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真実の中の虚構世界《フィクショニア》  作者: AKIRA SONJO
第2章【首都奪還プロジェクト、女の子が最優先です】
23/54

19話【仲間が出来たら自己紹介。これ基本なり】

うわーお。

それ(⚫ ⚫)を見た感想はこれしか無かった。


ジンと合流し、ヴェルん家から出ようとして、

俺は硬直した。


「ちょっ、そこは、んっ!止めてぇ!」

「や、止め、お願いだからぁ、待ってよぉ」


触手×美少女5人=⚫⚫⚫⚫


「ちょっと待てヴェル。まだ中に居ろ」

「?、わかった」


良かった。疑問はあるが納得してくれた。

触手は精霊族エルフにとって最悪らしいからな。

どうやら、視覚で捉えなければ、恐怖心は生まれないようだな。


―――――


「リョーガ、どうすんのーこれ」

「助けるか?」


触手と戯れている少女達5人。

ウネウネとうねる触手が美しくも可愛らしい乙女達を、弄んでいる。

シンシアは普段の気丈さは何処へやら。

半泣き状態で、顔を赤らめて、息も絶え絶えと。

ティーは、泣いてはいないが、どうしようも無く、

ただ抵抗を続けている。褐色の肌にも関わらず、赤さは分かるくらいだが。


「見てないで助けてよぉ。早くぅ。リョーガァ。助けてぇ」

「ジン!?みっ、見ないで!でも助けてぇぇ!」


流石に可哀想なので、助けよう。

そもそも俺に触手趣味無いし。


「んじゃ、俺が触手をスパスパするから。ジンは斬った奴等を消し飛ばしてくれ」

「お互い体力戻ってないんだけどなー」


さてと、触手の情報を。

嫌だなー、あんま直視したくねぇ。


殺傷力は無いな。だが捕縛力は高い。

しかも、触れた対象の源子を奪っていくのか。

だから、なすがままになってるわけか。

完全に足止め、或いは捕縛にしか役にたたんな。

無害だがキモい。


「シントウ流<幾重咲き>、並びに<剣嵐舞闘>。誇り高く舞い、嵐が如く切り裂け」

銃と踊る狂乱祭(ガンズ⚫カーニバル)。否が応でも参加して貰うぜー?」


(ジン、なにその名乗り)

(リョーガこそ、厨二爆発じゃねーか)

(たりめーだ。俺は厨二だ。しかし、良い技手に入れたな)

(そっちこそ、てか何か技似てんなー)


十の剣が触手を切り裂く。

今回は、踊る長期形式じゃなくてもいーな。

瞬間技として発動、ぶつ切り程度だが、切りまくる。

瞬加を起動、少女達をやさしく、そう優しく(←ここ重要)受け止める。

ゴゥアフト四人を受けとめ、さっと降ろして立たせる。

最後にシンシアをお姫様抱っこ(←最大に重要)で確保。

死ぬまでにしたいことの上位、お姫様抱っこが出来て俺はもう、感動です。

てかちっこいなー、こいつ。


「ガンズ⚫カーニバル、炎上祭!」


未だにうねる、ぶつ切り状態の触手に銃弾が向かう。

刃の野郎、16丁とか俺の幾重咲きより多いじゃねーか。

つーか、エンジョウサイ?まさか、


「触手が燃えまくってるだと、ジン、炎の能力を手に入れたのか!?」

「ああ、あと水系統と、電気系統なー」

「ずりぃなー。俺も使えるように修業しねーと」

「技的にいったら、リョーガの方が多いだろーよ」

「俺のは地味なんだよ!」


「もう大丈夫だぜシンシア」

「リョ、リョーガ。良かったよぉ」


ギューっと抱き付いてくる。

お姫様抱っこ+首もとに抱き付き。

ん!?なんか、柔らか気持ち良いような。

まさか、あれか、隠されしあれか。

小さくて大きいというのは、良いのか。

世界が、世界の理が壊れるぞ!

てか俺はもう死ぬのではないか。

…………イカンイカン、落ち着け俺。


「こっ、怖かったよぉ」


上目使い+ウル目だとぉ!

普段気丈な娘が、こんな可愛らしい一面を持つ。

なんだこのカワイイ生き物は。

俺を萌え殺す気か。

望むところだ!

…………餅突け、いや落ち着け俺。ほんとに。


このパターン、俺なら予測出来るじゃないか。

例えばほら、泣き止んだら、


「……あっ、あれ?リョーガ!?こっ、これはなんだこの態勢は放せ放してくれ降ろしてくれてか離れろー!」


理不尽な右パンチ。

ぐぅ、疲れた身体には効くぜぇ。

パンチが来ることなんて読めてたさ。

なら何故対処しなかったかって?

そりゃね、パンチを受けた方がシンシアの精神が落ち着くじゃないか。勝手にお姫様抱っこしたのは俺だし。

決して、Mじゃないぞ。この話はもうしたぞ。

絶対に、抱き心地が良かったからギリギリまで抱いていたかったとかじゃないからな!


ジンはティーを介抱してる。

あっちはジンに任せよう。


「そっ、それでどうだったのだ。きちんとなきゃ、……仲間に出来たのか?」


流して欲しいんだな。

後ろを向いて話しかけてきたシンシア。

顔はまだ真っ赤っか。噛むところも可愛いねぇ。


「ああ、当初とはちげぇが、付いてきてくれるとさ。ヴェル!もう大丈夫だぜ」


出てくるマーヴェル。


「何があったの?」

「触手が居てな。おっと大丈夫だ。もう倒したから平気だ」

「良かった。この人達は?」

「仲間だ。この騎士っぽいのがシンシア。フェイクライナの近衛隊長な。あっちの四人はゴゥアフトのメンバーだ。ゴゥアフトはわかるか?」

「うん、情報は集めてたから」

「シンシア、そしてそっちの皆も。この娘がヴェル、マーヴェルだ」

「……よろしく」

「よろしく。私はシンシア⚫ミルワード。シンシアと呼んでくれ。これから、フェイクライナの為に一緒に頑張ろう」

「違う。ワタシはリョーガについてく。それは国の為じゃない」

「なっ」

「そういうことだな。まぁ、俺がやることがフェイクライナの為になるから、良いじゃねぇの」

「むぅ、少し釈然としないが。改めてよろしく。なんと呼べば良い?」

「マーヴェルと呼んで欲しい」

「わかった。マーヴェルだな」

「うん、よろしく」


―――


「あれ?マーヴェルで良いのか?」


小声で話す。

疑問に思ったことを聞いてみた。


「リョーガには、ヴェルって呼んで欲しい。リョーガは特別だから」

「嬉しいこと言ってくれるじゃねーか」


―――――


他のゴゥアフトメンバーにも挨拶は済んだようだな。

本気で疲れてるから、さっさと砦に戻りたい。

現在は午後3時過ぎ。

おかしいな、一時間半しか過ぎてなかったのか。

数週間たった気が(ry


「んで、強化魔法かけられる?俺とジン、限界近いんだ。早めに砦まで辿り着きたい。具体的には日暮れまでにな」

「砦?」

「ああ、俗称だよ。城と城下町だが、砦扱いになってるから」


ヴェルに説明しつつ、返答を聞く。

どうやら、強化は出来そうだ。

源子、つまりはエネルギーを触手に吸われていたが、

それは魔法を捕獲時使えない程度にすいとるものらしく、

源子は残ってるそうだ。

まぁ、無駄遣いは出来ないが。


(ジン、源子力はどんだけ残ってる?)

(さっきので休憩した分がパァ、だなー。ガンズ⚫カーニバルは使えそうもない。リョーガは?)

(源子量は全然平気っぽいんだが……)

(肉体、あと体力か)

(ああ。だから俺も、あまり戦えそうにない)


ジンとのアイコンタクト。

満身創痍に変わりはなく、俺もヴェルに回復を掛けて貰ったとはいえ、万全には程遠い。

ヴェルの回復は、怪我とか負傷には強いが、体力そのものはあまり回復出来ないらしい。


とにかく砦に向かう。

シンシアが風の魔法で機動力を底上げ。

ゴゥアフトメンバー、フェリシアも強化魔法を使う。


「フェリシアの魔法はどういう仕組みなんだ?」

「えと、風の強化はシンシアさんと同じです。後、移動速度に大して強化しました」

「へぇ、便利なこった」


ん?速度に働きかけるって、結構凄いことじゃね?


移動を始める。

ちょっくらきついが、まあなんとか持つだろう。


「これなら、2時間くらいか?」

「そうだな、だが、モンスターと出会せば」

「ヴェル、なんとかなるか?」

「うん。多分出来る」


ヴェルが集中する。


「<皆、お願い>!」


精霊に声をかけたのか?


「成る程、移動型の結界か。自分を中心としてモンスターに気付かれにくくするってか」

「移動型の分、効力は弱い」

「それでも凄いじゃないか!マーヴェル、君は結界まで使えるのか!」

「シンシア落ち着け。つーか、結界の魔法って珍しいのか?」

「珍しいと言うほどでも無いが、かなり有用な魔法だ。しかもモンスターに対する隠密はとても役に立つ」

「そうか、砦に結界を張るってわけか」

「そうだ。マーヴェル、出来ないだろうか?」

「分からない。長期に渡る結界は難しい」

「その辺は砦に着いてから良いだろう。先を急ごうぜ」


――――――


その後、結界が効いたのか、エンカウントせずに済んだ。

午後5時過ぎ。


「お帰りなさい隊長!」

「ああ、変わりは無かったか?」

「はい、変わりなく、モンスターの襲撃。避難民等はありませんでした!」

「よし、引き続き頼む」

「はっ!」


―――


「ここが、砦?」

「ハルクァース城という名らしいな。城主は居なくて、避難基地として使えるように用意してたらしい」

「あくまで用意だったのだがな。本当に使うことになるとは」


「リョーガ君!お帰りなさい、大丈夫でしたか?」

「あー、まあ大丈夫だ」

「痩せ我慢はやめとけリョーガ。結構ダメージ食ってっから、バッテバテだ。リョーガを休ませてやってくれ」

「ジンー。格好つけさせろよなー。第一お前も疲れてんだろーが」

「リョーガ様、それでその方は?」

「ああ、この娘はマーヴェル。精霊族で、交渉の結果、俺に付いてきてくれるとさ。ヴェル、こっちがリネット、フェイクライナの第二王女な。こっちはハンナ、見た目通り侍女、メイドだな」

「…よろしく」

「よろしくマーヴェルさん。リネット⚫コル⚫フェイクライナです」

「侍女のハンナと申します。よろしくお願いいたします」


リネットはちょっとよそよそしく、

ハンナはメイドっぽく。メイドっぽく?

ヴェルはヴェルで、俺の後ろに隠れてる。

人見知りなのだろうかやはり。

しかし、何故リネットは少し機嫌悪そうなのだろうか。


「セリアは何処に居る?」

「セリア様なら会議室にいらっしゃいます」

「そうか、なら行くか。そうだ、風呂沸かして貰えるか?仰仰しくなくて良いから」

「畏まりました」


クイクイっとヴェルが袖を引っ張ってくる。

ああ、そゆこと。


「セリアってのは第一王女だ。ここの実質的トップだよ」


リネットの機嫌がまた少し悪くなったような。


「皆は戻ってて良いよ。アタシがやっとくから。ちゃんと休んで回復しとくんだよ」

「「「はい」」」


ティーが他の3人は戻らせる。

あの3人も疲れてたみたいだしな。

触手キモかったし。


――


「どうやら、成功したようですね」

「まぁな。セリア、この娘はマーヴェル。ヴェル、さっき言ったセリアだ」

「…よろしく」

「よろしくお願いしますね、マーヴェルさん」


「そんでセリア、あっちの件は?」

「まだですね」

「そうか、……っと」

「リョーガ、大丈夫?」

「リョーガさん!?大丈夫ですか?」

「あっ、ああ」


ちょっとよろけちまっただけなのに。

全く大袈裟だな。

ジンと完徹でワールドワイドなFPSで海外ユーザーを撃ちまくった翌日なんて、

こんなもんじゃ無かったのに。


「すまんな、疲れてるみたいだ。セリア、俺とジンは飯食って、風呂入ったらすぐに寝たい。飯の用意ってあるか?」

「えっ、ええ。軽いものならあるはずですが」

「ただいま戻りました」

「ハンナ、ご飯の用意をしてあげて。リョーガさんとジンさんに」

「畏まりました」


――――


ガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツ。


「御馳走様でした」


手を合わせてなーむー、じゃねぇよ。

ダメだ俺疲れてる。


「ハンナ、風呂沸いてる?」

「はい、大丈夫です」

「んじゃ行こーぜージン」

「おーう」


スイッチ切れてるな。俺もだけど。

ん?


「どうしたんだハンナ」

「いえ、何でもありません」

「良いって。言ってくれよ」

「では、リョーガ様は礼儀が正しいと思いまして」

「んー?何のことだ?」

「食事のさいに、何時も手を合わせています。毎回きちんとです」

「あー。単なる習慣だよ」

「それは凄いと思います」

「そーか。まぁ、褒められて悪い気はしねーや」


――――――


カポーン。


なんて便利なオノマトペ。

男通しで入る風呂なんて需要ないので割愛します。

え?需要あるかもだって?そっちに供給するつもりねーよ。

只でさえ、その辺はあっちの世界でも大変だったんだから。

まぁ、お互い無口で溺れてたから、書くことないだけなんだが。


そしてベッドへバタンキュー。

左腕の時計を見る。

まだ午後7時じゃねーか。

でも寝よう。

おっと、服変えなきゃ。

ブレザー、或いは魂の戦闘服を脱ぎ、

寝間着に着変える。


今度こそバタンキュー。


―――――


「<皆、力を貸して>」


これで、眠りがよくなるはず。

良い夢を見て欲しい。


――――――


「ふぁぁぁぁ」


んー、なんかスゲースッキリしたな。

午前5時か。10時間も寝ちった。

昨日は疲れたしなー。

ヴェルの家、或いはダンジョン越えた後、幾重咲きを開発したら、もう疲れた。

ジンも、覚醒っぽいことしたら疲れたって言ってたしな。

でも、良い能力、技が手に入ったのは事実だ。

修行してより良くしよう。


さてと、現実逃避はここまでだ。

俺が寝てたのはシングルベッド。

セリアが俺に割り当ててくれた部屋に備え付けられていたもの。

壁に横付けされたもので、俺は何故か壁際によって寝ることが多い。

だから、スペースは少し余るんだ。

シングルと言えど、一人で使う分には余裕があるからな。

なのに、今日は狭かった。

寝返りをうつ余裕がない。


ここまで書けば、勘の良いひとはとっくに気付いているはず。

そう、誰かが潜り込んでいるのだ。

しかも、だ。

俺は壁側を向いているからなのか、

背中に抱きついているのだ。

感触から女の子なのは間違いないだろう。

ジンだったら一撃で刈り取りに行く。

誰だろうか。

本命⚫ヴェル

対抗⚫リネット

大穴⚫シンシア


さあ、誰だ!

バサッ!


「ん。あ、さ?」


バサン!


答えは、ヴェルちゃんでしたー。下着状態の!

とりあえず今見た光景はフルハイビジョンで保存っと。

………俺もう終われ!

俺め、俺が引導を渡してやろうか!


ゴソゴソ。

まさか、出ようとしてるのか?

させるか!


「ヴェル、何故服を着てないんだ?」

「ん。着てるよ?」

「上をだ」

「寝苦しい」

「そうか、それは仕方ないな。とりあえず服を着てくれ。俺は後ろ向いてるから」

「うん、分かった」


良かった。本当に良かった。

この手のイベントって本当にあるんだな。

肌、綺麗だったな。

……ハッ!俺め、何を考えているんだ!


「リョーガ、手、大丈夫?」

「ん!?ああ、右手だな!大丈夫だ。支障ないし、痛みも無い」

「良かった」


その笑顔は何度でも見たいな。とても可愛いし。

花が咲くような。なんて表現が合う娘だもの。

だが今は、その笑顔が辛い!


「それで、何で俺の部屋に?ヴェルの対応については、セリアに頼んどいたんだが」

「え、えと。その、疲れを取りたくて。その、魔法を……」

「おっと、怒ってるわけでも責めてるわけでもねーよ。単に聞いてるだけだから。それに、魔法は効いたぜ。スゲー身体軽いよ」


シングルベッドの上で話し合ってる。

エルフ(しかも物凄く可愛い)とこんな風に話すなんて、

元の世界じゃ有り得ないね。

こういう点において、いきなり連れてきやがったあいつに、感謝してもいいかな。


「そ、その」


言いにくそうなので、予想しよう!

俺は鈍感系主人公ではないのだ。

機微には聡いのだ!


「そっか、心細かったのか」

「!……うん」

「そりゃそーだよな。周りは知らない人間ばかりだし。種族間の関係とかはわからねーけど、不安もあるか」

「うん。御免なさい」

「何故謝るんだ?」

「勝手に、入ったから」

「だから良いって。寧ろ俺が謝んなきゃな。悪かったな、そこまで頭回らなくて」

「そんな!リョーガはワタシを連れ出してくれた。ワタシに一人じゃなくて良いって、言ってくれた。これはワタシの問題」

「ていっ」


ペシッ!


「だかりゃ!?」


シントウ流奥技が1つ、デコピンだ!(笑)


「このまま言い合っても終らねーよ。ここらで終わらせとこうぜ」

「うう、痛い」

「俺の奥技だからな」

「もう」


まー、こんな感じで、後は30分程世間話を続けた。

何故かベッドの上のままで。


――――――


「そういやさ、エルフって皆耳がピンっとしてるのか?」

「うん。皆こんな感じ。男の人は、女の人より短いけど」

「へぇ。男女差があんのか」


長耳って、やっぱりエルフの特色だよね。

可愛いよね、長耳。


「なぁ、その耳、触っても良いか?」

「え」


耳を押さえて下がる。そしてここはベッドの上。


「あ!」


落ちそうになる。何故【そう】なのか、簡単だ。

それを予測していたので後ろからキャッチした。

どうやって動いたのかって?聞かないでくれ。


「あ、ありがとう」

「すまんすまん、そんなに嫌だったか」


やっさしーくベッドの上に戻す。

俺はベッドの下で良いや。


「えと、違うの。エルフの耳は精霊と繋ぐ経路?の1つで、少し敏感」

「てことは、長いほど精霊との意思疏通が良くなるのか?」

「一概には言えない。でもそれで大体合ってる」

「敏感なら、ダメだよな。すまん、興味本意で聞いただけなんだ」

「………ぃよ」

「ん?」

「リョーガなら、良いよ?」


ぐはぁ!リョウガは9999のダメージを受けた!

だっ、駄目だ。いい加減、上目遣いへの耐性をつけねぇと。


「良いのか?」

「うん」


カァァと赤くなり始める。

肌が白いと分かりやすいな。


「んじゃ、行くぞ」


ピンっとなった耳を優しく触り、撫で、確かめる。


「んっ、あっ、んっ!」


へぇ、温かいのな。それに触り心地が結構。


「んん!っ、んあ!」


少し耳が下がってきたような。

耳が動かせるのか。人間で耳動かせるのって、少しレアらしいな。

俺は動かせたけど。

うーん、長い以外は人と変わらないのか?

しかし、これはなんだろうね。

プチプチと例えるのは失礼な気もするけど、

あれと同じハマってしまいそうな。


「………んあん!!!」


りせいがもちません。

このこはおれをもえころすきですか?


バタン!


「何をしている!」


――――――


「朝の5時半?随分と早く起きてしまったな」


まあ、昨日は早くに寝てしまったからな。

リョーガ達もすぐに寝てしまったそうだし。

きちんと休めただろうか?

!何を考えているのだ私は!


時間はちょっとだけ戻り、シンシア視点。


全く、あの男はなんなのだろうか。

いきなり現れて、ビジターで、強くて。

姫様達も信頼しているようだし、エルフを仲間にしに行くと言って、本当に仲間にしてしまったし。


あんな男の子、周りに居なかったな。

女だからという理由だけでバカにしてくる。

背が小さいからとバカにしてくる。

この立場になると、対等の者が居ない。

それどころか下心をもって近付いてくる者ばかり。

でも、リョーガは違う。

最初から対等に扱ってくれていた気がする。

だから私は………。私は!?何を考えているんだ!

第一、あの男は姫様達にも対等にして、

不遜に過ぎる!全く、文化の違いだとかなんだとか。

お姫様抱っこまで勝手にして。

憧れていたのに。……力強かったな。

はっ!また何を考えているんだ。

モヤモヤする。どうにかして懲らしめたいな。

そういえばあの男は剣も使えたな。

稽古という名目で、1発やってやるか。


―――――


しまった、まだ早朝ではないか。

しかし、私より早く寝ていたのだ。

起きているかもしれない。

とりあえず、ノックでもして確めるか。


部屋の前に着く。

結構良い部屋を割り当てているのだな、姫様は。

さて、ノック、


「―――んあん!!!」


を、と。さて、レイピアもある。

魔法を籠めて置こう。


バタン!


「何をしている!」


そこには、ベッドの脇で、寝ながら抱き合っている二人が。

(リョーガが下で、マーヴェルが上に)


「何を、しているんだ?」


レイピアを、構える。


「ちょっと待てぇぇぇぇ!」


待つかバカ。

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