

ハンナも侍らかしつつ、無双は、終わらない。


中学打ち上げよりは、マシかな。

リョーガの奴、大切な人間にはS度が収まるし、あの時はホントに大変だったよ。事後処理スゲェ面倒だったんだからなー!


おっ、リョーガの頭が振れ出した。


「ハンナさん、そろそろリョーガが寝落ちする。介抱してやってくれ。その後、何やっても良いし、オレは見てないからなー」

「畏まりました。ジン様はこの後どうなさいますか?」

「ティーは寝ちまったしなー。ここは眺めも良いし、星でも見ながら洒落混むよ」

「では、こちらにストックを用意しておきます」

「おう」


ちなみに、他の侍女達は、既にリョーガの手によって落ちているため、使い物にならない。

素面の時に、関心や興味の無かった人間に対しては、Sが完全に発動するからな。

全く、明日どうなっても知らねぇぞ?


――――――


春の2月、16の日。


ん、朝か。結局、昨日はかなり遅くまで飲んでたな。

丑三つ時ぐらいまでは飲んでたかな。

ふむ、二日酔いはない。倦怠感はあるが、変な体勢で寝たからか。

そして、中の様子は、うわ、ひでぇ。


「ハンナさん、そろそろリョーガも起きると思う。何か作って貰えるか?」

「畏まりました」


一晩中起きていたにも関わらず、昨日よりも確実に元気になり、ツヤッツヤしてる侍女が1人。オレは何も見ていないから知らないが、何処までやったんだろうか。


ソファーの上で、リョーガがむくりと起きる。

オレ達は普段、学校の制服を着ている。

同じものを何着か、仕立てて貰ったので着替えもある。

オレ達の戦闘服でもあるこれは、昨日の宴時にも着ていた。

しかし、だ。リョーガはブレザーを脱いでいて、尚且つワイシャツのボタンが全て外されていた。

オレの記憶では、酒入ってる時から脱いでないはずだ。

脱ぎグセもない。………よし、考えるのを止めよう。

オレは何も見ていないし、見る必要もない。


周りでは、きちんと毛布を掛けられて女の子達が寝ている。

侍女達はぐったりと、しかし恍惚の笑みを浮かべて倒れている。

昨日の惨劇の痕だな。


「よっ、リョーガ。二日酔いはねぇか?」

「ああ。…………大丈夫そうだ。少し喉が渇いたな」

「ハンナさんがすぐに持ってきてくれるはずだ。それで、昨日のことは覚えているかー?」

「そりゃな。酒で記憶飛ぶタイプじゃねぇし。しかし、旨いワインだったな」

「それだけ?」

「他になんかあったか?酒以外は、普段通りに近かったと思うが」


これだ。質悪い。覚えては居るが、疑問を抱かない。


「あれ?俺何故半裸?脱ぎグセ無いはずなんだが」

「酒飲んで熱かったから、誰かが脱がしてくれたんじゃねぇか?」

「それもそうか。汗は、あまりかいてねぇし。感謝だな」


そうだ、感謝しておけ。そしてそこで思考を停止しておけ。


「お待たせしました。リョーガ様、これを」

「おっ、ありがとな」


ぐいぐい飲み干す。あれは、ワインじゃないよな?

単なるジュースか。酒飲むと、喉渇くしな。


あっ、女の子達が起き出した。


「んじゃリョーガ、オレは少し散歩してくる。だから、頑張れよ」

「んあ?何をだ?」


決まっている。


――


「「「「「「(………………………)」」」」」」

「なっ、なんだお前ら!何故そんな目で見てくるんだ!?」


――


死ぬなよ、リョーガ。

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