30話【あっ、片付けしてましたよ?ちゃんとやってんだってホントホント】
あっ、どうも、リョーガです。
収まりつかなかったんで、1度話切りました。
いやもう頑張りましたよ。
でも徒党を組んだ女の子は強いんすよ。
シンシアは何故かアワアワモードでフリーズ、解凍後は暴れだそうとするし、切り刻もうとしてくるし。
二面性あるなー、相も変わらず。しかし可愛いな、アワアワしてる方は。普段の騎士然としてる方も可愛いけど。
他の近衛隊の女の子達も、やたら絡んでくるからねー。
大変だったのよ、マジで。
それで、さっき城を揺らしちまったから、中の確認してたんだ。
壊れたものは無かった。幾つか倒れてたけどさ。
爆発したところがあったから、その辺の瓦礫やらを俺が片付けた。
その他重いものを俺が担当。
さっき力を使いすぎたシンシアは、俺が源子を供給することで多少疲れが緩和出来たらしい。
ふむ、バッテリー替わりじゃなく、回復系も欲しいんだよな。
俺は一極型じゃなくて、万能型を目指してるし。
まっ、それをシントウ流に籠めているんだよね。
あらゆる願いと想い、それをシントウ流に籠める。
シントウ流は、俺の武術の流派って訳じゃない。
シントウ流は、俺が望む、俺そのものを表すもの。
これは師匠の教えでもある。
まぁ、師匠から教わったことなんて、殆ど無いけど。
今は、城の中にある箪笥とかでかくて重いものを一旦外に運んでる。隣には補助として近衛のレニーがいる。
じゃんけんで勝ったらしい。
レニーは濃い金髪、紫がかる青色の瞳。
髪型は、何て言うのかな、サイドテール?肩くらいの髪を左側で括ってる。身長は152~153程かな。年齢は、俺より下か?
日本人の感覚で言えば、中学生が兵士をやってるなんて、想像も出来ないわな。
「やっぱり凄いですねぇ、リョーガさんは」
「またその話か、俺は大したことねぇよ」
「そんなことないですって!隊長のことだってありますし」
「シンシア?彼奴がどうかしたのか?」
「はい、実は───」
近衛隊は女性、女子で構成された部隊。
元々、関所、砦に避難することを前提に造られた部隊だ。
年齢層は王女方に合わせた為、元の世界で言う中・高生が多い。
近衛隊の歴史は浅いが、その役目上、そこそこの地位がある。
隊長には、シンシアが就任した。
しかし、シンシアの出自は少し特殊らしく、周りが色々と五月蝿かったらしい。
更に、見た目はちっちゃいが顔はかなり可愛く、何より近衛隊隊長と言う身分も有り、言い寄る男が多かったと言う。
はっきり言ってロリコンだロリコン。
まぁ、同年代位の、貴族の子息当たりが多かったと。
シンシアはそれを拒絶した。というか男苦手らしい。
んで、色々と反発やら何やらあった。
シンシアは、弱気な所もあるが、芯は強い。
でも、それでも女の子だ。次第に口数が少なくなった。
ストレスとかで、暗くなってた。それでも人に当たらないところは良いところだと思う。
だけど、周りともあまり話さなくなってしまった。
隊の中でも浮いてたとか。暗い子タイプとか、今じゃ想像つかん。
だけど変化が起こった。
途中から明るくなり始めた。周りとも話すようになった。
てゆーか可愛くなり始めた。
男は苦手だったのに、男の話ばかりする。
そう、俺だ。大抵はなんなんだ彼奴は!とか苦言ばっかだそうだけど。
「感謝してるんですよ皆。隊長、明るかったのに、凄い落ち込んでて。でも皆助けられなくて。でもリョーガさんが助けてくれた」
「そうなのかなー。シンシアのイメージと合わねぇんだけど。リネットの前だと、騎士然としてたぜ?」
「見栄張ってたんですよきっと。隊長真面目ですから。王女方に心配を掛けないように」
「俺、何かした覚え無いぜ?デコピンして気絶させた思いでくらいしかないな」
「そういうことじゃないですよ。他に要因があったんです。リョーガさんは気付いてないようですけど」
「へぇ、どんな要因なの?」
「教えて上げません。自分で気付いてあげて下さい♪」
「なんだよそれ」
シンシアにそんなことがあったとはねー。
彼奴も苦労、してるよなそりゃ。
それに加えて気付いたこともある。
「レニー」
「はい、なんですか?」
「君も無理してるよな?」
「え!?えと、何ですか急に」
―――
「何ですか急に、無理してるなんて」
「何となくなんだけどな。君は、キャピキャピするタイプじゃないだろ。寧ろ、心配性で優しいタイプだ」
「そんな風に見えますかー?私はそんな子じゃ無いですよー」
「今更ぶりっ子しても意味ねぇって」
そう、最初から違和感があった。
単にミーハーな娘だったら、こんな感覚にはならない。
「君は、俺のことをあまり信用してないな。悪い意味じゃなく、知らないから、信用してない」
「!?」
「他の娘達が警戒しないように、怯えないように、自分から俺に近付いたんだろ?怒られたりするのは自分だけで済むように」
「何ですかそれ、深読みし過ぎですよ」
「それだけならな。だけど君は他の娘を相当気に掛けている。シンシアのこともかなり視ているし、ネルの時だって一人だけ浮かないようにするためだろ?」
「…………」
「違うか?近衛隊副隊長レニー・ケインズ?」
「……………もう、酷いですねリョーガさん。誰にも気付かれてなかったのに」
「すまないね。俺は心読流。心を読んじまうのさ」
「随分とズルい流派ですね」
「まぁね。だから判る。君が他の娘に構う理由も」
「──!?」
「俺には妹が居てね。よく気を使ってた。でも君は違う。保護欲じゃない。正反対の感情、つまり」
「寂しいから」
「先に言われちまったな」
「ええ。自覚してる」
「嫌われたくない、見捨てられたくない。だから気を使う」
「ホントに良く分かりますね。それで、軽蔑でもします?それとも嫌悪しますか?自己保身で皆を助ける私を」
ふむ、やはり何か勘違いをしてるようだな。
とゆーか何故いきなりこんな感じになってんだ?
バトルとコメディメインじゃなかったのか?
「はっ、するわけねーだろ」
「何で?こんな私を」
「だってよ、そんな自己保身なんて当然だ。見返り求めず助ける人間なんて少数だ」
「でも」
「第一、君はそれだけじゃないだろ?確かに自己保身もある。でもそれ以上に君は優しい。視てれば分かるさ」
「優しい?」
「おうよ。シンシアの心配するところなんて、自己保身の欠片も感じなかったぜ。それにさ、レニー、君は何故自分が副隊長に着いたか知ってるのか?」
「それは、確か隊長が能力で選んだって」
「ああ、そうだ。でもそれは魔法や戦闘力で選んだんじゃない」
「え?」
「選んだ理由はな、『レニーが一番、周りを視ている。そして周りに優しく出来る。私には出来ないから、レニーには隣に居て欲しかった』だそうだ」
「隊長っ!!!」
「だから、あんま気にすんなよ。自己嫌悪することはない。それで、気に病むことなんて無いんだ」
「もう、なんなんですか。惚れさせたいですか、こんな優しくして」
「おーう。そうだぜ、心盗流は心を盗む。気を付けないと惚れちゃうぜ?」
「何なんですかもう。とりあえず」
「周りには誰も居ないから、思いっきり泣いちまえ」
「───────!!!」
―――
シンシアの裏話+レニールート攻略の後、泣き止んだレニーは恥ずかしくなったのか、別の所に行っちまった。
「ありがとな、リョーガ」
「おやおや、何のことですかねぇ。俺は単にレニーを攻略しようとしただけだ」
「そうか、ならそれで良い」
シンシアが現れた。
この時点で気付いた人も居るかもだが、実はシンシアに頼まれてたんだよねー。
副隊長のレニーがこの頃元気無いから、元気づけて欲しいと。
自分が苦しい時に助けて貰ったこともあるからと。
そういうシンシア、お前も優しいって。
「レニーは、良い娘だな。あれで更に魔法も有るんだろ?」
「ああ。戦闘の面でも中々強い。私とは相性が悪くてな。模擬戦でも崩すのが大変だった」
レニーの魔法は爆発魔法。あれだけ周りに気を使えるから、サポートタイプとも思ったんだが。
そう単純なものでも無いらしい。俺やジンは思いっきり魔法に好みが反映されてるけど。
「まっ、シンシアは近・中距離型だからな。レニーは全距離型なんだろ?そりゃ相性悪いな」
それでもシンシアの方が強いらしい。
シンシアの風は回避・防御に向いてるしな。
速度もあるから近距離に持ち込んだんだろう。
「そうだ、後仕事はあるか?」
「そろそろ夕方だ。西城に戻ろう。作業は大分進んだからな、明日で良いだろう」
「そか。んじゃ戻ろうぜ」
―――
「へぇ、ジェイクさんってそんな強いのか」
「ああ。私ではジェイクさんにまず敵わない。まぐれで何とか一矢むくいる程度だ」
「相性あっても、そんなんなのか」
「ジェイクさんの魔法は、強化魔法と確定魔法だ」
「確定?どんな魔法なんだ?」
「必殺だ。攻撃を当てると、確実に相手を殺せるらしい」
「またチートな魔法だな」
「その分発動条件が難しいがな。人間には使えないらしいし」
「モンスターや魔人用ってか。強化魔法もあるのか」
「物凄い速度なんだ。確か、必殺を出すためには、最速状態にならなければいけないらしい」
「ふぅん。速度強化の槍使いか。手合わせ願いたいな」
「今は無理だろう。落ち着いたら、話してみてはどうだ」
「そうだな。そうしよう」
シンシアと話しながら西城に戻る。
他の近衛隊はやることが少し残ってるそうだ。
シンシア自身も、西城でやることがあるとか。
あれ?そういや何か忘れてるような?
――――――
「お帰りリョーガ君♪」
「身体、大丈夫?」
ウインクをしながらリネットが詰め寄ってくる。
ヴェルは大丈夫?と聞きながら何故か危険な気配が漂う。
ああ、これだ忘れてたの。
フリーズなんて無駄な行動は刹那もしない。
一瞬でバック走、逃げ出す。
「逃げられると」
「思ってるの?」
セリフを分割するという、実は難しい技術で俺を精神的に追い込む。
ふん、逃げることが出来ないなど分かっているさ!
でもやる。それがお約束だ!
ダッシュ、ダッシュ、ダッシュ~!
西城入ってすぐ遭遇したから外に出るのは簡単だ。
でたら罠があったけどさ。
宙に浮かび、俺を睨み付けてくる64もの銃口。
ジンのガンズ・カーニバルか!
見れば近くにジンがティーと一緒に居た。
(どういうことだ!)
(すまんリョーガ。オレには無理だった)
(何がだ!)
(ヒメサマコワイ)
(どした!?)
ダメだ、あのやろう完全に脅されてる。
ふん、覚醒したジンとはいえ、俺も覚醒してるんだ。
全力でやれば、この包囲網も抜けられる!
……何故コメディパートで全力出す事態になっているのかは不明
ギシッ!
なんだ?身体が、動かない!?
いや、動くことは動く。だが、かなり阻害されている。
何からの影響だ!
「私だよ、リョーガ君?」
「リネットォ!?………騎士にして主なり、あれは強化魔法じゃない。まさか、強化の逆、弱体化出来るのか!?」
「流石リョーガ君。そう、私の魔法は反逆する騎士を抑えることも出来る。私の魔法は、甘くないよ?」
「くっ!」
リネットと俺を繋ぐエネルギー経路から、阻害の意思力が伝わってくる。
まずいな、俺はこのパスに対して、殆ど何も出来ない。
なら、リネットの阻害を受けながら逃げるしかないか。
速度は落ちてるが、瞬連加をつかえば何とか。
って、今度は物理的に身体を阻害されているだと!?
「これは、認識阻害かけた精霊か!」
「うん。捕縛に適した精霊達。普段のリョーガならともかく、今のリョーガじゃ払えないよ?」
やっべぇ。詰まれたッッッッ!!!
「それじゃ、覚悟してね?リョーガ君♥」
「治すから大丈夫」
そういうもんだいじゃねぇぇぇ!!!???
―――
「あらぁ?大丈夫ですかぁ?」
「どうもエティさん、お久し振りです」
「そんな久し振りでも無いですよぉ?」
いえ、結構久し振りです。小説的に。
そもそも、初見以来?彼女はどうもメイン扱いに近いそうなので、一応補足説明を入れておこう。
彼女はフェイクライナ王国所属の研究者。
研究内容は多岐に渡り、主に源子学、源子魔法学、源子科学など。
源子学と源子科学って、何が違うの?作者はきちんと区別出来てるの?そもそも、源子科学って、原子科学と音が同じだから紛らわしいんだよな。
現在は、主にビジターの存在について研究中。
実物(俺やジン)が目の前に現れたことで、研究する気になったらしい。
外見は、メガネ!巨乳!白衣!!!
これで良いかな。よくない?後は、色々と緩い人だ。ゆるゆるのふわふわだ。なのに20才だって、成人してるんですって。
この世界に成人の習慣?は無いらしい。
砦に居たのだが、研究で医療について知識が有るので、関所まで来たらしい。
「身体は、大丈夫そうですねぇ。覚醒の影響も取れたようですぅ」
「覚醒?それって、一気に強くなることでいいのか?」
「はいぃ。そうですよぉ?」
適当に覚醒と名付けてたが、公式でも覚醒なのか。
詳しく聞いてみることにした。
夕食の時間までまだあるし、何より気になったからな。
ちなみに聞いた内容は、ダイジェストで。
何故ならば、この人の喋りはゆるふわ過ぎて進まないのだ!
俺自身も、説明は巧くないが、その辺は勘弁してくれ。
何なら、作者を責めてくれ。
この世界での覚醒とは!
人間ならば、種族を問わず、必ず因子と言うものを保有する。
種族によって保有する因子に偏りがある。
この因子の種類によって、使える魔法の種類が変わってくる。
例として、シンシアの風魔法を上げる。
風を纏わせた剣なら、【風】【武器に纏わせる】のような因子が必要となる。実際にはもっと複雑だけどな。
そして、保有する因子は、自分の内面に意識を傾ければ判る。
保有する因子は、必ずしも発現するとは限らない。
何らかの理由により、因子が発現せず、ある時いきなり使えるようになるそうだ。
ここまでは、前にやったかな。
そして覚醒とは何か。
それは簡単、能力の急激上昇。
戦闘力に限らず、芸術家とかも。インスピレーションが湧いた、などは一種の覚醒らしい。
訓練や修行などで、能力や魔法の力を上達出来る。
覚醒はその名の通り、潜在能力を覚醒させるのだ。
覚醒は、訓練が限界まで行き詰まったとき、つまりレベルキャップやステータス上限に達したとき、起こることがある。(起きないこともある)
他にも、極限状態や、現実を塗り替えるほど強い想いがあると起こることもあると言う。
此方は、まず起きないそうだけどな。奇跡、或いは御都合主義。
しかし、これはこの世界人、ビジターと比較するならネイティブか。の話。
ビジターは少し違うそうだ。
「どうもビジターはぁ、覚醒が起こりやすいとか」
「それは、過去に例が?」
「そうですぅ。これはぁ、研究が必要ですねぇ」
つまり判ってない。
逆境を跳ね返すことさえある覚醒。
逆境時の覚醒は、身体に負担を著しく掛けるそうだ。
そりゃそうだな。前者は修行の末に覚醒するのに対し、俺やジンのやった後者の覚醒は未熟なまま、相手に勝つために無理矢理したものなんだから。
しかも、だ。この覚醒だと、発現していなかった因子が発現したり。新たな魔法、能力を得ることが多いという。
正し未研究。因果は不明。
「なのでぇ、リョーガさんはとても良い研究対象なのですよぉ」
「嬉しくもないんだけどな。まっ、俺も自分の力が未知なのは確かだし、研究してくれて有り難いけどよ」
「個人的にぃ、リョーガさんは好みですからぁ、研究意欲が湧きますよぉ」
何だろう、好みって言われたのに、ゆるふわ童顔だけどめちゃ可愛い系なのに、ちっとも嬉しくない。
あれか?俺を研究対象、つまりモルモット的な見方だからか?
なんか、ちょっぴり悲しいっす。
「そうだ、色んな研究してんなら、研究成果あるんだよな?」
「はいはいぃ。色々とありますよぉ」
「俺、新しく炎を操る能力を手に入れたんだが、発火は出来なくてな。いざとなったらジンやヴェルに協力してもらうけど、効率が悪いと思うんだ」
「つまりぃ、発火出来る魔法道具が欲しいと?」
「ああ、出来れば携帯出来る奴が良い。火種があれば大きく出来るから、発火能力は最低限で良いんだが、どうだろう」
「出来ますよぉ」
「本当か!」
「少し時間がかかりますがぁ、造れると思いますぅ」
「マジで!やったぁ!」
エティさんの柔らかお手てを掴んで上下に振る。
発火系の道具がありゃ、戦略が一気に増す。
そりゃあ、喜びまくりだぜ!
「あのぉ、リョーガさん?」
「おっと、スイマセン。テンション上がっちゃって」
流石にゆるふわだからって、女性だ。失礼だよな。
「発火道具を造ったらぁ、実験に協力してくれますかぁ?」
「あれ?そんなこと。そりゃ構わねぇけど。手ェ掴んじゃったのは
良いのか」
「それぐらい全然~。リョーガさんならぁ、どこ触られても構いませんよぉ」
「あのエティさん。その発言はどーかと。それじゃあ胸でもなんでも触って良いってことになるけど」
「構いませんよぉ」
「マジで!?」
どゆこと!?エティさん実は痴女説!?
「リョーガさんはぁ、好みって言ったじゃないですかぁ」
何だろう、一気に萎えた。何だか、男として認識されてないような。気のせいだと思う。気のせいだと分かってんだけど、なんとなーく、研究対象的なあれが俺を萎えさせる!
「まぁ、そう言うなら遠慮なく」
うむ、萎えても関係ないな。そりゃ仕方ない、男だもの。
ドガンッッッ!!!
「アホかお前は」
「いったぁ!シンシア!何もハンマーで殴ることはねぇだろ!」
「心配ない。これは木製で軽量だ」
「そりゃピコハンレベルの大きさとはいえ、かなり威力じゃねぇか!」
「アホなやり取りしてるからだ。それより、リョーガも、エティさんも。夕食の用意が出来たそうですよ。エティさんも御一緒にと、王女方が」
「俺はまだお星様が見えるのだが」
「あらぁ、私も良いんですねぇ。楽しみですぅ」
「リョーガ、早く行くぞ」
「スルーか、まあ良いや」
良いのか、と突っ込みは受け付けます。
「夕食は豪華らしい。私も呼んで下さった」
「何だかんだで、シンシアもよく一緒にリネット達と食べてるな。普通じゃない気もするが」
「普通じゃないよ。リネット様達は優しいから。それにフェイクライナの王族の、女性の方々は、あまり身分の差を気になさらない性格だったらしい」
「そりゃまた。お国柄か。まぁ、好感持てる性格だな。しかし、夕食は何だろうな?」
「私も知らない。だが、良いものが手に入ったと聞いた。昼頃に商業キャラバンが寄ったらしいからな」
「そいつは楽しみだな」
この時、俺は呑気だった。
そのキャラバンがもたらしたものが、フェイクライナにある伝説を生むことになる。
思わせな引きのまま次回へGO!