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真実の中の虚構世界《フィクショニア》  作者: AKIRA SONJO
第1章【異世界との邂逅、あと女の子も】
12/54

エピローグ 12話【一段落と思ったのに】

実は、まだ解決していないことがある。

それは、


「【ゴゥアフト】のメンバーの洗脳が解けない、か」

「どうにかならねーか、リョーガ。オレより、リョーガの方が知識あんだろー?オレは銃しか使えねーしな」


そう、お風呂イベントで忘れかけていたが、

問題は残っていた。

つーか、前回の引きでこれって、

けっこー恥ずかしいな。

とりあえず、


「エティ、何か手立てはないか?」


専門家に聞いてみることにした。


「先程ぉ、様子を見てきましたぁ。あれはぁ、認識置換タイプですねぇ」

「認識置換ー?リョーガ解説よろ」

「ったく、そうだな。【Aは悪者】【Bは善者】という認識がある。それを【Aは善者】【Bは悪者】という風に入れ換える感じだ。今回は【砦に住民と共に避難した王族⚫衛兵】が、【砦に奴隷を監禁する犯罪者】って変えられたんだろーよ」

「刃さんにこの認識置換を使わなかったのはぁ、【ビジター】故の耐性力ですねぇ。その為、周りの景色を変えて、誤魔化したんでしょうねぇ」


なるほどなー、と呟く刃。

この辺は俺の推測が当たってたか。

つーか、認識置換って使いようによれば相当のもんだ。

今回だって20人以上を操ってたわけだし。


「そんで、対応策かなんかは無いのか?魔法研究とかの成果とか」

「そうですねぇ、私の魔法はぁ、役にたたないでしょう。ですがぁ、1つ心当たりがありますねぇ」

「マジか!どんな方法があるんだ、オレなら何でもするぜー」

「ジン、落ち着けって」


世話になってたからか、平常時よりやる気出てるな。

そういやこいつ、助けられたら力になるとか、

そんなこと自分に課してたな。


「シンシアさんがぁ、言ってましたぁ。リョーガさんとの決闘時にぃ、魔法を砕かれたみたいとぉ。それを応用すればどうでしょうかぁ?」

(はた)き割りのことか?でもありゃ、………いやイケるか?まるで確証ねぇけど」

「リョーガ、どんな技なんだー?その技についちゃ、オレは聞いたことねーなー」


他の、特に気に入ってる技は解説したことあるんだがな。

【空転】とか、【瞬加】とか、スゲー気に入ってる。


「叩き割り、ってのはな。相手のバリアとか、防御、強化魔法を打ち砕く、或いは叩き落とすみたいなイメージだな。そして、味方に掛けられたバッドステータスとかも消せる、みたいな」

「随分と便利な技に聞こえるなー。ってかイメージって言ったか今?」

「シントウ流については俺だって解ってねぇって。だけど、出来る可能性はあるな」

「ならぁ、試してみるべきではぁ?」

「だけど危険性もある。セリアに付いててもらおう。回復係りが居れば安心だ」

「よし、すぐにやろう!洗脳をさっさと解きたい!」

「あーあーもう、落ち着けって」

「ではぁ、動きましょうかぁ」


―――――――――


結果から言おう。

俺のシントウ流、便利すぎ。


「なるほど、リョーガさんの技で打ち消し、その時の保険というわけですか」

「ああ、頼めるか?」

「勿論です。【ゴゥアフト】の皆さんと、早く交渉したいですから」

「リネットも付いてきてくれ。多分だが、強化してもらってる方が成功する気がする」

「分かったわ、リョーガ君!」

「よし、さっさと行こー!」

「だから、テンション落とせって」


「貴様ら、奴隷達を解放しろ!そして、アタシには何しても良いから、仲間は解放してくれ!」

「わーお、仲間思い。こいつはリーダーか?」


グルグル唸ってる。

ちなみに手足共に枷を着けてます。

ハンナさんが一瞬でやってくれました。

あの人、ホントに何者なんだろう。


「ああ、ロッティ⚫フリーケン。此処一体のリーダー。そうだなー、子会社の社長みたいなもんかなー」

「肌は褐色、瞳は茜か。髪は長めの濃い黒。この辺の人間じゃねーのかな」

「確か、南の大陸出身だとかなー。ってそんなことより早く早く」

「わーってるって。リネット、頼むぜ」

「それじゃ、いくよー!」


文言を唱え、俺へ力が伝わってくる。

今回は強くなくて良いと言っておいた。

じゃねーとまた倒れるかもしんねーし。


「よし、セリアも準備良いな。んじゃ、シントウ流<叩き割り>っと」


額に掌底を軽く当てる。

やっぱ、頭だろ。

何となく、額中央に変なチカラが集まってる気がするし。

パキン!


「うっ、ああああああ!!!!!」

「!ロッティー!大丈夫か?」

「うっ、うん?刃、か。あれ?そこにいるのは、王女達?えっ、あれ?奴隷商達は何処へ行ったんだ?」

「………はー、良かったぜー。後遺症も無さそうだなー。リョーガ、他の皆も頼むよ」

「うっし、成功したか。セリア、一応診てやってくれ」

「はい、勿論です」

「面白い現象ですねぇ。シントウ流はぁ、良い研究対象になりますねぇ」

「なぁ刃。これは一体どういうことなんだ?」

「ちゃんと説明するからよー。皆が元に戻ったらな!」


パキン!パキン!パキパキパキパキンンンン!!!!


―――――――


「先ずは礼を言わせてくれ。ありがとう、本当にありがとうございますだ。そして謝らせてほしい。操られていたとはいえ、襲ったのは確かだ。本当にすまなかった。こんな、謝っても仕方ないとは思うが」

「あー、いぃいぃ。固い固い。てかうぜぇ」

「では、何かさせてほしい。何か償いをさせてほしい」

「固いな!まぁ良い。元々交渉するつもりだからな。セリア、リネット、任せてもらって良いか?」

「構いませんよ」

「姉上がいいなら、全然大丈夫!」

「さてと、現状、フェイクライナは大ピンチだ。このまま行けば、国家崩壊は確実だろうな。だから、此処で攻勢に出る」

「モンスター達を返り討ち。それどころか、此方からぶっ倒しに行くわけだなー。魔人アブザーダが一番の撃破目標だが」

「そして、最初の目標が、首都奪還だ。そのための戦力がほしい。言いたいことは分かるな?」

「………つまり、アタシ達の力が欲しいと?」

「そーゆーこと。引き受けてくれるよな?」

「勿論だ!【ゴゥアフト】は弱者を救い、クズを倒す。それが目的の集団だ。アタシ達の指針にも合う。是非ともやらせてもらいたい!!!」

「交渉成立だ。作戦従事で、この件をチャラにしよう。さて、こんなんなったけど、良いか?」

「えっ、ええと。それは構わないのですが」

「攻勢に?首都奪還っ!?」

「おいおい、大きくでたな貴様。勝算や作戦はあるのか!」

「勿論、これは俺とジンで決めたことだがな。とりあえず、俺達の目標は【この世界を楽しむ!】だ。その為に邪魔なモンスターや魔人はぶっ倒す。ついでにフェイクライナも救ってやるよ!!!」


そんなわけで、あの謎ガイドの話は無視して、

俺達は勝手にやろうということに決めた。

信用出来ねーしな!

さて、次からは本格的に異世界でのドタバタだ。

先ずは、


「こいつらをどう説得しようか」

「えっ、そこから何も考えてねーの!?」


さぁ、始めよう。

この、夢みたいなとても楽しい世界で!!!


―――――――――


『………次のニュースです。また失踪者が出ました。警察当局は、これを【全国的青少年連続失踪事件】と題し、操作を続けております。失踪者の共通点として、12才~18才であること。いわゆる、厨二病と呼ばれる傾向が強いこと。そして、光と共に居なくなるということです。現在の失踪者数は、32(⚫⚫)名となりました。引き続き、警察当局は情報を求めています。……次のニュースです』


「にぃ様。一体何処へ………。リィサはとても心配です。会いたい、リィサはにぃ様に会いたいです!!!」

〔なら、会いに行けば良い。君もまた、チカラがある〕

「………………えっ?」


「リィサァー?…………あれ?あの子も行っちゃったのか」

「ふん、動き出したのか。……教えられることは全て教えたつもりだからな凌駕。生きて、また会おうか」


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