ゾンビとドラゴンと恐竜が現れて
朝起きたら、ゾンビが支配する世界になっていた。
俺はいつものように、朝起きて、朝食を食べ、サラリーマンスーツを着て、電車に乗って、職場に行く。
一見すると、いつもの見慣れた町の風景。
しかし、誰もいない。最寄り駅へと向かう。
駅にも誰もいない。電車も全く走っていない。
電光掲示板にも、電車の時刻も何も表示されていない。
「おかしいな・・・?」
駅を出て、家に帰ろうとすると、突然何者かの気配を感じた。
いつの間にか、手にはゾンビを殺すための武器があった。
すると、周囲はゾンビに取り囲まれていた。
とにかく、どこでもいいから逃げ回ろうと思った。
ゾンビを殺すための銃だ。俺はとにかく、その銃を撃ちまくった。
ゾンビたちは次々と撃たれて、倒れていく。しかし、ほとんど影響が無いくらい、ゾンビの数が多かった。
気がつけば、見知らぬ公園まで逃げ込んでいた。誰か生存者がいたらと思ったが、誰もいない。
そこも、ゾンビに取り囲まれる。
「グエエエエッ!」
「うわあああーっ!」
意識が遠のく。痛みも感じない。俺はこのまま、死ぬのか・・・?
次に気がついた時には、なんと女戦士の姿になっていた。
なんで、女戦士なんだ?わけがわからない。
周囲は、中世ヨーロッパ風の町並み。そして、手にはゾンビキラーという剣が握られていた。
もしかして、これって何かのゲームの一場面なの?と思いながら、あたりを見渡すと、ここもゾンビに、取り囲まれていた。
というか、王様も大臣も兵士も、道具屋のだんなも、宿屋の主人も、町娘も、みんなゾンビ化していた。
とにかく、ここから逃げよう。
さらに逃げ回る。町を脱出する。今度は森と草原だ。
全て倒そうとは思わない。一体、また一体、ゾンビを斬って進んでいくが、いかんせん、数が多すぎる。
草原で、ゾンビに取り囲まれる。
もうだめか、と思った瞬間に、突然大きな鳴き声らしき轟音が響き渡る。
ドラゴンだ。しかも、グレートドラゴンという種類のようだ。
さらに、別の方向から、ドラゴンとは別の鳴き声らしき轟音が。
恐竜だ。しかも、T-REXという、最強の肉食恐竜らしい。
しかし、ゾンビたちは、ひるむ様子も無く、グレートドラゴンと恐竜に、数にものを言わせて、飛びかかる。
グレートドラゴンは炎を吐いた。凄まじい炎だ。たちまち、ゾンビたちは焼き尽くされる。
さらに、グレートドラゴンの鋭い牙と爪、恐竜も、鋭い牙と爪を使って、ゾンビたちを蹴散らしていく。
俺は、その間どうすることもできないまま、その一部始終を、ただ見ていただけだった。
てか、ドラゴンが死んだらドラゴンゾンビになるとは聞いていたが、T-REXが死んだら、T-REXゾンビになるのか?と思った。
気がつかないうちに、ゾンビの攻撃で、腕に傷を負っていたようだ。しかし、ゾンビ化とかしないで、平気なままだ。
どうやら、ゾンビの攻撃による影響を無効化するという、特殊な体質のようだ。
そこに、スキンヘッドの戦士?大魔法使い?らしき男が現れた。
「もしかして君も、ゾンビ化しないという特別な体質なのか?
ああ、申し遅れました。私は、タケナカという者です。」
タケナカと名乗った男は、女の仲間ばかりを、はべらせているようだ。
「あの、生存者は他に?」
タケナカ「何を言っている、この世界の生きている人間は、君と、我々だけだよ。
これから、人間と、ゾンビと、ドラゴンと、恐竜の、生存合戦が始まるんだよ。」