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真実の中の虚構世界《フィクショニア》  作者: AKIRA SONJO
第2章【首都奪還プロジェクト、女の子が最優先です】
19/54

15話【あれ?ノリでダンジョンって言ってみたら、比喩じゃ無かったの?】

春の2月目、10の日。

現在地、エルフの家或いはダンジョン。


あっ、今回はオレ、刃がお送りするよー。


異世界に飛ばされたオレ達。

オレとリョーガは何だかんだで再会し、

リョーガの提案でフェイクライナという国を救おうとしている。

リョーガが言うには、


人間だけではこの国を救うのはかなりムズい。

なので異種族と共闘することが必要。


何でかはよく分からん。

あいつは色んなことを考えてるし、全く考えてないこともあるからなー。

でも、リョーガが確信を持って言ったからには、そうなんだろう。

オレはリョーガの親友だ。信じてやるぜー。

今何してるかというと、


近くにエルフ(!)が居ることを確認。

協力を取り付けるために交渉しに来た。

主にリョーガが。

そしたらいきなり吹っ飛ばされた。

リョーガが。

これには訳があると推理し、家に入り、エルフに辿り着くことに決めた。

リョーガがな!!!


ん?オレ?話ちゃんと聞いてたよー、そんだけだけど。

良いの良いの、リョーガが大抵やってくれるし。

オレが必要ならきちんとあいつはそう言うしー。

リョーガは頭脳+労働、オレは労働専門ってねー。


さてと、リョーガがノリでダンジョンと言ったこのエルフ宅。


「ダンジョンが、何の比喩にもなってねー」

「俺だって驚きだ。家の中なのに、相当広い。魔法使ってるなこれ。仮称精霊のダンジョンってところか」

「そのまんまだねー。……なんだ!?」


内装は、迷路っぽいのをイメージしてくれ。

そんで森、ってか大樹の中を進む感じ。

うねうね道が曲がってる。

太陽光を採り入れたり、光を発する装置があるらしい。

あっ、リョーガが言ってたことねこれ。

進んでたら前の曲がり道で何か音がした。

オレは拳銃を両手に創造、やっぱ2丁拳銃じゃねーとな。

リョーガは右手に刀を造り出す。

良いなぁ、刀って。でも銃の方が遠距離だしな!

ん?


(モンスターっぽい何かだったら、俺斬撃波先制、次ジン射撃。追撃俺突っ込み。ジン辺り警戒)

(OK、通常弾6×2装填済ー)


アイコンタクト超便利。

元々、連係攻撃が必要なゲームとか、言葉出せないゲームとかで、

何故か身に付いたこの能力。

いやはや、なんて便利なんしょ。


そして前から現れたのは、

ドスンっ!

燃え盛る巨漢だった!!!?

右腕をユラリと上げ始め


「シントウ流<一刃乃風>!」


ヒュン、ヒュン、ザァァァァァ!!!

パパパパパパン!

手筈通りに、リョーガの斬撃波、

オレの3発ずつの6連射。

効果の程は、


スウゥゥ、ポン。


「消えた、か」

「周りクリア、敵影無しと。リョーガ、あの炎精霊、斬撃波だけでオーバーキルじゃねー?」

「保険だ保険。……戦闘態勢で行こう。先制出来るとは限らねぇし。あんま無駄撃ちしないでくれよ?」

「わーってるって。そっちこそ、体力使いすぎんなよー?ってあいつ倒して良かったのかー?」

「ああ、攻撃意思あったし。つーか、精霊出たら全部先制攻撃な」


――――――


エルフ宅、第1層(!?)


炎精霊、獣型10体登場


「って多すぎじゃね!?」

「大型犬サイズかよ!<一刃乃風>ェ!」

「衝撃弾だオラァァァ!!!」


斬撃波が2体を切り刻み、俺の12連射が6体を霧散させる。

どうもこの使役精霊の実体は薄いらしく、

通常弾より衝撃弾の方がロスが少ないらしい。

ん?ああ、リョーガが言ってた。

オレの衝撃弾なら2発で消せるみたいだな。

んで残りの2体


「悪いな、ターン制じゃねーからなー!」

「シントウ流<颯舞>!」


オレが拳銃自体を投げつけ、牽制をする。

怯んだ一瞬を利用して、リョーガの4連撃が交差する。


「ふぅ、結構つえぇな。この辺のモンスターと比べると、レベルが段違いだな」

「流石、エルフの能力ってかー。!、次来たぞ」


炎精霊、騎士型12体、だとぉ!?


「だから多いってば!」

「騎士型、多分さっきの獣型より攻防高い、スピードダウンするだろうがな」


既に拳銃は創造⚫装填済。

リョーガは斬撃波を、オレは右手拳銃から6発総射。


(斬撃波2体倒、6弾2体倒、装填総射連続)

(了、オレ4)

(俺4颯一掃)


中央4体を先に撃波。

オレは左4体を、リョーガは右4体を担当。

まず左拳銃を総射、同時に右拳銃に装填。

全く、結構大変なんだぜー、同時行使は。

総射で2体を倒す。

炎精霊の騎士が剣で斬りかかってくる。

だが、


「おせぇよ。リョーガと比べたら止まって見えらぁ」


後ろに下がりながら、装填した右拳銃を総射。

これで計4体。


「こっちも終わったぜ。魔人よりは弱いな」

「おっし、次行こうかー」


オレ達はピンチになどならないぜー。

ゲーム勘がここまで有用とはな。

しかもオレ達強いしねー。

リョーガが言うには、無傷であることは重要らしいし。


―――――――


エルフ宅、第2層(何この表示は!?)


なんかいきなり雰囲気変わったな。

ん?広間に出たな。

さっきから敵、使役精霊が襲ってくるのはこういう広いとこばっか

襲い易いのか?


「多分、あっちから覗いてるんだろーよ。方式は分からんが、使役精霊の動き方に特徴があったからな」

「相変わらず、分析に余念がねーなー」

「おめぇも少しは分析してくれって」

「いやいや、リョーガだけで充分だしょー」

「ったく。……次だ!」


水精霊、人型16体


どんどん数が増えてるなー。

ビジュアルはあれな、いかにも水!って感じ。

早速先制、リョーガの斬撃波、オレの12発総射。

計8体、半分に減らした。

やっぱりこういう雑魚散らしはオレの方が向いてるな。

!?


(地面を滑る様に来る、対応は!?)

(爆発弾!ダメじゃなく足止めで、俺は新技を試す!)

(了、撃って2テンポ爆)

(応!)


総射後の拳銃に爆発弾装填、即時発射!

軟体の身体を活かし、こちらに近付く精霊。


「多少速くてもな、銃弾に勝てるかなー!」


パパパパパパン(パパパパパパン)

そして爆発!

バァァァァァァン!!!

近くで爆破すると、干渉どころか連鎖するんだぜー?

精霊達が跳ね上がった!


「シントウ流<斬軌乃帯(ザンキノオビ)>!」


刀身が源子を大量に纏い始める。

それを、真一文字!真横に切り払う。

生まれる現象は


「刀の軌跡に沿って発生する帯状の斬撃か。成る程、射程はあまり遠くないが、範囲がかなり広い。140度くらい出てねーかー?」

「ああ、やろうと思いや360度行けそうだ」

「こいつぁ、便利な技になりそうだなー」

「まっ、連発ムズいし疲労はデカイ。でも、気に入ってたんだよねーこの技。出来て良かったぜ」

「しかし、8体を一掃とはねー。良いなー範囲技」

「いやいや、お前銃タイプなんだから覚えるだろ俺より」

「えー、近接タイプのリョーガの方が覚えんだろー」

「今度技の開発付き合ってやっから、進もうぜ」

「おーけー」


これでリョーガには中⚫遠距離技が二つ。

オレも開発しようかなー。特に近接技。

オレ殴るくらいしかないし、やはりあの(⚫ ⚫)戦闘術を試してみようかねー。


水精霊、鳥型20体


「どんどん多くなってんな、何この少しずつ強くなってく方式!」

「ツバメみたいな形状フォルム、恐らくスピード型だ!爆発攪乱、近付けさせるな!」

「了解!」


シュンシュン飛んでくる水ツバメ、まずは、

パパパパパパン(パパパパパパン)

バァァァァァァン!!!!!

ちっ、倒せたのは2体だけか!


「<斬軌乃帯>、あんま使いたくないってのによ!」

「早速使いまくる羽目になったな!」


オレが爆発弾で飛行を乱す。

リョーガが間髪入れず斬軌乃帯とやらを放ちまくる。

………よし!12体片付けた。

ここまで減りゃあ、


(右爆攪乱狙う、左衝撃遠く狙う)

(近く俺斬る、やれ!)


右拳銃に爆発弾装填、要所に撃ち乱す。

左拳銃に衝撃弾装填、狙って撃ち抜く。

あっ、爆発弾も狙ってるよ?

何処に打てば、どのタイミングで爆破させるかぐらい、

ガンアクションの鬼ゲー比べりゃ、簡単よー。

むっ、2体抜けてきた!


「おらっ!」

「それ、技名はー?」

「無い!源子籠めて斬っただけだ!」

「適当かっ!……これで終わりだ!」


残ったやつらを一掃、やはり速攻は良いな。

無傷でここまで来れちまってる。

相変わらず、リョーガの力はスゲーなぁ。

いつも考える。

リョーガは様々な能力を持ってる。

でも、その中で一番なのはその頭脳だとオレは思うんだ。

どんだけ強くても、それを扱う知力が無きゃ持ち腐れだしなー。

全く、どんな頭してんだか。

IQテストだとか、うけてくんねーかなー。


次の大広間、

水精霊、人型30体


(!?囲まれてる!)

(人型、いや魔術師みたいな。………まずい!遠距離だ、回避優先、迎撃斉射!)

(了、爆発で弾幕作る)

(俺攻性、斬撃波飛ばす、防性任せる!)

(来たぞ!迎撃開始だ!)


30方向から来る水弾、それを爆発弾で防ぐ。

ほっ、どうやら数は多いが威力は大したことねーな。

オレの弾丸は1度に12、相手は30、

だからこその弾幕。爆発によって生まれる衝撃波のカーテンが、

オレ達を守る。

と言っても何度も使える手じゃない。

相手は軌道を変えたり、大きさを変えたり、

それこそカーテンを撃ち抜く威力に変えてくる。

でも、


「<一刃乃風>、連発だオラァァァ!!!」


そう、1回止めればリョーガのターンが来る。

あいつの一刃乃風は範囲は大して広くない。

でも飛距離はそこそこある。

しかも、だ。

弱い攻撃位なら、切り刻みながら飛んでいく。

【風】の名の如く、斬撃は主撃の周りに小さな斬撃、風を纏うらしい。

これは副次的に生まれるものらしいがな。

その風は相手の攻撃を飲み込みながら殺到する。

範囲が狭いといっても、近くに居る2体程度なら同時に斬れる。

しかも今のリョーガは連発している。

1回放つのに、2回クロスしながら振って、

最後に力、源子を籠めながら振り抜く。

連射性が低いと言っていたが、リョーガの振りは結構速い。

故に、1ターンに3発は放てるみたいだ。

まぁ、御約束として、疲労はデカイは威力は弱まるわ。

あいつはどうも源子の限界量が見えねぇが、

その前に疲労が限界を迎える。

だとしても、


「はっ、魔術師タイプってのは防御力が低いと相場が決まってんだよ!」


ということで大丈夫らしい。

しかし、18体、過半数倒したところで動きが変わった。


(2体で強い水弾を放つのか!ジン、スイッチ。俺斬防、ジン撃攻)

(了!スイッチ開始!)


残った12体が、2体ずつ固まりかなり強い弾丸を放ってくる。

いや、砲弾と言って良いだろう。

成る程、だからスイッチしたのか。

オレの弾丸だと押し切られそうだ。


「シントウ流<斬軌乃帯⚫参連>」


相手の攻撃は6方向、そして斬軌乃帯は範囲を広げれば広げるほど単位辺りの威力が落ちる。

だから発動する範囲をバラける。

つまり、60度×3回の帯を放ち節約を図ったってこった。

よし、防御してる間に、

パパパパパパン(パパパパパパン)

これで6体撃破。


「ふん、残り6体なら、対処は軽ぃな!」

「終わりだ」


装填、即総射。

計30体、掃討完了。


「リョーガ、残りHPは?」

「結構使っちまったが、まぁ大丈夫だ。まだまだイケるな。ジンはどうだ?」

「体力は平気だがなー。源子がドンドン減ってきやがる。3日間の修行で多少最大保有量が増えたとはいえ、ペース配分が必要だな」

「そうか。後はこのダンジョンがどんだけ深いかによるかな。俺の勘だと後2層ぐらいなんだが」

「2層か、ならイケそうだなー」

「まっ、少し軽食を取ろう。源子入りのクッキーだ」

「何で持ってんだよ、こんな便利アイテム」

「非常食変わりにな。ハンナに作って貰った」

「用意周到だねー。そしてハンナさんはなんて便利キャラ」


サクサク、いや少ししっとりしてて食いやすいなー。

成る程、唾液を出やすくしてるのか。

ほんのり甘くていい感じだ。

でも、


「ほい水」

「おう、………って何処まで用意周到だよ」


ふふふ、以心伝心なのだー。

まぁ、そんくらいじゃないと眼で会話とか出来ねーし。


「さて、行くか。回復は?」

「ちょっと出来た。気分は大分よくなったなー」


―――――――


エルフ宅、第3層(だから誰が出してるのこの表示)


「さて、炎、水と来たら、あとは何かな」

「やっぱり何らかのエレメントかねー?」


出てきたのは、


「雷精霊か!予想してたよ!!」

「やっぱエレメント系かよ!」


雷精霊、獣型20体


ちょっと数は減ってるけど、あれは良いのか?


(なぁ、形がデカイネズミなんだがよー)

(突っ込むな、つか、俺の刀が使えねぇ。俺は斬撃波が主体になっちまう。頼むぞ)

(了、大きさは小型犬くらい、外す気しねーな)


ふふん、あんな電気ネズ…、おっと雷ラットぐらい簡単に、って

動き速!

やっべ、避けらんねー。

でも残念、オレの弾丸の方が速いんだよ!


(なんだありゃ、電光石火と称していい気がするんだがよー)

(フラッシュ使えたな。あれ指向性は?)

(!、ああ、あれは全方位と弾丸の向き先の2タイプだ。どっち撃つ?)

(指向性で頼む、俺は光を防ぐ術が未だねぇ)

(了、左を光、右を爆発で)

(いや右を貫通にしてくれ)

(?分かったそれで行こう)


左を照明弾に、右を貫通弾に変更。

必要なポイントに撃ち込む。

成る程、こういうことか。

爆発弾はオートにも出来るが、基本は任意だから素早い相手には爆発のタイミングを合わせるのが大変だ。

だが、貫通弾は違う。

破壊力は低いし、総ダメージ量も大したことはない。

だが、外れても直進し、当たっても直進するのだ。

つまり、


(牽制にもなるってかー。オレより分かってやがんな)

(貫通弾は3発程撃ち込む必要があるか)


そして、照明弾の効力は


(効いてる効いてる。明らかに鈍くなってんなー。でも、あいつら雷精霊だから効果薄いと思ったんだが)

(そいつは簡単なことだ。動かしてるのはあのエルフっ娘だからな。何処からか視てるんだろーよ。それこそ、あの雷ラットの眼球部分からな!)

(へぇ、何処で分かったんだ?)

(!右撃ちだ!……これまでの戦闘データ、そして反応の仕方からな。視られてる気配もしたし)

(っと、危ね。流石、敵キャラの行動アルゴリズムを読み解くだけはあるなー)

(つってもまだ幾つか未確定要素が、!、動きが変わったぞ。無駄話する時間はねぇ。行くぞ!)

(了!)


オレは照明弾で掻き乱し、貫通弾で牽制とダメージを与えていく。

リョーガは乱れたところに、一刃乃風と斬軌乃帯を、

距離に応じて放っていく。

会話の間に8体撃破。途端に動きが変わりだす。

平たく言えば、


「くっ、光が効いてねぇのか!」

「オート化だと、だがその方が読みやすいね。ジン、30秒で見切る。爆発と貫通で弾幕造ってくれ!」

「了!専守防衛ってわけだな!」


先程より数段速い動き。

突っ込んでくる体当たり。

だが、直線には変わりなし。

ならば、

爆発弾による弾幕、当てるためではなく、単なる牽制だ。

さっきまでは倒すつもりで、無駄弾を使わないように貫通弾。

今は牽制そのものが目的だ。

だから、爆発弾を使えるって訳だ。

流石に雷ラット達は弾幕を突き抜けてくる気は無いらしく、

避けながらこっちに体当たりをしてくる。

そしたら、そこに貫通弾をぶちこむ。

オレの弾丸の方が、オレの撃つスピードの方が速い。

倒しきれはしないが、無傷でしのぐことが出来る。


(……………よし、イケるぞ。ジン!右貫通、左衝撃だ!俺の合図で撃ち込め!)

(了!待ってたぜー!)


リョーガが得意なゲームに、無双系がある。

一人で数十、数百、数千万もの敵を凪ぎ払うあれだ。

リョーガはモブのアルゴリズムを解析し、

ノーミスでクリアする攻略を得意とする。

オレは気合い避けばっかだけどな。

あいつは気合い避けも得意だから手に負えねぇ。

相手の移動アルゴリズムを完全解析したオレ達はもう無敵だ。

リョーガの一刃乃風、オレの弾丸。

瞬く間は言い過ぎだもしても、15秒程で残り全部クリア。


「はぁー、倒せたか。ヒヤッとした場面もあったなー」

「結構消耗あるな。さっき休憩しといて正解だった」


確かに相当消耗してる。

オレの残弾数も少なくなってきた。

リョーガは身体の負担が重くなってくるだろう。

それでも、仲間にしたいんだろーな、あのエルフちゃんを。

まぁ、気持ちは分かるぜ。

あの娘には、お前と同じ(⚫ ⚫ ⚫ ⚫ ⚫)雰囲気(⚫ ⚫ ⚫)を感じたからな。

オレは全力でサポートしてやんよ。


「ん、次でこの層は終わりかな」

「えっ?おかしくねーか。この層だけ2面しか無いなんて」

「ああ、だが俺の感覚だとかなりデカイ広間がある」


どんな感覚だよ。何時の間にサーチ能力を。

良いなぁ、サーチ。

あれあると狙撃成功率上がるし。


「なぁ、2面分使って出てくる敵ってさ」

「ああ、相場は決まってる。モンスターボックスのような大軍か、或いは」


広間に辿り着くオレ達。

そう、或いは、


「デカブツだよなぁ、やっぱり!!!」


それは、雷を放つ大きな、そう大きな、


「鳥!?雷鳥モデルか!」

「雷鳥って、雷を操れるっけー?てかデカイよ!」


―――――――


あれ?場面変わったぞ。

てことはこれボス戦かよ。


「大きさは1トントラックよりデカイ。相当タフそうだな」

「………って翔べるの!?」

「みてぇだな。ん?羽ばたき。落ちてくるあれは、………奴の羽?雷鳥の、羽?………まずい!避けろ!」

「!?おお!分かった!」


羽ばたく雷鳥。

落ちてくる奴の羽。

そう、雷を纏った奴の羽。

………雷?

そうか!だから避けろと言ったのか。


(あっぶねーな。どうする)

(ジンは爆発で弾幕を張り雷羽飛ばしを防ぐ。俺は)


「シントウ流<一刃乃帯楓(イチジンノタイフウ)>」


ヒュンヒュンと刀を振り、斬撃を貯め、

今回はそれを刀身に残す。


(成る程、そいつもシンシアちゃんの魔法にあったな)

(ああ、一刃乃風の派生技、一刃乃帯楓だ。飛ばす斬撃を刀身に纏わせたままにすることで、強化を図る。それが必要な相手だ!)

(へっ、だろーな。さっきより目付きがキレッキレになってるぜー?)

(そっちこそ、マジモードの目付きになってんぞ)

(んじゃ)

(さてと)


「「行きますか!」」


作戦は簡単。

攻撃を食らわないことだ。

オレより機動力のあるリョーガが主体となり、

刀に斬撃波、正しくは風に近い現象を纏い、

奴の技、雷羽飛弾(リョーガ命名)を、

風を攪乱させることで反らしつつ、攻撃を加えていく。

オレは爆発弾による爆風弾幕で攻撃をしのぎ、

衝撃弾でダメージを蓄積させる。

かなりの無理ゲーだ。

羽は速いし、奴自体がそもそも速い。

しかも雷鳥なだけあり翔んでいるから、

オレはともかく、リョーガは斬撃波しか攻撃技がない。

でもな、それでもやれるのがオレ達だ。

リョーガは行動解析。

オレは撃ちまくる!


オレの弾が奴に30発程当たったか。

オレの弾はその辺のモンスターを一撃で葬る威力だ。

なのにまだピンピンしてる奴のタフさは分かってくれるだろうか。


(よし、反撃に出よう。俺が斬撃波を放ちまくるから、防御に専念してくれ)

(了、………今だ!)


行動解析を終えたリョーガと役割のスイッチ。

一刃乃風が、ホーミングするかのように当たる。

途端、不規則な飛翔を始める雷鳥。

でも無駄だ。それすら読んだリョーガが決めていく。

オレ?勿論防御。奴の放つ雷羽飛弾をオレの弾丸で撃ち落とし、爆風で吹き飛ばし、リョーガを守る。

10発食らった雷鳥。

さしもの巨大鳥でも、動きに陰りが見え始めた。

つっても、オレ達もなんだけどよ。


(もう少しだ。決めよう)

(了、総射を食らわしてやるぜー)

(俺も、フルパワーの一刃乃風を…………、あれ、は)


どうしたと聞くまでもなかった。

雷鳥が、翼を広げ、バチバチと派手な放電現象を始める。

ずっと放電現象はあった。

でもあれは違う。あれは、

そう、貯めるかのような。

………貯める?


「シントウ流<一刃乃風>フルパワー!!!」

「2丁拳銃、衝撃弾、12総射!!!」


一気に放つ!

後先考えない、全力の攻撃。

そう、あれは前兆。

あの体勢でくるのなんて、決まっている。


バチチッ!

キィィィィーーーーーーンンンン!!!!!


「がっ、がぁぁぁぁ!!!」

「シントウ流<瞬加>ァ!、ぐっ、よけ、きれ」


雷を纏い、その翼で加速し、突っ込んでくる。

それは体当たり。

とてもシンプルだ。ゆえに強い。

印象としては、デカイ雷の破城槍。

くっ、なんてダメージだ。

何とか直撃は避け、気絶もしてないが、身体がまだ痺れてやがる。

何故オレが避けれたか。

簡単だ。奴の狙いはリョーガだったからな。


「リョーガ!無事か!?」

「……っ。何とかな。でも、避けきれなかったぜ」


流石だな。

瞬加ってのはあいつのお気に入り技で代表的な技だ。

瞬動術とか、縮地だとか、

そういう技を自分用にカスタマイズしたもんらしい。

現実でも使えるよう原理を追及したりな。

何でも、貯めなしで初動からMAXスピードになれるとか。

さらに派生技や強化技、変化技まであるらしい。

どんだけ気にいってんのか。

瞬加蹴倒もまたその一つ。

速度をもって、相手を一撃必殺する蹴り技。

用は瞬加で加速しドロップキック。

速度エネルギーを全て衝撃エネルギーに変換しぶちこむ。

実は春夏秋冬、つまり一年は早く過ぎるから、

瞬加蹴倒は速いのだ。

というアホなダブルミーニングになってるらしい。

でも、そんな瞬加でさえ避けきれないほどの攻撃。

どう攻略するか。


(リョーガ、どうするんだー?オレにゃあ勝ち目が見えねぇんだがよー)

(ある。見ろ)


ん?雷鳥が、疲れている?

そうか!あの技、かなりの体力を使うのか。


(後1回が限度だろう。つまり、後1回はあるがな)

(どうする?オレの身体は痺れてやがる。リョーガも復活までどれだけかかるんだ?)

(後数十秒ってところだ。そのかわり、復活タイミングで決めてやる)

(んじゃ、それまで、あいつの攻撃、を、どう、防ぐってんだー!?)


アイコンタクトしながらも、

雷鳥を伺う。そう、動き出した。

さっきのような体勢で!


まずい、まずいまずいまずい。

どうする、動け、考えろ、適確解を導き出す?

いや、そんなのはリョーガの仕事だ。

オレはとにかく、動く!

あいつの狙いは変わらずリョーガ。

なら、あのスピードでも撃つ隙はある。

う、ご、けぇぇぇ!!!

必死で身体を動かす。

銃口を向けるために。

装填は済んでいる。

後は撃ち、当てるだけ。

リョーガは後少しかかる。

だから、その時間を稼ぐ。


バチチッ!


来るか。

撃ってやる。

当ててやる。

オレなら出来るさ。

引き金にかけた指に、力を籠め、

…………………られない!?

まさか、痺れてるのか!?

まずい、もう時間が、動けよ。

頼む。動いてくれ。

じゃないと撃てない。

引き金を引けない。


キィィィィーーーーーーンンンン!!!!!


ちくしょう。

チクショーーーーー!!!!!!!!!

出やがれーーーーーー!!!!!!!!!!!!!


パパパパパパン(パパパパパパン)!!!!!!


え?


ダダダダダダン!


着弾、した?


「最高だぜ。ジン。シントウ流<即断速決>(+一刃乃帯楓)!」


真っ二つ!!!


「はぁ、終わった。疲れたぜ。でもよく撃てたな」

「……え?いや、わかんねー。オレ、引き金引いてねぇし」

「?引いてない。…………そうか、もしかしたら」

「なにか、わかるのかー?」

「ああ、多分だけど、お前の銃は、引き金に連動するのではなく、意思に連動するのかもな」

「意思?つまり、撃ちたいって思ったら、弾が出るってことか?」

「確証は無いが、そんなとこだろう。良いスキルをもってんじゃねーか」

「実感ねーな。でも、とりあえず」

「ああ、とりあえず」

「「休憩しよう」」


はぁ、疲れたぜ。


―――――――


少し休んで次の層へ。


「次で最後だろう。開けるぞ?」

「デカイ扉だなー」


その時、オレは忘れていた。

普通、ボスを倒したら、次はエルフとご対面だと。

オレはそう思っていた。

でも、あれはボスはボスでも、

中ボスだった。

リョーガは分かっていた。

次の層は、


「モンスター、ボックスだと…………!?」


さぁ、結構書いたからセーブしよう!

一度身体を休めてから、もう一度コンティニューだ!


え?マジでここで切るの?


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