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真実の中の虚構世界《フィクショニア》  作者: AKIRA SONJO
第2章【首都奪還プロジェクト、女の子が最優先です】
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18話【そりゃね、異世界だもの。居ると思ったさ。人格までキモいとはね】

ったくよー。空気読んでくれよ。

普通さ、助けたら、救ったらそこでイチャイチャだろうよ。

つーか、なんかキメぇな。

凄い気持ち悪さ。

ありゃしょうがないか。

このために見張り役をつけてたが、抜けられたのか。

多分、倒されたのではなく、戦闘継続中か。

仲間、或いは手下に任せてきたってところか。


「おい、てめぇ、ジンはどうした」

「ジン?知らないねぇ。誰のことかなぁ?あぁ、前の大部屋に一人居たねぇ。もう戦闘不能だったからほぅってきたがねぇ?」

「そか、なら良いや。んで確認すっけどさ。お前の目的はヴェルを連れていくことなのか?」

「まぁ、そういうことになるかねぇ」


ヴェルこと、マーヴェルを説得?し仲間にした。

直後に乱入してきた変態。

なにかが来ることは予想してたけどさ。

こんな変態とはね。

構図としては、

ここは大きな、ホールみたいな場所。

入り口側に変態が居る。

中程に俺とヴェル。

俺が前に出て、ヴェルを後ろに庇ってる。

なんか、やけにビクついてるな。


「どうした?ヴェル、怖いのか?心配すんな。俺が守るからな」

「えっと、違う。なんか、あいつ、怖いというか、イヤ」

「まぁ、変態みたいだし」

「それもあるけど、違う。もっと、深くイヤな感じがする」


小声で話す俺達。

んー?どういうことだろ。


「てめぇ、アブザーダなのに、なんでエルフが必要なんだ」

「エルフというより、そこのお嬢さんだねぇ。とっても強い、そして稀有な能力らしいからねぇ。捕まえて洗脳しようかとねぇ」


うん、殴る。

でも駄目だ。もっと情報を。


「だがよぉ、てめぇに捕まえられるのか?確かに、ヴェルはスゲー強いけどさ。てめぇはどうなんだ?ヴェルを捕まえられる程強いってのか?」

「いやいやぁ?たぁしかに強いけど、まともにやったらそのお嬢さんの方が強いかねぇ。でもぉ捕まえられるんだねぇ」

「てことは、相性か」

「そういうことだねぇ。見せてあげようかねぇ。<解放ゥ>」


魔人が、変態が、変態を始める。

身体が溶け始める。

この変化は初めてだ。まぁ、魔人との遭遇自体少ないがな。

スライム状に変化、いや、あれはスライムというより、


「あ、ああ、ああああ。イヤ、イヤ、イヤァァァァ!!!!!」

「ヴェル!?大丈夫だ、俺が居る!!!」


恐慌に陥ったヴェルを俺は抱き締めて落ち着かせる。

変態は、触手に進化していた。


―――――――――


「触手?軟体動物タイプか?」

「いやいやぁ?触手という単体の生物だよぉ?」

「触手が苦手だったのか?」


苦手というレベルじゃねぇような。


「ああ、相性について教えてあげよぅ?エルフという種族はねぇ、触手に弱いんだ。それはもう、見ただけで身体がすくむ。決定的に相性が悪いんだよぉ?」


エルフ×触手=…………

誰得だ!

完全に薄い本向けじゃねぇか!

人間には、蛇を見ると恐慌状態になる遺伝子が組み込まれてるらしい。これは、猿から進化した人類の特徴らしいな。

それと同じことか。

生命の根幹に、触手は無理と、精霊族はなってるのか。

うん、おかしいね!


しかし、現にヴェルがめっちゃ怯えている。

可愛いことは確かだが、ここまで来ると可哀想過ぎる。

俺サドじゃねーし。

あん!?誰だじゃあマゾなのかとか考えたやつは。

俺はSでもMでもねーよ。

まぁ、どっちか決めろと言われたら、

Sかなぁ?前に刃のアホにSっぽくねと言われたし。


「キモいな」

「褒め言葉だねぇ。触手たる我々にはねぇ」

「………」

「おやおやぁ?まっ、君についてはどうでも良いんだがねぇ?退いてくれるかなぁ?」

「けっ。分かってんだろ。退くわけねぇ。ヴェルを守る」

「男を弄る趣味は無いんだけどねぇ。需要薄いし。まぁ良い。では行くよぉ?そうそう、名前は」

「ああ、いらん。めんどい。今日はもう疲れた。すまんが、速攻で決めさせてもらう。第一、てめぇは変態で充分だ」

「…酷いねぇ。まっ、君に出来るかどうか。そこそこ強いよぉ?このボクわっ」


聞いてるのもキモい。

なので、瞬加で近付き、刀で切り裂く。


「ふむふむ、ボクに刃物はあまり効かないよぉ?」

「だからどうした。再生機能ぐらい予想住みだ」

「なら、どうするとぉ?」

「決まってる」


幾重咲き、からの剣嵐舞闘。

再生するより早く、早く速く疾く!!!

切り刻む。

てか触りたくない。


「無駄だと言うのにねぇ。ボクの再生は君が考えたものとは多分違うよぉ?」


けっ、早く斬っても、再生より速くても、効果は薄めか。

ダメージも無さそうだ。


「君は、武術と、風系統みたいだねぇ。相性が悪い悪い。ボクはねぇ、炎とか爆発とかじゃないとダメなんだよねぇ」

「……。そうだな。俺に爆炎系は使えない」


そうか、効かねぇのか。

相性わりぃな。

だけどな。


「はぁ、なんてこった」

「悲嘆にくれるのは仕方ないねぇ。勝てないのだからねぇ」

「違うけどな。説明する気もねぇがよ」

「んんぅ?どういうことかn」


懐に潜り込み、右パンチ。

そして、爆発(⚫ ⚫)


「なっ、何故ぇ……!?」

「説明する気無いと言った」


こいつ、触手の癖に動き遅いな。

いや、手部分が速いのか。本体はおせぇ。

この辺は、油断もあるけど。


左パンチ、爆発。左飛び膝、爆発。

回し蹴り、爆発。再度左パンチ、爆発。


「がっ、がっ、ぎゃ、ぐがぁぁぁ」


左蹴り、俗にケンカキック、爆発。


「なめ、るなぁ!」


触手を10本伸ばしてくる。

これは、指みたいだな。

だが無駄だ。

こちらもまた、十の刃が宙を舞う。

切り裂く。縦に、横に、ぶつ切りに、千切りに、滅多刺しに。


右キック、爆発。

ジャンプ及び急降下踵落とし、爆発。

左パンチ、爆発。

左キック、爆発。

おまけでドロップキック、おまけの精神で大爆発。


何故俺が爆発を使えるのか。

簡単だ、これは刃の爆発弾を利用しているからだ。


俺がこの大部屋に入る時の連携。

あいつそのときに、俺に銃弾を託した。

ったく、こういう場面で渡すと、その後に使い道がある。

もしくは、それで窮地を打開するとかあるけどさ。

役立ち過ぎだって。


爆発の威力は、俺が源子を大量に籠めてブーストしてある。

刃の爆発弾は、爆発するという機構を持っているが、

爆力は、源子量に正比例する。らしい。


「フフフ、なぁるほど。これはこれは。中々のものですねぇ」

「なんだが、これではボクを倒せない、とでも言いたそうだな」

「先取りしてほしくないですねぇ。ですが、事実。ボクを削れても、倒せない。一体どうしようというのでぇ?それに、この爆発、君の力じゃないねぇ。最後のドロップキック、かなりの爆発。つまり、弾切れだねぇ?」


これは多分意図したものじゃねぇだろうけど、

ドンピシャだな。


「だからどうした」

「ならば!ここからは、ボォクのターンですねぇ!」

「はっ、こねぇよてめぇのターンは」

「えっ?」


決めるか。

爆発弾は、後1発。

勘違いどうも。まっ、そのように爆力を変えたけどさ。

刃の瞬間創造弾数は、俺の知ってるあいつで12発。

11発使って、試した。

俺が今出せる源子をありったけ弾丸に注ぎ込む。

弾丸は握った右手の中に。


シントウ流の、基礎にして奥技(⚫ ⚫)


「<シン、ッケン>!!!」


踏み出し、右手を振りかぶる。

生まれる現象は、


「ギャァァァァァァ!!!!!」


触手全てを無差別に払う爆発と、

変態の断末魔。(正しくは違う。どうも逃げたらしい)


これぞシントウ流奥技、【シンケン】。字は、真拳だ。


「もう大丈夫だぜ、ヴェル」

「うっ、うん!って右手!」

「これか?大丈夫大丈夫」


爆発を制御したわけじゃないし、俺には無理だし。

右手ごと爆ぜた。

つっても、真拳には拳の防御もあっから、

なんとか動くけど。


ヴェルが俺の右手を見つめてる。

気にしなくて良いのに。いや、違う。

ヴェルが俺の右手に精霊を送ってる?


「んっ。これは、回復魔法?」

「癒しの精霊を付与した」

「おっ、痛みが引いてく。治り始めてる。スゲーな。回復まで使えんのか」

「うん、良かった。この力は好き」


「あっれー。良かった良かった。ちゃんと仲良くなってんなー」

「ジン。ヴェル、こいつはジン。俺の親友だ。視てたんだろ?」

「うん、よろしく」

「リョーガに隠れながらかー。まぁ良いや。しかし、役に立ったみてぇだな」

「ああ、最高だぜ」

「すまんな。変態を一人通しちまった」

「良いよ。バテてたんだろ。今もバッテバテだ」

「リョーガもな」


お互いに、満身創痍。


「さて、行こうかヴェル。俺に付いてきてくれるんだろ?」

「うん、行く!」

「ここはどうする?荷物とか」

「あっ、ちょっと待ってて」


―――――――


「けっ、良い技手に入れたみたいだな」

「そっちこそ、可愛い長耳っ娘を落としたみたいだなー」

「手ェ出したら、ジンでもマジでヤるかんな」

「へっ、オレがそんなやつに見えんのかー?」

「それはどうかな?親友」

「濁すなよ、親友」


―――――――


「ごめん、待たせた」

「いやいや、結構早かったな。そのザック1つで良いのか?」

「うん、大丈夫」

「なら、外に仲間も居るから合流しよう」


こうして、エルフのダンジョンをクリア。

中ボス、モンスターボックス。

ボス、 マーヴェル。

裏ボス、変態。


マーヴェルを仲間にして、終了。

おかしいな、大して時間かかってないはずなのに、

数週間くらいかかった気がする。


後始末は、明日から!

次回へ持ち越し!

また次話で!

これ、後書きで良いような。

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